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2007/08/16

超人の面白読書 27 最相葉月著 『星新一 1001話をつくったひと』 5

少し前後するが、著者は取材しているうちに星一には結婚前に内縁の妻がいたことが判明したと書く。しかも子どもいたらしい(連れ子)。星家の親族の最長老、星一の二歳年下の妹アキの娘、すなわち新一の従姉にあたる下山田菊子によれば、星製薬の営業所のあった大正のはじめから同居していたという。福島の親戚では名前は佐代子、みんなは青山のおばさんと言っていたらしい。星一の妻の精は、この複雑な関係を知ってか福島の実家を訪ねることはなかった。後年星新一が友人に語ったところによれば、女性がいたが手は打ったらしい。星一の支援者が死後なんらかの経済的な手当てをしたかも知れないと著者は推測する。

1933年(昭和8年)    4月 星新一、東京女子高等師範附属小学校入学
              9月 星製薬に強制和議が成立 
               12月 営業再開

1934年(昭和9年)   9月 国産キニーネの生産に成功

1935年(昭和10年)  台湾にキナ、コカ、除虫菊、薄荷の薬草栽培を主事業とする台湾星製薬会社を設立                    

人生は面白いネ。今度は借金王から規那王になるネ。星は3650万円の借金があるがネ。その借金を5年皆済するネ。東京に戻って直ぐにアメリカに行くネ。星を救済するシンジケート団をつくるネ。少し忙しくなるネ。人間は常に永遠のことを考えておかねばいかんネ(『磐城百年史』)。語尾に「ネ」をつけて話すことや「諸君 !」と呼びかけ手をあげながら演説することが星一の得意の仕草。「味噌類似濃縮食品製造方法」、「日本酒濃縮法」、「蚕蛹ヨリ栄養剤ヲ製造スル方法」など数多くの特許も取得している。弟の星三郎を代表者に茨城県牛久に星食料品株式会社を設立、「ホシあじこ」なる天ぷら粉やケチャップ、ソース、芋アメなどを生産した。星一のアイデアぶりはこんなところにもあると著者が紹介している。社屋前にスロープがあり、タイヤの付着した汚れが洗い流せるように、車が来ると坂道にある二つの蛇口から水が流れるようになっていたらしい。
台湾、アメリカなどの出張もあったが、この時代は落ち着きも取り戻し箱根の強羅にある「星山荘」の別荘も家族とよく訪れている。また、新一もそんな父親を「お父様の洋行」なる作文に書いている。
1938年(昭和13年) 国家総動員法施行
<続く>


  


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