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2006/11/04

超人のジャーナリスト・アイ 51 新生『暮らしの手帖』

Img055_3伝説の人・花森安治と戦後の主婦層を牽引し啓蒙し続けてきた『暮らしの手帖』のことは、このコラムでも何回か言及して来ました。思想的な遍歴、一貫した生活改善主義、ファッションの奇抜性、広告を載せない雑誌等など戦後の名編集者の一人でした。しかも戦後20年代に書いたものには当時を活写したルポタージュものが光っていました。その歯切れのいい文章は確かなロジックと観察眼の賜物。筆者は朝日新聞の死亡欄に載った「花森安治」の記事が今でも印象的です。ところで、この戦後の優等生的な雑誌『暮らしの手帖』が危機に瀕して新編集長を大抜擢した記事が、2006年10月26日付朝日新聞朝刊の人欄に載っていました。それが文筆家で古本屋「COW BOOKS」の代表の松浦弥太郎氏、40歳です。世田谷文学館が開催した「花森安治と『暮らしの手帖』展」(筆者は行きたいと思ってメモを取っていましたが、行きそびれてしまいました)の展示や冊子を手がけたのがきっかけらしい。この世田谷文学館はユニークな企画で今注目されている文学館です。ところで、この有名な雑誌も時代の急激な波に乗り遅れたみたいで読者層を掴み切れないでいるらしい。その証拠に全盛期には発行部数が100万部ありましたが、今や5分の1の20万部と、この記事は書いています。看板企画の商品テストも復活、子供用携帯電話や銀行のサービスなどをテストすると言います。面白、おもろい、やってみなはれ、です。高校中退して渡米、道端で雑誌を売ることから仕事を始めたらしい。この記事でも言及していますが、移動本屋のことなど新聞でも話題なって、確か大阪梅田界隈で開店して注目された人だと筆者は記憶しています。なかなか気骨の、ガッツある人間かも知れません。雑誌『暮らしの手帖』のモットーの日常革命はいいですが、ちょっと高踏的否気取っていたことと読者の主婦層の年齢が高齢化しているなども低迷している原因でしょう。雑誌の性格は多少違うけれども、最近のフリーペーパーのR25そして最近出たばかりの女性版L25(近い将来の読者即ち予備軍層)は、早速テレビと創刊時に連動、一気に読者を獲得する作戦が展開されていました。ヤラセではないと思いますが、この25歳から35歳までの女性をターゲットにした新雑誌を抱えていた初老のサラリーマンが、テレビのインタビューを受けて、あっ、R25と間違ったかなと困惑していたのには思わず筆者も笑ってしまいました。R25は60万部、フォローの風に乗ってL25も強気と思います。就職情報誌など業界大手のリクートが仕掛け、商業誌の発売が間に合わなくなるほど印刷会社を席巻していてるらしいです。良い意味では歯切れのよい役に立つ記事、悪い意味では細切れすぎて尻切れトンボと筆者などには映ります。新生雑誌『暮らしの手帖』は、実用と教養のバランスをどの読者にむけて発信していくのか、興味はありますね。ここは新編集長のお手並み拝見と行きましょう。しばし静観です。

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