« クロカル超人が行く 74 上野 国立西洋美術館 | トップページ | 超人の面白サイト発見 »

2007/12/15

超人のドキッとする絵画 9 国立西洋美術館『ムンク展』 3

069
「人間の魂の叫び」のテーマというよりはむしろ、今回の『ムンク展』は、<生命のフリーズ>・装飾性に注目した意欲の企画展だ。カタログを参考に作品を見てみよう。

第1章<生命のフリーズ>:装飾への道
1  吸血鬼          1893-94
2  灰             1925-29
3  メランコリー、ラウラ   1899
4  橋の上の女たち     1935
5  ある男           1925
6  不安            1894074

7  絶望            1893
8  豊饒            1902
9  サクラメント        1915
10 赤と白           1894
11 女性、スウィンクス    1893-94
12 メタボリズム        1899-1903
13 生命のダンス       1925-29065_2
14 声/夏の夜         1893
15 吸血鬼            1916-18
16 別離             1896
17 赤い蔦           1898-1900
18 死の苦しみ        1915
19 裸の男女         1913
20 ゴルゴダ          1900
21 宙空での出会い     1925
22 装飾のための下絵    1925
23 装飾のための下絵    1925
24 屍臭            1898-1902
25 泉              1915-16
26 海辺の裸の男女     1907
27 諷刺画           1906-08
28 嫉妬、庭園にて      1916-20
29 オースゴールストランのポー   1905
30 星月夜           1922-24
31 病める子供        1925
32 海辺の接吻/月明かりの接吻  1914
33 <生命のフリーズ>による装飾のある部屋のためのスケッチ  1902-07
34 <生命のフリーズ>の展示のためのスケッチ           1910-16
35 <生命のフリーズ>ためのスケッチ:「抱擁」「生命のダンス」「目の中の目」   1910-16
36 <生命のフリーズ>ためのスケッチ:「二人の女性」「声/夏の夜」         1910-16
37 <生命のフリーズ>のためのスケッチ:「灰」「メタボリズム」「吸血鬼」      1910-16
38 <生命のフリーズ>のためのスケッチ:「メランコリー」「嫉妬」 1910-16
39 <生命のフリーズ>のためのスケッチ:「叫び」「女性」「森の法話」 1910-16
40 <生命のフリーズ>のためのスケッチ:「死んだ母親と子供」「病室での死」「サクラメント」   1910-16
41 象徴的な習作           1893-94
42 死と乙女              1894
43 樹木によりかかる女性 1895-97
44 女性/スフィンクス 1895
45 スフィンクス 1896
46 アウグスト・ストリンドベルイ   1896064_3
47 マドンナ          1894063_3


48 マドンナ          1895
49 陽気な死者(シャルル・ボードレールの『悪の華』 の挿絵下絵) 1896
50 腐屍(シャルル・ボードレール『悪の華』 の挿絵下絵)  1896
51 腐屍(シャルル・ボードレール『悪の華』 の挿絵下絵)  1896
52 生と死(「腐屍」のためのスケッチ) 1896
53 時間、世界、結婚 1893
54 病める子供 1894
55 乙女と心臓、別離、サロメ 1895-96
56 灰                                 1896
57 諷刺画                               1916
58 「カンカン」「乙女と心臓」のための下絵            1893-95
59 庭の彫刻                              1896
60 装飾的スケッチ                          1897-98
61 三つの装飾的スケッチ                      1899
62 家屋装飾のためのデザイン                 1920-25

第2章 人魚:アクセル・ハイベルク邸の装飾

63 海辺の人魚                           1893
64 人魚                                 1896
65 月の前の人魚                        1892

第3章 <リンデ・フリーズ>:マックス・リンデ邸の装飾

66 公園で愛を交わす男女(リンデ・フリーズ) 1904
67 公園の夏(リンデ・フリーズ)                     1904075

68 海辺の木々(リンデ・フリーズ)                   1904
69 果物を収穫する少女たち(リンデ・フリーズ)          1904
70 海辺の若者たち(リンデ・フリーズ)                 1904
71 海辺のダンス(リンデ・フリーズ)                   1904
72 花に水をやる少女たち(リンデ・フリーズ)    1904

第4章 <ラインハルト・フリーズ>:ベルリン小劇場の装飾     
73 浜辺の出会い(<ラインハルト・フリーズ>のための習作   1906-07
74-76 省略

