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2005/02/05

クロカル超人が行く 5 続々冬の北海道 「雪明りの路」について

Yukiakari_no_michi_1
「北海道紀行」で作家・評論家・英文学者伊藤整の『雪明りの路』について書きましたが、その内容を確認したくて図書館を尋ねました。近代文学館編集で総発売元ほるぷの復刻版がありました。原本は大正15年12月1日発行、定價1圓50錢。発行所は東京府下中野上町2756番地の椎の木社、発行者は百田宗治です。その『雪明りの路』から。【写真:復刻版『雪明りの路』(2006年1月刊 日本図書センター)の表紙】


雪明り-私はいつも胃が弱かった-

静まった雪明りの夜中に
とおくで
さびしくさびしく鶏がないたようだった。
そのとき私は
三畳間の寝床でそれを聞き
胸に苦しさを覚えて吐いた。
-母さん、母さん
私は目をさまして呼んだ。
母はいつもと同じ姿でで入ってき
それを拭きとってくれた。
なぜこの夜中に母が起きていたのか
なぜ黙っているのか
それが私には不思議でならなかった。
頭の上には棚や並んだ本や
みんな あやしい夜の姿をして
私の弱り切った神経に落ちかかっていた。

※新かなづかいに直してあります。

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