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2007/04/22

超人の現代詩逍遥 『現代詩フェスティバル2007〜環太平洋へ〜』を見に行く

Img113_4 April is the cruest month.4月は最も残酷な月だとはかの有名な英国の詩人、T.S.エリオットの詩の一節だ。桜の散った後の青葉の一段と映える季節でも、寒暖の差が激しく身体のadjustがなかなかむつかしい。時に不快感すら漂い気力が失せていくから不思議だ。そのせいでもあるまいが、このところコラムの進み具合も変調気味だ。何せ2週間以上書けない日が続いていたのだから。そんな時にたまたま新聞の記事で見つけて出掛けてみたのが、この『現代詩フェスティバル2007〜環太平洋へ〜』の催しだ。三軒茶屋・パブリックシアターでのパフォーマンス第2日目は、午後2時に和合亮一・敦子夫妻の会場から赤い薔薇を聴衆に配りながらの詩の朗読という好演出から始まった。この夫婦の息の合った朗読は可笑しみのある詩に加えて二人の動作の対称的なこと、詩のボクシングではないが、男女間の違いを見せてくれて新鮮そのもの。詩の特権はユーモアだよねと教えてくれてもいる。この詩人は今旬の一人かも知れない。朗読慣れもしている。前かがみになって謳う仕草はあたかもブランコのそれ、詩の変幻自在はリフレーンの効果音、コスモワールド、ワンダーランドだ。書かれたものと違って音でどう表現できるかの確かな手応えは、作者自身が自作自演する、ある種の陶酔感かも知れない。このあと訛りもあるがキーボード・ヴァイオリンとのコラボで城戸朱里的悠久ワールド、しなやかな平田俊子のポエム、ややぎこちない藤井貞和の沖縄の英詩朗読、ヤン・ローレンスJan Lauwereynsの分析的なポエジーは挿んだ散文詩が呟きに聞こえ意味不明というより聞き取れず不気味、ジョン・マティアJohn Mateerは南アフリカ他多文化接触を謳うがこれは響きが抜群それに西行に因んだ詩、「西行の桜」の瞬時の色という語句、ダンス「スリッピング・グリンピス」Dance"A Slipping Glimpse"(2006年、35分短縮版)、マーガレット・ジェンキンズ+マイケル・パーマーのトーク、シンポジウム「詩的環太平洋の可能性」、パネリスト:マイケル・パーマー、ジョン・マティア、ヤン・ローレンス、藤井貞和、城戸朱里、白石かずこのパフォーマンス・リーディングスと続いた。大方静かなポエジーの饗宴だったが、とりの白石かずこ(プロフィールにも載っているがこの詩人はいつも若いね?年を取らない、年を忘れた?)の巻紙による朗読だけはアンデスから聴こえてくるような、世界の窓を次から次へと開け放すような、それでいて優しい母の声が聴えてくるような、そしてアレン・ギンスバークに共感する言辞→言霊を見た、おお、流石と感嘆した次第。因みに筆者は見れなかったが、前日のプログラムは下記の通り。4月21日午後4時開会の辞の野村喜和夫、インターナショナル・リーディング:キキダダマママキキ、小笠原鳥類、関口涼子、「中国詩の現在」:田原(筆者はある小誌に寄稿を依頼したことがある詩人だ)、千堅、コラボレーション:野村喜和夫+石田尚志 映像「部屋/形態」、ダンス「ラジオで踊る」:伊藤キム、パフォーマンス・リーディング:マイケル・パーマー、吉増剛造、トーク:マイケル・パーマー+吉増剛造。前日のパフォーマンスも気になるところだが見ていないのでコメントのしようがない。

シンポジウム「詩的環太平洋の可能性」に倣ってこの日の感想を一言で言えば、多重性、多様性そして海上の道(藤井貞和の言葉で柳田國男最後の著作名)その詩的実験、-nesia、その詩的遊とピアかー。それにしても聴衆は少なすぎないか、ちょっと気がかりな国際詩祭だが。ダンス・パフォーマンスにはいろいろと瞬時に考えさせられたが、その後の当事者のトークで納得。個、公、交、境、空の極限へのチャレンジ。誰かが言っていたが構成と破壊、蓮の花にも見え祈りにも見える想像的なダンス・パフォーマンスは圧巻だった。ここにはスピードと切れがあった。見る角度で解釈が幾通りもできるそうだ。35分、空間デザインの斬新さと男女それぞれ4名ーこれもコラボレーションだというーの8名の額には汗が、詩的素敵に変幻していく様を垣間見たような気がしたのだ。これで貴方達の企みは成功したと言ってよい。マーガレット・ジェンキンズさんよ、マイケル・パーマー氏よ ! 

さて、今夜はシングルモルトのマッカランのon the rockで乾杯だ。Thank you。Img115_3【写真下:パンフレットより<出演者プロフィール>】

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