映画・テレビ

超人の映画鑑賞 マルクス・エンゲルス(原題: THE YOUNG KARL MARX)

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日本でも20年以上前からか中間層が氷解し、新たに格差や貧困が社会問題化してきた。そして、最近ではアメリカや中国でも再びマルクスが注目されているという。そんな中、神保町にある岩波ホールで〈岩波ホール創設50周年記念・カール・マルクス生誕200年記念作品〉ラウル・ペック監督作品『マルクス・エンゲルス』(原題: THE YOUNG KARL MARX)を観た。若きマルクスに焦点をあてたフランス・ドイツ・ベルギーの合作映画。
時は1840年代のヨーロッパ。産業革命が生んだ社会のひずみが格差をもたらして、貧困の嵐が吹き荒れ、人々は人間の尊厳を奪われて、不当な労働を強いられていた。20代半ばのカール・マルクスは、搾取と不平等な世界に対抗すべく独自に政治批判を展開するが、それによってドイツを追われ、フランスへと辿りつく。彼はパリでフリードリヒ・エンゲルスと運命の再会を果たす。『共産党宣言』(この有名な本は、「今日までのあらゆる社会の歴史は、階級闘争の歴史である」で始まる)の執筆に至るまでの日々を描く(この映画のチラシから)。マルクスとエンゲルスの共働の理論形成の様子や苦悩それに友情、それらに劣らず支えあう夫人たちの姿も観る者に感動を与える。筆者は昨夜の睡眠不足と仕事帰りのせいか少し居眠りしてしまった。気を取り直して観ているうちに、映画の最後のクレジットのシーンでボブ・ディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」の曲が流れたのにはプチサプライズ。この映画の現在性を強く感じた。
2017年/フランス・ドイツ・ベルギー合作/仏語・独語・英語上映時間118分。

追記 最新のマルクス関連記事二つを読むはこちら→「ひもとく カール・マルクス(朝日新聞)/マルクスと『心』の吟味(毎日新聞)」

追記2 南米のマルクス主義者といえばチェ・ゲバラがチョー有名だ。その チェ・ゲバラについては過去何度かテレビのドキュメンタリー番組で観ているが、先週の金曜日にもETVで放送していた。詳細はこちら→https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/4471/1418010/index.html


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超人の映画鑑賞 ゴーギャン タヒチ、楽園への旅

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ポール・ゴーギャン生誕170周年記念フランス映画。タヒチを舞台に繰り広げられる画家と現地の野性味溢れる少女との愛と苦悩を描いた作品。性の倫理を問う作品。2月中旬、渋谷のルシネマで鑑賞。全体的には物静かでフランス的といえる内面を抉った映画だ。最後のナレーションが印象的。“ゴーギャンはその後タヒチで出会った少女とは二度と会わなかった”要は寝取られたのだ。些か哀しさが残った感じ。しかし、ゴーギャンには妻や子どももいた━。ゴッホとの関係もそうだが、自分の身の置きどころに懊脳した画家だったか。

