« 超人のドキッとする絵画 9 国立西洋美術館『ムンク展』         | トップページ | クロカル超人が行く 74 上野 国立西洋美術館 »

2007/12/15

超人のドキッとする絵画 9 国立西洋美術館『ムンク展』 2

  056_3
日本でも何回か開催された『ムンク展』。大分時間的な隔たりはあるが、筆者はこれで2回目、いつ観てもある感慨が残る。かつて作家・五木寛之がよくムンクの絵について言及していたが、その絵は後期に明るさはみえるものの、全般的に暗い。44歳にて精神に病をきたした人の絵に明るい絵を描けるはずもないのは当然で、期待する方が所詮無理からぬこと。しかし傑作はこの時代に描かれているから不思議だ。今回100余点を見て回って感じたことは、「生命のフリーズ」でまとめた絵画展コンセプト、それは建築用語で帯状の装飾を意味するようだが、残念ながらその再現以外何も目新しいもの、奥行きのあるものがなかったことだ。ひょっとすると表現形式に斬新さが見られず平板化に墜した感を歪めないか。この企画には若い人が参画していることはカタログの奥付から読み取れる。時代にあったムンク絵画の現在性を意識して作品展示を考えたと思うが、果たしてその真価やいかに―。筆者的に言えば、やはり「叫び」や「思春期」が観たかったのだ ! ムンク絵画の真骨頂とは何か。長年考えてきたこととも関連するが、それは輪郭と色調それに心理表出の絶妙である。ドイツ表現主義の代表、19世紀、20世紀初頭の時代の申し子とは言え、北欧・ノルウェーが育んだ土壌は、ムンク絵画に独特のタッチで愛、嫉妬、不安、死などの人間存在の根源的な表現を許した。それは同時にキルケゴールやニーチェの同時代の哲学者の存在やイプセン、ストリンドベリーなどの劇作家の影響もあったのだ。
【写真左上:この美術館1階のアートショップで購入したコースター 200円】

今回観れなかった有名なムンクの作品。確かこれらの作品は当時観た記憶がある。遠い記憶を辿れば・・・。
070061072_2071【写真左から:「カール・ヨハン通りの夕べ 1892年」、「叫び」 1893年」、「思春期 1894/1895年」、「嫉妬 1895年」、「メランコリー 1894-1895」】

« 超人のドキッとする絵画 9 国立西洋美術館『ムンク展』         | トップページ | クロカル超人が行く 74 上野 国立西洋美術館 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 超人のドキッとする絵画 9 国立西洋美術館『ムンク展』 2:

« 超人のドキッとする絵画 9 国立西洋美術館『ムンク展』         | トップページ | クロカル超人が行く 74 上野 国立西洋美術館 »

2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31