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2008/02/01

超人のドキッとする絵画 10 堺市立文化館 アルフォンス・ミュシャ館『花と女性―ミュシャ・スタイルの精華』

Nec_0007_319世紀パリ万博で頂点を極めた装飾美術・アールヌーボー。その艶やかな魅力は今もって人々を魅了して止まない。その代表的な画家がチェコのアルフォンス・ミュシャだ。そのミュシャの子息とも親交があったミュシャの世界的収集家・土居君雄「カメラのドイ」創業者(1926-1990)が堺市に寄贈・寄託してできたのが「ドイコレクション」である。堺市立文化館アルフォンス・ミュシャ館では今「花と女性ーミュシャ・スタイルの精華ー」と題してミュシャのポスター、装飾パネルなど約100点の所蔵作品が平成20年3月9日まで展示開催中だ。規模はそれほど大きくはないが、「夢想」、「リジー」、Nec_0015_2
「ウミロフ・ミラー」、「蛇のブレスレットと指輪」、「サラ・ベルナール:遠国の姫君」、「モナコ・モンテカルロのポスター」、「美術雑誌の表紙のためのデザイン」、「憧れと愛」、「出版社のロゴ・マーク」、「1900年パリ万博、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ館の壁画の下絵」、「メニュー」、「通り過ぎる風が若さを奪い去る」、「パリの象徴を描いた飾り皿」「桜草」、「建築図案集」、「薔薇、連作<四つの花>より:カレンダー」、「イーゼルと少女」、「ポストカード」等々そのジャンルはデザイン、ポスター、油絵、リトグラフ、陶器、雑誌の表紙他多岐にわたっている。そのしなやかな曲線と美しい色彩の装飾スタイル-それがAlphonse Muchaだ。筆者は1970年代初期にこの絵に魅せられた知り合いのS氏が、何枚か複製画を購入して仕事場に飾っていたのを思い出す。その一枚を筆者も譲り受けてしばらく部屋に飾っていたこともあった。このとろけるような美神と会話した夜・・・。

この館で一際目立ったのが「クオ・ヴァディス」086_2
(Quo Vadis "主よ、何処に行き給ふ")という作品。1904年 油彩。229.0×210.0㎝。出典はポーランドのノーベル賞作家シェンキェヴィチの同名の歴史小説。ギリシャ思想の体現者ペトロニキウス、甥のヴィニキウス、恋人のキリスト教徒リギア。彼らの勧めでローマを去る途中キリストの姿を見た使徒ペトロの言葉。当時のポーランドと同じくチェコの運命を憂われたのか-。この絵は1904年当初<ペトロニウスとヴィニキウス>のタイトルでウィーンの展覧会に出品するつもりだった。その後絵はアメリカへ渡り、1910年チェコへ返還されタペストリーのデザインとして使用することになっていたが、1980年にシカゴで発見されるまで行方不明だった。1989年日本で開催されたミュシャ没後50年記念展で初めて公開された。なるほど、数奇な運命を辿った作品なのか。この絵の前にしばらく佇むと、恋人リギアの眼が何かを切実に訴えているような迫力を感じたのだ。(この館で購入した島田紀夫編『ミュシャ アール・ヌーボーの美神たち』を参照)プラハのアルフォンス・ミュシャ美術館はこちら→
http://www.mucha.cz/index3.phtml?S=home&lang=JP


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