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超人の映画鑑賞 エゴン・シーレー死と乙女

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横浜市営地下鉄「阪東橋」近くの映画館「ジャック & べティ」で「エゴン・シーレー死と乙女」を観た。
クリムトとともに世紀末ウィーンの象徴派・表現主義の寵児だったエロスと美の探究者、画家エゴン・シーレの自伝的映画。ディーター・ベルナー監督。2016年オーストリア・ルクセンブルグ共同作品。アルバトロス・フィルム配給。独題: EGON SCHIELE―TOD UND MÄDCHEN 英題: EGON SCHIELE―DEATH AND MAIDEN。天才画家エゴン・シーレは構図や色遣いなど独自な裸体画の名画を多数産み出したが、その短い絵画人生(28才で夭折)は、女とスキャンダルとエゴイズムの欲望が渦巻く世界だった。
映画は病床にある兄夫婦(シーレ夫婦)を妹が見舞うシーンから始まる。妹は子どものいる既婚者。身籠っていた義姉はすでに死亡、兄もスペイン風邪に罹り瀕死の状態。映画はここで切り替わり第一次大戦前の世紀末ウィーンに“フラッシュバック”、ウィーン工芸学校を辞めたシーレの貧弱なアトリエを映し出す。そこでは兄が妹をモデルにして裸体画を描いている。兄妹愛的な兄と妹の関係は普通ではないようにみえる。が、兄は現状に満足することなく、踊り子や年端のいかない少女をゲットしてはモデルに使い、度々男女間のトラブルを引き起こす。敬愛するもそんな兄に嫌気がさして妹は兄の画家仲間と結婚してしまうー。映画は兄シーレの最後を看取る家族、特に妹の献身的なしぐさを捉えて離さないが、兄の偏執狂的な女性履歴も追っていく。クリムト(アール・ヌーボー、ウィーン分離派の画家)に紹介されシーレのモデルにもなり同棲までする、生涯のパートナーと思しき女性(ヴァリ: レリエ・ペヒナー)ーその彼女が大戦後に病没と知らされたシーレは自分の展覧会の作品リストの題名を急遽「死と乙女」に替えるがそれがこの映画のタイトルにもなっているーがいるも別の良家の女性(エディット: マリー・ユンク)との結婚に踏み切ってしまう付和雷同振り・・・。男女間の縺れ合いはこの画家が女性にモテたという証左かもしれないが、あまりにもだらしな過ぎる。一度ゲットしてしまえば飽きて次に移る男性の性なのか。それとも自分の芸術を極めるにはどうしても女性が必要だと言わんばかり― ? 結婚、第一次大戦従軍、展覧会での成功、次第にシーレの絵画は売れていく。やがて映画はクライマックスに。妹が病に倒れた兄の病気を治そうと母にねだった宝石と交換に劇薬キニーネをやっとのことで手に入れるも時すでに遅し。兄はベットで病死する。映画はここで終わる。

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写真左: エゴン・シーレの作品『死と乙女』(1915年) ウィキペディアより
写真右: グスターブ・クリムトの作品『希望Ⅱ』('1907年) MoMAで筆者が撮影したもの

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超人の映画鑑賞 遠藤周作原作 マーティン・スコッセッシ監督『沈黙』 余滴

映画『沈黙』で好演した俳優のイッセー尾形が「週刊現代」最新号(2017年3月4日)のモノクログラビアに登場し、映画『沈黙』の舞台裏や台湾ロケなどについて語っている。小籠包の有名な『鼎泰豊ディンタイフォン』に食べに行った話やマーチン・スコッセッシ監督は馴れ合いはしない人とかいろいろと開陳していてオモシロイ。映画の内容にも触れているので引用してみたい。

「今回は、セリフが英語だからこそ、冒険できたところがあるんです。中略。英語はニュアンスがわからないから、こう言ってみようかと、無限の挑戦ができた」

「信仰とは宗教に限らず、自分が信じているもの、大切にしているもののことだと思うんです。そして踏み絵を差し出されたとき、つまり試されたときに、信じるものを貫くか、自分を売り飛ばすか。キチジロー(窪塚洋介)のように、踏んでもまた戻ってくるという選択肢もあるんですね。世の中、とかく二項対立で語られがちですが、僕は、この“第三の選択肢”がとても現代的だと思うし、一番ほっとするんです」

「清濁の両面を持つ人間の可能性って、やっぱり大きいんですよ。僕はそういう人間が好きだし、演じたいですね」

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超人の映画鑑賞 遠藤周作原作 マーティン・スコッセッシ監督「沈黙」

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遠藤周作原作・マーティン・スコッセッシ監督の「沈黙サイレンス」を観た。2016年アメリカで制作されKADOKAWAが配給。戦後文学の傑作の一つといわれている作品の映画化。日本の監督の作品にもあるが(昭和46年の篠田正浩監督の『沈黙』、恩師フェレイラ役は丹波哲郎)マーティン・スコッセッシ監督が原作に感銘して制作したアメリカ映画だ。
江戸時代初期、幕府の「禁教令」発令後のキリシタン迫害をポルトガル人の宣教師を通じて描いた作品。当時の隠れキリシタンがおかれた悲惨な状況を弾圧する強者側(権力側・奉行所)と弾圧される弱者側(キリスタン信徒・カトリック系)の両面から鋭く抉り出している。恩師フェレイラの棄教の真相を探るため、マカオで知り合ったキチジロー(窪塚洋介)の案内で日本に潜入したポルトガル人―ロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)とガルぺ(アダム・ドライヴァー)の2人、その後ガルペは弾圧され酷い仕打ちを受けて死亡―は、結局、恩師もそうであったように葛藤の末強者側の言い分を聞き入れざるを得ず、キリスト教を邪教とみなし棄教(転び=転宗)して日本名に改名、妻をもらい日本で暮らして亡くなる。長崎を舞台に隠れキリシタンの苦悩の問題を扱ったこの映画は、神は苦悩する人間に現れずなぜ沈黙するのか、信仰と愛の問題など根源的な問いを私たちに突きつける。しかし、筆者など冠婚葬祭や盆暮それにクリスマスのときぐらいにしか宗教を意識しない、世俗的でゆるい日本教信奉者にとっては、正直言ってついていけないところも・・・。
さて、演技面では特に奉行役のイッセイ尾形の演技になぜか共感。全体的に暗く笑いが少ない中にあってイッセイ尾形の名演技の悪代官の表情におかしみを感じたのだ。また、通辞(浅野忠信)の存在のある演技など全体的に日本人の役者が活躍していた。内面の蠢きと大自然の静寂、度々登場する「踏み絵」から「拷問」に至るリアリティーある酷いシーン、その上信仰と向き合うシーンなどセリフも長かった。途中眠気も。映画終了時にまわりを見渡したけれど、観客は少なかった。日本公開して3週間も経ってはいるがもう少し観客が入っていても良さそうな気がしたー。
筆者は 遠藤周作原作『沈黙』の文庫本を読もうとずっとテーブルに置いていたが、何ヵ月前に片付けてからその文庫本がどこへ行ったか分からずにいる。あとがきだけは読んだはずだが覚えていない。

