北欧の企業

超人のテレビ鑑賞 北欧スペシャル

 つい10日ほど前にノルウェーのオスロで銃乱射事件が起きて、あの平和な国が、と世界中が驚いた。痛ましい事件だった。そのまさに事件が起きた日の23日から8日間、BSプレミアムではノルウェー、スウェーデン、デンマーク、アイスランド、フィンランドの五ヶ国の北欧スペシャルを放送。筆者はたまたま新聞の番組欄で知ったのだが、視たのは再放送分。7月30日午後から視た番組。

①ワイルドライフ
北欧 スカンディナビアの四季 巨大な鹿が森を生きる(7月30日土曜日午後0:00〜1:00)
極寒の中で森に生きる動物たち。巨大なシカを通じて読み取れることは、食うか食われかの弱肉強食の様子だ。

②ぐるっと北欧5000キロ〜スカンディナビア半島・港町巡り〜(7月30日土曜日午後2:30〜4:00)
女優野村佑香がノルウェーの北端アルタから、ロフォーテン諸島、ベルゲン、ウルネス、デンマークのヒアツハルス、スウェーデンのヨーテボリ、オスロ、コペンハーゲン、バルト海のホーンホルム、ゴッドランド島のヴィスビィ、ストックホルム、フィンランドのトッルクまでの港町巡りの船旅5000キロ。
 ロフォーテン諸島の鱈(cod)干しの様子と漁の体験(女性を船に乗り入れると不漁のジンクスを破って大漁)、鱈料理を堪能。ゾルゲフィヨルド近くではバイキング船の木造船建造所を見学、そのデザインや技術に魅了、ウルネスでは最古の木造建築の教会、ここでは磔になっているキリストはうなだれていない、むしろ明るい。木造建築の極意は梁の工夫や釘のないところもバイキングの影響と教会関係者から説明を受ける(この教会の芸術的価値は雑誌「芸術新潮」2008年12月号特集〈ノルウェーの森へ 中世の美とオーロラの旅〉に詳しい)。デンマークに入ってヒアツハルスでは牛の出産シーンに立ち会うなど酪農体験。デンマークの酪農には150ものルールがあって例えば、出産後10日以内に届けなれば罰金をかされるなど細かい規制があるからこそ良質な乳製品を産むと真面目に語る酪農家、バイキングが嗜んだお酒ミュルの入ったチーズ作り―実は南欧からデンマークにもたらした―を学び試食。
 スウェーデンのヨーテボリはその昔は帆船が行き交う交易の中心地だったが鉄の町でもあり、その典型の鍛冶屋を訪問。器用に鉄を扱う職人はこの道40年以上のベテラン、鉄もインテリアとして重宝がられている由。
実際に農場で発見され復元したバイキング船をオスロの博物館で見て納得、その洗練された美意識や機能性、独特な船の先端に北欧人の魂の象徴を感得、海賊は器用で繊細だとそのイメージを見直しながら語る女優野村佑香には、確かな発見があったようだ。とここまで書いて肝心のメモが電車の中に忘れたことに気付いた。仕方がないので後は拙い記憶を辿るしかない。
 ストックホルム、ストックとは柵、ホルムは中洲という意味、大小の島々からなるスウェーデンの首都、人口75万人。旧市街(Gamla stan)にはスウェーデン王室が住む宮殿がある。この辺の地理は大昔のスウェーデン語の教科書によく出てきた地域。でも女優野村佑香は初夏を彩るストックホルムではやはり自分も興味のある北欧家具の世界へ。家具デザイン専門学校を卒業したばかりの典型的なスウェーデン女性二人の作品を鑑賞、そのシンプルなデザインとユニークな素材の組み合わせや優れた機能性に感心。この二人は近くインテリアの会社を設立するという。
 バルト海を11時間かけて最後の停泊地フィンランドのトュルクへ。フィンランド人の家庭を訪問、サウナの洗礼を受け飛び込みの初体験までしてしまう。
旅は人を魅了するけれどもまた、良い意味では人を惑わすことも事実。

③Amazing Voice 驚異の歌声ハイトーン伝説ABBA
スウェーデン生まれのタレントリリコが出演、アバのデビューから解散までの軌跡を追った懐かしきミュージックシーンの数々。

④歴史館アンデルセン・童話に隠された秘話(7月31日午後0:00〜1:00)
博識の仏文学者鹿島茂は北欧文学についても言及。アンデルセンは貧しかったが最後には金持ち階級に世話になり生活に何不自由はなかった。『マッチ売りの少女』や『醜いアヒルの子』や『人魚姫』の解釈が面白い。司会は女優室井滋、心理学者の先生も出演。字幕と人物が合わなかったところもあったようだが。

