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2008/02/09

超人のジャーナリスト・アイ 75 最近の国際情勢 コソボ自治州独立問題

  本日付(2008年2月9日)毎日新聞夕刊によると、セルビア大統領選で2月3日に接戦で再選されたタディッチ大統領が、8日ミュンヘン安保政策会義でコソボ自治州093
の独立問題について「数週間内に真剣な交渉がなされなければ、セルビア、コソボ、国際社会の3者は、いずれも対処できない法外な代償を払うだろう」と警告したと報じている。コソボ自治州が今月半ばには独立宣言することに対して、セルビアの大統領が欧米諸国に独立阻止を求めた恰好だ。一方、2008年2月7日付日経新聞朝刊は、来日中のアルバニアのベリシャ首相がアルバニア系住民が9割を占めるセルビア・コソボ自治州について「コソボ独立は地域の平和と安定をもたらす」と都内の記者会見で語ったと伝えている。このところコソボ自治州独立問題が新聞を賑わしている。アメリカ大統領選もスーパーチューズデーを終えて民主党候補のクリントン氏とオバマ氏が予想に反して互角とデットヒートを繰り広げていることにマスコミは、連日現地からの特派員報告と解説を加えて報道しているが、今バルカン半島の一角での出来事は、またもや「バルカンの火薬庫」ならんとする民族問題を孕んでいて深刻かつ複雑な問題だ。
  旧ユーゴスラビア連邦共和国(旧ソビエト連邦から離れて独立路線を歩んだチトー大統領と労働者自主管理、直接民主制などが思い出されるが。序でに言うと、ユーゴスラビアは南のスラヴという意味だ)は、スロヴェニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、モンテネグロ、マケドニアと2自治州(コソボとボイボディナ)から構成された多民族国家で、1917年のロシア革命後から1990年代始めまで続いたが、東欧革命と言われる民主化の波が押し寄せ解体。1992年のスロヴェニアの独立をはじめ、最近では2006年にモンテネグロが独立したばかりだ。隣国はアルバニアそれにギリシャだ。
筆者は最近スロヴェニア人の日本見聞記を翻訳し終えたが、この地域には以前から多少関心があった。しかし、その歴史と民族問題は遠く離れた歴史も文化的背景も違う東洋の国・日本ではあまりにも関心の度合いが低すぎるようだ。因みに筆者は、このコソボ自治州のウィキディアの記事の扱いについて日本語版と英語版を読み比べてみて驚いた。日本語版が4ページに対して英語版は5倍近くの18ページもあった。このインターネット百科事典の書き込みだけでもその関心の高さが分るのだ。実際に政治的にも経済的にも直接に降りかかって来ないからだが、回りまわって日本にも影響を及ぼすことがあるかも知れないのだ。経済的にはグローバル化しているからだ。コソボ自治州の独立宣言は、イスラム教徒の多いアルバニア系の独立だが、キリスト教徒の少数派セルビア系を怯えさせかねない問題も孕み、そもそもは歴史的にセルビア発祥の地とされている地域だが、それを主張するセルビアだけに問題の解決は複雑だ。民族間の流血はどうしても避けなければならない。大国のエゴを引きずり回さず国際秩序に則り、平和的に解決していく方策を探るべきだと思うのだ。最近急いで探し求めた本にこう書いてあるではないか。

旧ユーゴスラビア094_2
が解体された以上、コソボをセルビアに従属させることそれ自体に無理と無駄があるということだ。アルバニア系とセルビア系とは水と油の関係にある。双方を同じ地域に推し込めておくことはもはや不可能だ。耐え抜いたアルバニア系がようやく獲得した独立。セルビア系との共存は想定できない。これは理屈ではない。人間としての問題だ(筆者が太字に)。つまり、コソボ問題とは人間の問題なのである。これを解決しない限り、欧州大陸には平和は到来しない。(中津孝司著『ロシア世界を読む』 2007.9 創成社新書 P.66)

 そして、同じ日の毎日新聞朝刊ではコソボ南部に住むセルビア人の年老いた女性、飲食店主や国際機関で働くセルビア人を取材して独立は避けられないがここは動かない、コソボ残留 少数派セルビア人 孤立と無力感とその苦痛を活字にしている。ニューヨークのmelting spotやカナダのsalad bowlの道はないのか、しばらくはこの地域から目が離せない。
【左上図:2008年2月9日毎日新聞朝刊より 右上図:柴宣弘著『ユーゴスラヴィア現代史』岩波新書より】


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