“沈黙”といえば、イングマール・ベルイマン監督の『沈黙』が有名。こちらは大分古く1964年日本公開のスウェーデン映画。今ではyou tubeでも観られる。内面の苦悩や葛藤劇は、父親が牧師とあって掘り下げ方が尋常ではない。大小道具の使い方も巧み。但し、こちらはキリスト教でもプロテスタント系。字幕はアラビア語!これには参った。

追記 遠藤周作の『沈黙』の文庫本を買い直した。あとがきも読んだ。まだ手に入れたばかりだが、奥付を見ると2017年1月31日発行で何と63刷、驚いたことに、はしがきと本文は活字のポイントが違っていた。しかも、解説文まで活字が大きくなっていたから面白い。この方が読みやすいことは確かだ。ただ構成的にはどうかー。(2017.2.14 記)


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超人の面白テレビ観賞 その名は、ギリヤーク尼崎 職業 大道芸人

NHKEテレのドキュメンタリー番組「その名は、ギリヤーク尼崎 職業 大道芸人」を観た。役者根性がここまですわった人も珍しい。御年87歳、身体の不自由さにもめげず、路上で踊ったままで死ねれば役者冥利に尽きると老体をうって励む、その日常を密着取材した番組。身の回りの世話をする元タクシードライバーの弟さんの献身的な努力にも感心するが、それにもまして兄のギリヤーク尼崎の役者ばかを懸命に貫き通す芸人魂に感動した。圧巻は去年10月10日の新宿路上でのパフォーマンス「念仏じょんがら」だ。200人位の観客の前で弟子に支えられながら見事に踊り切った。それは非日常へ誘う奇抜な衣装で踊り狂う魂の舞踊そのもの、独創性に溢れていた。私はロマンチストで夢を売る商売をしていると都営アパートの自宅で語るギリヤーク尼崎。年老いて身体の自由を奪われても役者稼業を続けているのだ。その根性にアッパレ!

ギリヤーク尼崎の舞踏を見るはこちら→
https://youtu.be/p1eg24HYY34

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超人の面白テレビ観賞 ETV特集「武器ではなく命の水を~医師・中村哲とアフガニスタン~」 3

中村は800人収容の巨大モスク(授業料無料の小学校を併設)も建てた。日本から6000キロ離れた中近東の山岳地帯のアフガンで活躍する、一人の勇気ある日本人医師中村哲の仕事に賛辞を贈りたい。本当に役立つこととはこういうことなのだ。映像は褐色の砂漠から緑の沃野に変わった風景を写し出す。用水路ができたことで治安が良くなり、平和な暮らしが戻って来たと地元の人々の喜ぶ表情も映し出す。今や用水路は9ヵ所、アフガン東部3郡に跨がり、田畑面積16000ha、60万人を潤す規模に。今後国連とJICAとの連携も視野に入れて事業を更に進めるという。中村は言う。「これは平和運動ではない、医療の延長なのだ。・・・戦いをしている暇はない・・・。争いことがなくなり、平和になったが、これは結果であって平和が目的ではない・・・」
緑野した広大な光景と現地の人々に感謝され祝福されている中村の表情が筆者の瞼に焼き付いた。15年の歳月を追った取材も見事である。