⑤スウェーデン 神話の森を行く〜魅惑の鉄道 インランズバーナンの旅〜(7月31日午後1:00〜2:30)
夏に運行される鉄道に乗ってスウェーデンの森を訪ねる旅。この世界にあっては妖精伝説もまた魅力的。

⑥ニルスの不思議な旅2011〜美しき夏のスウェーデン大空中紀行〜
セルマ・ラーゲルレーヴの原作をタイムトラベルして現代風にアレンジ。低空飛行でスウェーデンを鳥瞰出来てこれまた楽しかった。

⑦北欧 ファンタジーが生まれる庭〜アグネータ・フロックの宝物〜(7月31日午後4:30〜6:00)
ストックホルム郊外に住むスウェーデンの切り絵絵本作家の優雅な日常生活を追った、愛情溢れる世界。

 以上、この北欧スペシャルの番組を覗いた限りでの映像寸評。見逃している番組もあったが、それはまたの機会か(この放送局は再放送をよくやっているので)このテレビ局が配信しているオンデマンドで視てみたい。これを機に筆者は去年書評を試みたチェコの作家カレル・チャペックの『北欧の旅』を再読。75年前の記録文学の傑作との比較に大いに刺激された。興味のある読者諸兄は筆者のコラム2010年11月20日〜26日の記事を読まれたい。

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超人のビジネス・アイ スウェーデン生まれの大手家具店『イケア港北店』

 この9月に横浜市港北区インター近くにスウェーデンの世界的家具店「イケア」20090815_ikeya
がオープンして3年、今まであまり用事がなく、しかも交通の便も良くないこともあって敬遠していた。どういうところか興味はあったが敢て出かけるまででもなかった。このところ必要に駆られて家具用品の調達を行うためやって来たのだ。スウェーデンの企業と言えば―その昔はマッチ製造・輸出―、ベアリング、タイヤ、自動車のボルボやサーブ、通信機器のエリクソン、衣料品チェーンのH&M(写真右: H&M日本進出第1号店の銀座店正面入口)、Ca5reo3c
帽子のブランドのヴィゲーンズ、ファションブランドのWESCそれに火薬メーカーのノーベル社や商社のガデリウス等々があるが、このスウェーデン生まれの世界的な家具メーカーは現在ヨーロッパ、アメリカ、中国やオーストラリアなど36ヵ国に280店舗近くを展開、売上高2兆円、従業員10万人以上の大企業だ。1943年、イングヴァル・カンプラードが安売り雑貨として出発、1953年、同業他社との競争が激しく商品供給停止の状態に陥った。このときに自社独自のデザイナーを抱え、企画・製造・販売まで賄う現在の「イケアスタイル」を誕生させた。フラットパックだ。分解された商品は、可能な限り薄く小さく梱包されて、車のトランクに積んで簡単に持ち帰れるシステムだ。1963年、ヨーロッパ、アメリカ、カナダに進出、顧客のニーズに合わせた格安の組み立て式家具を販売、現在に至る。日本には1974年に合弁会社を設立して千葉県船橋市や神戸市に店舗展開したが、DIYが日本でそれほどでなかったせいか1986年に撤退、2002年に「イケアジャパン」を設立して日本に再進出。1号店を船橋市の屋内スキー場跡地に2006年4月オープン、ヤナセ横浜デポー跡地に2006年9月港北店を、その後神戸にポートアイランド店、大阪大正区に鶴浜店、埼玉に新三郷店をオープンさせている。物流センターは関東と関西の中間点の愛知県弥富市に置かれている。
店内は①イケア商品を使ったテーマ別モデルルーム②収納やテーブル、小物等商品別のエリア③組み立て家具の倉庫④レストラン、ビストロ(軽食)に分けられる。来訪者は、モデルルームで各商品が実際に部屋に置かれた状態を想像・把握したうえで購買対象を絞り、商品番号を頼りに倉庫から希望する商品20090815_ikeya4
をピックアップして、レジへ20090815_ikeya3
向かう流れだ。自分で持ち帰るのが前提のため、配送を依頼する場合も商品をレジに通した後で配送窓口に向かうのだ。非常に安価で上質なデザインが施されていて、不良品率は全体の2%らしい。(イケア-wikipediaを大いに参照)

