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2007/02/13

超人の面白読書 25  『主語を抹殺した男 評伝三上章』 2

試しにネットで「日本語」と入力して検索してみると、ネット百科事典「ウィキペディア」に詳細で内容の充実した記事を読むことができた。江戸時代には本居宣長、富士谷成章・義門、契中などの国学者、明治以降には大槻文彦、松下大三郎、橋本進吉、山田孝雄、時枝誠記、佐久間鼎、金田一春彦、三上章などの日本語学、言語学者がいる。この「ウィキペディア」は今までの日本語の言語学的見地とは違って最近の言語学の成果も踏襲した画期的なアプローチになっているのだ。それは次のような記述からも伺える。日本語では「私は本を読む。」という語順で文を作る。英語で「I read a book.」という語順をSVO型の(主語・動詞・目的語)と称する説明にならっていえば、日本語の文はSVO型ということになる。もっとも、厳密に言えば、英語の文に動詞が必須であるのに対して、日本語文は動詞で終わることもあれば、形容詞や名詞+助動詞で終わることもある。そこで、日本語文の基本的な構造は、「S(主語 suject)ーV(動詞verb)
ではなく、「S(主語)ーP(述語predicate)という「主述構造」であると考えるのが適当である。たとえば、

1.私は(が)学生だ。
2.私は(が)行く。
3.私は(が)うれしい

また、日本語文では、主述構造とは別に、「題目ー述部」からなる「題述構造」をとることがきわめて多い。題目とは、話のテーマ(主題)を明示するものである。よく主語と混同されるが、別概念である。主語は「が」(「は」)によって表され、動作や作用の主体を表すものであるが、題目は「は」によって表され、その文が「これから何について述べるのか」を明らかにするものである。たとえば、

4.象は大きい。
5.象は船で運んだ。
6.象は干し草を与えておいた。
7.象は鼻が長い。

日本語と同様に、題述構造の文をもつ言語(主題優勢言語、Topic-prominent language)は東アジアなどに分布する。たとえば、中国語、朝鮮語、ベトナム語、マレー語やタガログ語にもこの構造の文が見られる。そして、「題目」の用語は、三上章が『象は鼻が長い』(くろしお出版1960)で提唱したものであるとこのウィキペィデアは断っている。最新の日本語の言語学的アプローチにも三上文法が活かされている実例だ。話を戻そう。
<続く>

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