このあとユーチューブで8月26日記者クラブでの中村哲医師の講演を視聴した。アフガンの医療・診療所つくり、農業用水路建設活動費は、ぺシャワールの会の会員12000人の寄付3億円によって成り立っていると。1984年NPOの派遣でパキスタンのハンセン病など感染症治療を皮切りに医療活動を開始し、その後アフガンにわたって灌漑用水路建設にも従事して32年、日本人にはあまり馴染みのないイスラム圏山岳地域の、民族(多民族)、宗教(イスラム教)、政治(部族中心の緩やかなシステム)、経済、文化の違うアフガンで様々な活動を続けている。その原動力は“武器ではなく命の水”を広めていこうとする強いパッションである。彼は誰か僧侶の言葉だと断った上で、「一隅を照らす」という言葉を発した。自分のやってきたことの意味をこの言葉に託したのだ。小柄でやや細いが優しい目、濃い眉毛、髭を生やしハンチング帽子を被った、白髪の69歳の人懐っこそうな九州人は、流暢なアラビア語と英語を話す含羞の人であり、また、信念の人でもある。彼の功績は数々の賞が物語っている。こういう人にこそノーベル賞を差し上げてほしいものだ。

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超人の面白テレビ観賞 ETV特集「武器ではなく命の水を~医師・中村哲とアフガニスタン~」 2

中村は医師ではあったが土木治水技術に関してはずぶの素人、それでも見よう見まねで図面を引き、自ら現場監督兼作業員として汗を流す。堰や取水口や堤防や用水路を造っていく作業は難事業で、土台の粘土がやわらかくて石積みしても崩れたり、クナール河(7000メートル級の山々の氷河が源流)に何度も巨石を運び重機で河に埋め込んでも、また、苦心作のコンクリートの塊も水に流されてしまうハメに。そんな折、地元福岡の筑後川の山田堰にヒントを得て斜め堰を造ることを思いつき、ようやく用水路へ水を送ることに成功。
ここで少し脱線ー。映像でこの光景を見てから少し経って思い出した。筆者の地元にも有名な灌漑用水路、安積疎水(那須疎水、琵琶湖疎水と並んで日本の三大疎水というらしい。今世界遺産に登録申請中)があるし、また、実家近くに規模はそれほどでもないがその類いの灌漑用水路、江戸時代建造の小川江筋もある。大昔その歴史を学んだがすっかり忘れていて、今回ネットで調べてみてある発見がー。それは取水用に斜め堰を夏井川に造ったと書かれていたことだ。しかも非常に珍しく日本で現存するのは3ヵ所しかないという。また、小学校時分にはよく仲間と水浴びや魚獲りに出掛けた灌漑用水路、愛谷江筋もあった!そう、要は地元にも斜め堰があったことに触れたかったのだ。幼い時は生活圏の一部だったため、その役割の重要さと歴史にそれほど関心がなかったのかも。それがアフガンの灌漑用水路建設の話で見事に繋がったのだ。より身近になった。小川江筋は実家の菩提寺のすぐ前を流れていて、水かさが増したときなど流れが速く吸い込まれるようで一瞬怖くなる江筋(用水路)でもある。
さて、アフガンの話に戻そう。アメリカの同時多発テロ事件の報復でアメリカの攻撃を受けタリバン政権が崩壊、大干ばつなのに空爆を続けることに中村は信じられない気持ちになる。おびただしい戦争難民がー。アメリカ軍機が飛びかう中、中村と地元作業員(1日240円の日当。中にはアメリカの傭兵だった人も)の用水路建設は続いた。用水路沿いに護岸の役割を果たす柳も植えた。やがてマルワリード用水路が完成する。着工から7年、全長25km、砂漠が見事に緑の沃野に甦った。5つの村落10万人に恵みをもたらした。村人が帰還し、水田から実りの米を収穫、畜産も再開してチーズも作られた。そして市が立つまでに成長。

生きと生けるものが和して暮らしていけること、これが確たる恵みの証である。世界の片隅ではあってもこのような事実が目前に見えることに感謝する。(続く)

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超人の面白テレビ観賞 ETV特集「武器ではなく命の水を~医師・中村哲とアフガニスタン~」

