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2006/08/14

超人のジャーナリスト・アイ 36 書店再考

  毎日新聞(2006年8月11日付夕刊)や新文化(2006年8月10日号)の記事よると、ネット書店が急成長する中、書店もいろいろと読者と本をつなぐのに創意工夫しているらしい。筆者もネットで購入する場合が多くなってきているが、時々は通勤帰りや仕事の途中で大きな書店、中規模の書店に立ち寄っては新刊書、話題書、ベストセラー本を一応チェックし手触り感を確かめている。そうするとつい立ち読みまでしてしまうのだが。
  この毎日新聞の記事はユニークな書店のブックフェアを紹介していてオモシロイ。中でも民間企業で働く文学好きの30代男女7人による読書サークル「白水Uブックス研究会」が、書店のブックフェアに参画するという珍しい試みが啓文堂吉祥寺店文芸書コーナーで行われている。Img017
"もう話題だけの本は読みたくないオトナたちへ"のコピーのもと、タブッキ『遠い水平線』、カルヴィーノ『木のぼり男爵』など白水社の海外もの芸術ものを扱う新書版シリーズ「白水Uブックス」(白水社Uブックス研究会が選んだ本)が棚に並ぶ。特にS・ダイベック『シカゴ育ち』(柴田元幸訳)は、最初の3週間で20冊売れたという。こういうPOPの効用もあるか。いわく、名作保証・このUブックスが効く!"、とね。POPをじっくり読んでから購入していく客が目立つとは書店員の言葉。同様のフェアをやりたいと他の書店からも打診があるという。出版社や書店の人たち(いわば利害関係がある人たち)ではなく外部の人たち(いわば利害のない一般人で読書案内人的な人たち)が参画していることが味噌。読書活性化、読者開拓の新しいコラボレーションだ。しかも既刊書掘り起こしの作戦である。そしてまた、もうひとつの試みではこうも記事は語る。「編集者の熱い思いだけでは本の良さや面白さを伝えることは出来ない。書店員の方々の、なぜこの本をすすめるかというメッセージがあってはじめて、読者の手にとってもらえる」というのだ。講談社・書店『井上ひさしの子どもにつたえる日本国憲法』POP大賞を企画した版元の言葉。ここでは仕掛けが見え隠れしている。
今や書店評論家の永江朗氏は「刊行点数が増大し出版の全貌が見えなくなってきていて、その結果、作り手と読み手が出会う場所としての書店が見直されてきたのだが、裏を返せば今まで現場が軽視され過ぎていた。また、ネット書店の匿名書評の口コミ効果もあるのではと分析している。
  吉祥寺南口の井の頭駅入口近くにあるこの店は、仕事の途中で立ち寄ったことがあるし新書版も購入した。その時はごく普通の本屋で特別にオモシロイとは思わなかったね。筆者が気づかなかっただけかーコレマタシツレイイタシマシタ、立ち寄ったのは半年以上も前の話だが。確かにこのチェーン店は京王線沿いに多いが、最近いろいろと脱構築を始めているらしいのだ。
  新文化に寄稿した青田氏の記事は、最近出版社、取次店、書店の若手の有志が集い勉強会、研究会を定期的に開いてその三文の知恵の実践に取り組んでいるという記事だが、若い人も捨てたものではなく、IT技術などを駆使してむしろ意欲的かつ挑戦的であるという。筆者はその昔この青田氏なども参加した書店・出版社の集い「棚の会」が原宿で発足式を行い、書店のあり方について大いに議論したことを懐かしく思う。まさしく青春時代だった。情報が溢れ選択肢が多い今の時代は発想の転換と複眼的思考が求められているのかも知れない。

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