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2007/10/14

超人のジャーナリスト・アイ 70 最新新聞雑誌拾い読み 4

11日のスウェーデン・アカデミーは2007年度のノーベル平和賞に英国の女性作家ドリス・レッシング氏(87)に授与すると発表
■今年のノーベル文学賞は候補者にスウェーデンのトランストロンメル氏が一番人気、アメリカのフィリップ・ロス氏、ドン・デリーロ、トマス・ピンチョン、ジョン・アシュベリー、ジョイス・キャロル・オーツの各氏、カナダのマーガレット・アトウッド、イスラエルのアモス・オズ、チェコのミラン・クンデラ、ベルギーのヒューゴ・クラウス、フランスのル・クレジオ、ペルーのマリオ・バルガス・リョサノ各氏。今年新たに脚光を浴びているのは、アメリカのチャールズ・バーンスタイン氏とオーストラリアのレス・マレイ氏の二人の詩人。村上春樹氏も注目を集めているので、いずれは取るのではないかと2007年10月9日の毎日新聞夕刊のノーベル文学賞受賞予想だったが、11日のスウェーデン・アカデミーはその予想を裏切って、英国の女性作家ドリス・レッシング氏(87)に授与すると発表した(毎日新聞10月12日朝刊電子版)。「植民地支配で傷ついた文明を、懐疑主義と燃えるような情熱、大胆な想像力で叙事詩のように鮮やかに描いた」ことが受賞理由。1919年、イラン生まれ。5歳で英植民地だった南ローデシア(現ジンバブエ)に入植。15歳から看護婦や速記者、電話交換手をした後、2度の結婚、離婚を得る中で左翼運動に入った。戦後の49年に英国へ渡り、翌50年にアフリカの体験を基にした第一作「草は歌っている」を発表。植民地の支配者と被支配民族との対立を描き、反響を呼んだ。反核運動でも知られる。英国人としては、05年の劇作家・ハロルド・ピンター氏以来、10人目。作品には『草は歌っている』、『暴力の子供たち』、フェミニズムの先駆的な作品『黄金のノート』(62)、女性の老いの問題を扱った『よき隣人の日記』、ホラー小説とも言える『破壊者ベンの誕生』など。英文学者の小野寺健氏は代表作『黄金のノート』でフェミニスト作家と見られがちだか、本当は政治的ではない。今まで受賞しなかったのが不思議だったと語っている(同新聞2007年10月12日朝刊より抜粋)。
二年前に受賞した英国からはノーベル受賞者は出ないと大方の人は思っていたはず。筆者もその一人だったが・・・。

■力不足の版元、学界 今後占う新シリーズ
講談社の編集者だった評論家の鷲尾賢也氏のコラム「本のウチソト表裏」(毎日新聞2007年10月10日夕刊)がおもしろい。月一回連載だが、先月のコラムでは書店の売れ行き不振の現状を嘆いていて何とかならないものかと書いていたのが印象的。今月は秋には大型企画が発売になり出版社も書店も活気づく季節なのだが、書店のエネルギー枯渇の背景もあるが、持続的な出版社の企画・実行・発売するパワーもなくなってきたと指摘。そんな中、『日本の歴史』(全16巻・小学館)、池澤夏樹個人編集の『世界文学全集』(全24巻・河出書房新社)の大型企画を取り上げていた。特に後者はピンチョン、クンデラ、デュラスなど新しい作家たちで新訳、初訳も多く革新的な企画、と。『大航海』(新書館)64号特集の「近代日本の学者101」で今の大学に進行している貧寒たる学問状況は想像を絶することばかりとこの執筆者は嘆く。筆者はこの特集を丸の内にあるM書店で立ち読みした。買っておくべきか少し考えたが、買わずずまい。学界も様変わり、スケールが小さく、ゆとりがなくなってきていると指摘。同感である。『網野善彦著作集』(全18巻+別巻1・岩波書店)と『フロイト全集』(全22巻+別巻1・岩波書店)は予想を超えて好調とか。『萩原延壽集』(全7巻・朝日新聞社)、『伊谷純一郎著作集』(全6巻・平凡社)刊行を意義ある出版と執筆者の鷲尾氏は讃えている。

■ゴア前米副大統領と国連気候パネル(IPCC)にノーベル平和賞
ゴア前大統領はこの賞金は地球温暖化防止のために寄付すると声明、また、アメリカでは次期大統領候補として急浮上してきた。ヒラリー・クリントン大統領候補が有利な今、一体どうなるか今後の動きに注目だね(毎日新聞2007年13日朝刊を読んで)。

■聖地あす開業 鉄道博物館
JR東日本発足20周年記念事業の目玉として120億円をかけて新設した世界最大級の鉄道博物館が、鉄道記念日の10月14日に埼玉県さいたま市にオープンするの記事。歴史や教育の博物館として見学型から体験型へシフトしたのが最大の特徴とか。東京ドームとほぼ同じ大きさで「Suica」や「PASMO」でも入場できる(入場料は大人1000円、中高校生500円)。35両の実物を年代別に揃え、SLの揺れを再現して運転手気分になれることや58万点の鉄道関係資料、特に明治時代の鉄道古文書が見られるのがお宝とか(2007年10月13日の毎日夕刊のトップ記事)。

■雑誌「論座」11月号
"ゼロかイチ」を超えろ ! 井上陽水/岡田利規×鈴木謙介の鼎談が面白い。特集は現代の連帯。小熊英二の戦後日本の社会運動−歴史と現在 プレカリアート(不安定な労働者)運動はどう位置づけられるか(インタヴュー記事) も注目。
■「A Public Space」第4号 特集はANTARCTICA(南極大陸)
今日の毎日新聞朝刊の「時代の風」のコラムで浜距子氏が郵政民営化の話で、アムンゼンのスコット隊との極点制覇争いを思い浮かんだと書いてあったが、この特集がおもしろい。しかし2,3日前に入ったこの出版社の電子メールには雑誌刊行維持がなかなかむつかしいらしい。季刊「A Public Space」刊行は大幅に遅れるとの通知。今から予約すれば25%お安くなるとか。文芸出版はアメリカも事情は同じか。


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