北朝鮮がまたもやミサイルを発射して日本など近隣諸国を脅威に晒している矢先、今度は大型台風10号の到来で130人以上が死亡、負傷者も多数出て国際機関に支援を求めたと報道された。果たして国際社会から多大な支援を取りつけられるだろうか―。
ここまで書いて4日が過ぎた。ふと目にした記事に出会って筆を進める気になった。9月16日付毎日新聞夕刊のTBS報道記者・金平茂紀氏の「週刊テレビ評」だ。内容は心の渇き潤すNHK番組の見出しで、9月10日放送されたETV特集「武器ではなく命の水を~医師・中村哲とアフガニスタン~」を視聴した率直な感想を記事にしている。冒頭で近年NHKには手厳しい意見を言ってきたと書く金平氏。続けてこうも書く。目を覆いたくなるような御用記者が大手を振って御用報道を展開していたり、トップの放送人としての意見に大いに疑問を抱いたり、その周りの隷従者たちの姿勢に一定の感情を移入したりしたからで、一種の愛情の裏返しかも知れないとも。鋭く抉る記者魂が持ち味の金平氏なりの皮肉たっぷりな表現だったが、たまにはNHKも胸のすくような素晴らしい作品を見せてくれたとETV特集「武器ではなく命の水を~医師・中村哲とアフガニスタン」の番組を褒め称えたのだ。
筆者も眠たい目をこすりながらこの番組を見ていた。なかなかできないことをやっていると感動したのだ。平和貢献とはこういうものだと安っぽい、見かけだけの貢献が多い中、本物に出くわした感じだ。金平氏も内容について触れているが、筆者なりの内容紹介と感想を書いてみたい。
この映像は、100年に一度の大干ばつに覆われ苦しむアフガン、その東部地区、ガンベリ砂漠までの用水路建設に尽力する、医師・“土木技術者”であるぺシャワールの現地代表中村哲の15年にわたる貴重な記録である。最初は医師としてハンセン病等の感染症の治療にあたり、診療所つくりに奔走するが、やがて不衛生からくる感染症を無くすにはきちんとした水を確保することが大切であるとの考えに至る。そんな医療活動のなか、アフガンの大干ばつに出くわし、その窮状に見かねた医師中村哲は、用水路一つで100人分の医師の働きをすると確信し、用水路建設に着手する。(続く)

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超人の面白テレビ鑑賞 終戦スペシャルドラマ・百合子さんの絵本~陸軍武官小野寺夫婦の戦争「スバイが暗躍する北欧、ムーミンの翻訳者の感動実話!」

第二次世界大戦中に北欧リトアニアで6000人のユダヤ人などを救った、外交官杉原千畝の人気は衰えるどころか益々高まっている。今度はイスラエルに杉原千畝通りができたとメディアが報道していた。命を省みず平和への偉大な貢献を果たした人物だ。さて、これまた北欧もの。戦争に翻弄された夫婦の絆を扱った土曜スペシャルドラマを観た。スウェーデンのストックホルムを舞台に繰り広げられた情報争奪戦を扱ったドラマで、小野寺百合子役の女優薬師丸ひろ子が夫の小野寺信役の香川照之と好演技を披露、飽きさせない90分だった。終戦スペシャルドラマと銘打ったテーマは、ある駐在武官夫婦の戦争中の知られざる真実だ。第二次世界大戦中、欧州の動向を探るため、スウェーデンのストックホルムに赴任した小野寺武官、そのあと子どもをおいて夫人もかの地へ。武官の夫を手助け秘書的な仕事をこなす。子どもの命を気遣い悲痛な気持ちになるも押し殺しながら、夫が極秘情報を入手したものを暗号化して日本の参謀本部に打電する仕事を続ける。そんな中、ヤルタ会談の極秘情報を入手し日本へ打電するも返事はなく無視され、日本はそのまま敗戦。戦後百合子はスウェーデンの児童文学などの翻訳の仕事に従事、夫は沈黙し続けるが、ある出版社が企画した座談会(当時の関係者を呼んで真相を語り合う)にようやく出席し自分の意見を述べる・・・。
NHKドラマのHPには、駐在武官の夫とともに諜報の最前線を生きた女性の姿を通じ、夫婦の愛と絆を描くスペシャルドラマ、と書かれていた。平和を求めて命懸けで闘った夫婦にはやはり愛と絆があった。筆者は小野寺百合子・信夫妻には偶然丸ビルのスウェーデン社会研究所で会ったことがある。本の出版の関係でこの研究所を訪ねたのかも。もう大分昔のことだ。記憶は益々不鮮明になりつつある。今世界のあちこちで不可解な事件が起きていて尊い命が奪われている。平和を求めていくことがいかに大切か━。歴史から学ぶことの好例の一つがここにあるような気がする。

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