 地下鉄やバスを乗り継いで新開橋のバス停で下車、近くには大正製薬やヤナセがあり、ドデカイブルーとイエローのツートンカラーの建物が「イケア」。あとで気付いたことだが、バス停から近い方から筆者は入っていたがここは出口だった ! そう、大したことではないが、ルール通りに歩かないと何かと不便さもちらほら―。目的の商品を探しにエスカレーターで2階に出向く。20代~40代の家族連れが多く、この巨大なスペースを埋め尽くすほどだ。
タオルやおもちゃ、小物や香り付きのローソクなどlaw priceの商品が山盛り、そこを通り過ぎて各種の書棚、ステレオなどを収納する家具類のコーナーをさらに中へ、カラフルで斬新なデザインの机や椅子、様々なデザインのキッチン具や照明器具、ソファにベット、キッズの部屋や家具類がイケアスタイルよろしく収まっている。あっちにもこっちにもほど良いデザインが施された商品群、しかも安いのだ。果ては観葉植物などガーデニングまで用意されていて手に取りたくなるほど。先日は木製の書棚やキャビネットそれにグットデザインのtrash boxをゲットしたのだ。さて、目的の商品を探しに1階のテキスタイルコーナーへ。店員に聞いてゲット。シンプルイズベストのものを購入したかったが、生憎そのデザインものはなかった。手触りや色それに値段を見て商品を購入したのだ。また2階へ。次に小さな証明器具、序に気になっていたlaw priceのカラフルなバスタオルをゲット。スプレッド白(2490円)、バスタオルターコイズ(449円)。200908161359000このバスタオルはmade in Indiaだった ! そして遅いランチは2階のセルフ式のカフェテリアで取った。20090815_ikeya6                   オーガニックパスタ(249円)、サーモンのマリネ(399円)、オリーブオイル入りのパン(120円)、バター(30円)、サッポロビール小瓶(260円)、〆て1058円+消費税50円の1108円也。カボチャのコールドスープやスウェーデ料理の典型のミートボールやスウェーデン風のパエリヤも良いかもと考えたが、食が細い方なので諦めたのだ。味はごく普通。何かに書いてあったが、ミートボールはオーストラリアの場合は肉はオーストにリア産だとか。それではこのミートボールは日本産のもの ? 椅子に座って食事していたら、ビストロのカウンター近くが急に騒々しくなった。子どもがアイスコーヒーを自分の父親にかけてしまってコップが床に落ちたのだ。流石父親、その場では叱らなかった。それよりも透かさず中年風のスウェーデン人従業員が一生懸命タオルで零した床を二度ほど拭いていた。仕事とは言え、感心感心―。強いて言えば、このカフェテリアで見る限りでは、新しい家族の登場と言えそうだ。20代、30代そして40代のヤング、ヤングアダルト層だ。もちろん50代、60代それ以上そして10代の人たちもいることはいるが圧倒的にこの年代の層が目立つ。"イケア族"の出現である。結局1時50分に入って3時半に出た。帰りは無料のリムジンバスでJR新横浜駅へ。所要時間12,3分。この間など間違って東急田園調布駅に行ってしまったもの。行き先見ずに慌てて乗った結果である。そう、東京方面にもバス運行のサービスをしているのだ。"イケア"スタイルが日本で定着するのももう間近かも知れない―。多少の戸惑いがあっても、だ。本社はオランダ、アメリカ、カナダやオーストラリアではアイケア、ヨーロッパではイケアと呼ぶそうだ。創業者の頭文字や出身地から取ったらしい。
 ここまで書いてきて終了のボタンを押したが、忘れていたことが一つあった。とても残念な知らせだ。形や軽さそして値段が気に入ってワイングラス(399円)もゲットして帰宅した。早速そのワイングラスに冷たいビールを注ぎ乾杯した。あっ、うまっと独り言を言った瞬間、何者かが背後からビールの入ったワイングラスを襲ったのだ。2,3メートル飛んでガチャン゛だと。嗚呼―。またもや猛獣・珍獣の仕業だ。悲しい麦芽色やねん!! そしてワイングラスは何処-。また、買い直しか ! 大分前にも六本木ヒルズの雑貨店で購入した軽くて形の良いワイングラス(1000円)も割れたのだった。

ここは何処私は池やチェンジの夏

付記。筆者はこの9月中旬にニューヨークはブルックリンにある『イケア ブルックリン』に行く機会があった。その日は小雨交じりの生憎の天気だったが、地下鉄9ストリート駅を出てバスに揺られること10分、海沿いに例の黄色とブルーのイケアスタイルの店舗がみえた。思わず、あった、あったと叫び、何か日本のどこかに来ているみたいな錯角さえ覚えた。下記はその店内風景。日本の店との違いをご覧あれ。


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(2009.10.8 記)

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