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2005/05/27

クロカル超人の北欧文学散歩 3 『今日の北欧文学素描 Ⅲ』 

『今日の北欧作家素描』続き。

Ulla-Lena Lundberg が叙事詩的長編小説を書けば、フィンランド語で書くPirjo Hassinenは、フィンランド文学上に新しいものを提供する。フェミニスト風刺小説である。彼女の作品Strawberrries in Novemberは、ボーイフレンドがスーパースターになりたいという、一人の女性に関する可笑しくも残酷な物語。彼女は彼をある世界へ引きずり込み、そこでは有名であれば人々はいとも簡単に殺されてしまう。彼女は彼を舞台に乗せるため暴力を使い、ひとまたぎにすべてのジェンダールールを楽に変えてしまう。Strawberries in Novemberは、必ずしも良い小説ではないが笑わせてくれる。
しかしながら、ユーモアと高質さが結合可能なことは、アイスランドの小説では長い間明白だった。1970年代と1980年代ではEinar Már Gudmundsson やEinar Kárasonのような名前を持つ<おかしな世代>とやがて呼ばれる作家集団が出てきた。それ以来、Steinnunn Sigurdadottir は、特にアイスランドで一般的に現代の生活様式を扱っているアイロニーな散文を書くことで、彼女は世代を富ませてきた。彼女の最新の小説The Glacier Theaterは、アイスランドの男性優越主義、国家主義、そしてこの国のアルコール文化を大いにからかうが、結局自然の産業開発を皮肉った大変シリアスな本である。もちろん彼女は実際に多国籍のアルミニウム会社が安い電気を供給するため、アイスランド最大の氷河を破壊する恐れがある巨大ダム建設に言及はしない。そのダム建設はほとんど現実的すぎるほど現代の脅威となっているが。その代わりに彼女は、悲劇が喜劇 に変わるある劇場プロジェクトの物語を語る。
風景はアイスランドの散文では重要な役割を果たす傾向があるが、Vigdis Grimsdottirの現実に対するアプローチはさらに親密だ。彼女は人間関係について自分の小説で心の宗教を探し求める。作品Silenceでは一人の若い少女が祖母に虐待され、愛されない。その祖母は自分の孫をチャイコフスキーような天才に変えたいと思っている。
Silenceは暴力、利他的な犠牲と芸術の自己的な要求について扱った本だ。多くの催眠効果があるかどうかは、チャイコフスキーの音楽に係わっている。その音楽はそのスタイルとリズムでテキスト全体に渡って鳴り響いているが。

06_25_11

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