第5章 オーラ:オスロ大学講堂の壁画066_2
 
77 太陽(習作) 1912
78-83 省略 

第6章 <フレイア・フリーズ>:フレイア・チョコレート工場の装飾068

84 工場からあふれ出す労働者たち               1921
85-93 省略
  
第7章 <労働者フリーズ>:オスロ市庁舎のための壁画プロジェクト
94 雪の中の労働者たち                        1909-10067_3

95-108 省略   

金曜日の夜8時閉館を利用して作品鑑賞したものの、前述した有名な作品が観られなかったのが残念である。"フリーズ"・Friege・装飾性というこれまであまり注目されてこなかった側面に光りをあて、大袈裟に言えば、21世紀的にややドライで均整のとれたしかも知的装飾が施されたかのような構成の今回の『ムンク展』 は、チョコレート工場の壁画、雪の中の労働者それに比較的明るいムンク後期作品に鑑賞の価値を見出したに過ぎない。『マドンナ』、『不安』それに『生命のダンス』の作品がやはり印象に残ったのだ。有名な作品出展の欠如は致命的だった。
この『ムンク展』も1月6日までなので週末の混雑をさけてこの金曜日に出かけたのだが、思ったほどの混雑さはなく、意外に少ないなとは筆者の率直な感想。年配の女性や男性、親子連れ、女学生にカップルと比率としては女性が多かったか。入ってすぐに11分間の簡単な音と映像によるムンク絵画のガイダンスサービス、1回500円各作品解説付きのイヤフォンも貸し出されていた。午後6時からは40分間ムンク絵画を上映するサービスもあってマルチメディアチックだ。

■ムンク絵画常設館

出光興産は盗まれたムンクの絵(『叫び』と『マドンナ』)の修復に400万ユーロ(日本円で8200万円)を寄付したとあるサイトに書かれていた。2004年8月に盗まれ、ロンドン警視庁などの懸命な捜査の結果、オスロ警察の手によって発見されたが、なぜか犯人の窃盗団の詳細を明らかにしていないらしい。謎の残る事件だ。10年に1回位ムンクの絵は盗まれているとも。しかしムンクは同じ絵を何枚も描いていたのでビクともしないとそのサイトはコメントしている。

出光美術館では、1993年に「ムンク展」を開催したことから、ノルウェーのオスロ市立ムンク美術館のご協力により、ムンクの作品を毎年3点ずつ紹介する展示室を設けています(出光美術館のサイトより)。

現在の展示作品
今回は1900~20年代に描かれたムンクの自画像を展示しています。
Rouault_ph001_2

自画像、結婚式の席でII 1925年
寄り添って 1905年
ポケットに手を入れた自画像 1923年

展示期間 2007年9月より2008年8月まで


自画像、結婚式の席でII
エドヴァルト・ムンク
1925年
オスロ市立ムンク美術館蔵

©Munch Museum / Munch-Ellingsen Group / BONO, 2007

追記。BSジャパンの番組『ムンクを奪還せよ! "叫び"回収までの84日間 囮捜査官の挑戦』を今観終わった。
86億円もするムンクの絵画「叫び」が盗まれてそれを奪還するまでのドキュメンタリータッチの番組だが、ちょうどリレハンメル冬季オリンピックの開会式にオスロ国立美術館クヌート・ベルグ館長他当事者の思惑とは裏腹に特別に開催したムンク展で事件は起きた。その84日間をイギリスの元ロンドン警視庁の美術窃盗関係に詳しい囮捜査官・チャーリー・ヒルの回想を追った番組。推理劇さながらの展開はハラハラドキドキかつ白熱してあっという間の1時間46分。面白かった。思っていたより古い話だったかと今にして思うね。1994年2月の事件だった。
この番組の中で筆者がずっと忘れていたことも知れないが、ひとつ解ったことがある。"叫び"はムンク自身の強烈な夕日体験があってそれを2年後に絵として完成させた事実だ。これはこの赤い線を観れば一目瞭然だ。
『ムンク』展は1月6日に国立美術館では終了するが、この後兵庫県立美術館で2008年1月16日~2008年3月31日開催(2007年1月3日 記)。

追記 トルコのイスタンブールで開催されている国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は17日、国立西洋美術館本館(東京都台東区)を含む7カ国17遺産で構成される「ル・コルビュジエの建築作品」の世界文化遺産登録を決めた。2016年7月17日(日)のネットニュースより。(2016.7.19 記)


« クロカル超人が行く 74 上野 国立西洋美術館 | トップページ | 超人の面白サイト発見 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 超人のドキッとする絵画 9 国立西洋美術館『ムンク展』 3:

« クロカル超人が行く 74 上野 国立西洋美術館 | トップページ | 超人の面白サイト発見 »

2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31