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2005/10/23

超人のジャーナリスト・アイ 21 新聞・雑誌拾い読み

■国立大学に続々「出版会」のタイトルで、国立大学にも出版会設立の動きが相次いでいるという記事。国立大学は、自立した法人として出版事業が興しやすくなり、自分たちの研究成果を社会に公表し、存在感を高めようと躍起になっているという(2005年10月23日の日経読書欄の活字の海での囲み記事から)。筑波大学は20年も前から出版会設立の話はあったが企画運営の人材がいず立ち消えていたことや弘前大学、富山大学でも地域性を活かした津軽の華、食文化史とか学生向け教科書などを出版している。しかし、良書を出すという理念と、収益との両立が大学出版会の大きな悩みとは大学出版部協会の理事長の話。販売業務の共同化、編集ノウハウの伝授など小規模出版会への支援強化に動き出したとの記事。特に学術専門書出版は生き延びていくのが難しい時代、個性ある出版と販路の創意工夫が求められている。

■『逝きし世のー』復刊
幕末明治期に来日した外国人による記録を渉猟、古い日本の姿を描き出した『逝きし世の面影』が平凡社ライブラリーから復刊するという記事。著者は在野の近代史家、渡辺京二氏。1900円(日経新聞2005年10月23日)

■『雨の日はソファで散歩』
種村季弘氏の最後のエッセイ集。幻の豆腐の話他。彼の不在の大きさをあらためて噛み締めるとは評者の作家・松山巌氏の書評。筑摩書房・1890円(朝日新聞2005年10月23日読書欄)

■鴻巣友季子著『明治大正 翻訳ワンダーランド』新潮選書・680円(税抜き)
西洋文学の名作の翻訳の意外な経緯や裏話など英文学の翻訳家が面白く明かす(日経新聞2005年10月23日)。

■ドウス昌代著『イサム・ノグチ(上・下)』講談社文庫・各752円(税抜き)
米国在住のノンフィクション作家が彫刻家・イサム・ノグチの生涯を丹念に取材した初の本格的な評伝(同上)。

■読売新聞2005年10月23日書評欄「HONライン倶楽部」の谷崎潤一郎の巻が面白いかな。

最近面白い雑誌を見つけて発売元から取り寄せた季刊雑誌がある。焼酎の「いいちご」(本社大分県宇佐市)で有名な三和酒類株式会社が出している最新号、『季刊 iichiko AUTUMN 2005 NO.88 特集 アルチュール・ランボー 151』、この雑誌は、精神、民俗、環境、場所の四つをキーワードに産業と文化の新しい関わり方を考察する文化広報誌。
奥付を見ると企画、三和酒類株式会社、発行所、日本ベルエールアートセンター、発行人、河北秀也、編集・研究ディレクター、山本哲士、そしてお問い合わせ先は港区永田町2-14-3赤坂東急ビル8F E・H・E・S・C内「季刊 iichiko」編集室 TEL03-3580-7784 FAX03-5730-6084とある。昨年が生誕150周年のアルチュール・ランボー、最近彼の詩集の改訳が刊行されて話題になっているが、執筆者の面々も豪華だ。宇佐美斉、鈴村和成、山口佳巳、中地義和、湯浅博雄、野村喜和夫と山本哲士の各氏。

また見附った              また見付った
ー何が、-永遠が、          何がだ? 永遠。
海と溶け合ふ太陽が。        去ってしまった海のことさあ
     〔小林秀雄訳〕           太陽もろとも去ってしまった。           
                                 〔中原中也訳〕

iichiko3
この雑誌の巻頭で山本哲士はこの二人の訳を比較し、中也の野暮ったい訳と意訳だが小林のは名訳と上記の訳を引用しつつ、ことばというものの呪縛の強さを物語る、最先端の実例ではないかと記している。筆者は、この他の訳、例えば堀口大學、清岡卓行、粟津則雄などでもランボーの詩集を読んだ。そして、この有名な詩句は原文を諳んじていたのだが、一部は忘れた。さらっと読んだ限りではレベルも高く、しっかりした雑誌作りをしている。しかも市販していないのだ。執筆者の一人に偶然お会いする機会があり、この雑誌の存在を知って慌ててて申し込んだ次第。全部はまだ手に入れたばかりで読んではいないが、装丁もすっきりしていて良い。最近見たなかなか良い雑誌のひとつ。iichiko2

                      
                              

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