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2019/07/31

超人の面白読書 141 雑誌『世界』8月号の特集2 出版の未来構想 8

はじめに――「出版危機」はマイナスなのか、近代出版システムの形成と衰退 完璧なプラットホームだった「取次システム」、プラットホーム崩壊が出版社にもたらすもの、ポスト「取次」時代の出版流通、書籍で成り立つ出版流通に、ドイツモデルから見る今後の出版流通 日本のモデルケース、高価格・低返品率、出版産業の変化で何が起こるか、おわりに 出版業界団体の機能強化も必要、あらたな「出版人」を待望する、が内容。ここでは出版流通を支えてきた総合取次会社の役割を最新データで現状を追い、その日本独特なシステムが雑誌の低迷で崩壊、あらたな活路を再び書籍に見い出す仕組みを模索し始めたというかなりインパクトのある小論だ。ドイツにあらたなモデルがあるとその現状報告をしているが、日本の出版風土に合うか充分な議論も必要だろう。ドイツでの出版社、取次店、書店のマージン配分も書かれているが、ここで注目すべき点は取次店の書店への即日配送システムだろう。また、ドイツでは雑誌はアメリカでも同じだと思うが、駅のスタンドか定期購読がほとんどで、書店は書籍だけを扱っていることである。しかも、日本のように取次店からの配本はなく、書店が事前発注して仕入れるシステムだ。で、書籍だけ扱って成り立つ要因がマージンの配分率だ。出版社の取り分が少なく、その分書店、取次店への配分率が高いという。だから本の価格が日本より1.5倍くらい高いのだ。この分だと出版社のリスクが大きいといわざるをえない。返品を最小限に留める書店の責任販売が問われるはずだ。

2019/07/30

超人の面白読書 141 雑誌『世界』8月号の特集2 出版の未来構想 7

何が問題なのか具体的に書いてあるので書き写してみよう。1978年の公取委の言い分。①本の定価が高い、②注文しても入手するまで時間がかかりすぎる、③店頭に同じような本しか並んでいない、④返品を見込んだ定価づけをしている、⑤ 返品率が高く断裁をするため資源のムダ、⑥書店員の商品知識が乏しい、⑦大手と中小の格差が大きい。これに対し当時の出版界の反論。①定価販売ができなることで流通が混乱する、②寡占化がすすみ、より強くなる、③中小出版社の経営が成り立たなくなる、④言論・出版の自由が抑圧される、⑤読者にとっても定価が店によって違うのは不利益である――であった。出版社、取次店、書店、著者・読者、それぞれの立場で議論することを清田氏が提案している。これが古くて新しい問題なのだ。筆者などもこういった立場の違う人たちが話し合って出版界の具体的な改革になれば大歓迎だ。誰が音頭をとるかだ。今は業界に疎い筆者だが、それこそ小林一博さんみたいな業界に精通した人が適任だろうが・・・。

もう一人の論客、『文化通信』記者としてのキャリアを積んだ星野渉氏は、さらに踏み込んだ出版流通の問題を鋭く抉る。「崩壊と再生の出版産業」。(続く)

2019/07/29

クロカル超人が行く 237 2019年盛夏 江ノ島海岸

小さな台風、お騒がせを残し立ち去ったはいいが、平日の江ノ島海岸は静かそのもの。sampo方々ふらりと出かけた割には拍子抜けした。ただ暑さだけが堪えて――。今の若者はあまり海水浴に行きたがらないと聞くが・・・。そんな中、中国語はここでも健在だった。これって珍風景?

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暑中お海舞申し上げます

砂の暑さ半端ないねと海の方

静けさや夏置き去りのスベる海


ああ 江ノ島
真夜中の
おでんセンター


火照る

       白昼夢


超人の面白読書 141 雑誌『世界』8月号の特集2 出版の未来構想 6

「限りなく縮小する出版界の現状のなかで、再販について真摯に議論しなければならないところにきている。
再販制についての議論が避けられてきたのは、議論が必然的にマージン問題につながるからだ。たしかに、厳しい出版状況のなかでこれをとりあげることは、大きな負担となるかもしれない。
しかし、これをしなければ出版界の改善はありえないのも、確かである。52年間の出版界ウォッチャーとして言いたいことはこのことだ。」(続く)

2019/07/28

超人の面白読書 141 雑誌『世界』8月号の特集2 出版の未来構想 5

図表と簡単な年表(1985年~2017年)をみると、32年間の出版界の動向が概況できる。バブル期→バブル崩壊後の景気低迷期ーネット出現期→アマゾン日本進出→中小取次店の栗田・大洋社その前に鈴木書店破産→1992年日書連白書の書店苦境を訴えてからさらに深刻な書店廃業が続く。1991年宮沢りえ写真集、1994年大江健三郎ノーベル文学賞受賞、1995年阪神・淡路大地震、1996年大型書店出店相次ぐ、1997年消費税5%に変更、公取委「著作物再販制度の取扱いについて」発表、中央公論社、読売の傘下へ、1999年新書の創刊相次ぐ、2000年インターネット書店続出、2002年ハリ・ポタ現象、2003年『バカの壁』240万部、2007年『女性の品格』200万部突破、2010年電子書籍元年、2011年東日本大震災・原発関連書続出、タニタ本430万部、2015年又吉直樹『花火』フィバー、「ツタヤ図書館」問題化 2017年『週刊文春』相次ぐスクープ、以上筆者の関心事を年表から拾った。で、この37年間といえば、前史はあるもの筆者にとっても自分の職業遍歴が読み取れ感慨深い。大企業に属していなかった分、中小企業である遣り甲斐を見出だしたまでは良かったがまた、中小企業ならではの悲哀も体験した。で、抜け出してインディペンデント系に。しかし、この表が示す通り、出版業界は紙媒体→デジタル化というグーテンベルク以来の大印刷革命に遭遇し、移行期の混乱や人口減少など複雑な要因が絡み合って衰退し、市場規模の縮小が顕著になった。蛇足だが、残念ながら筆者は上記に挙げたいわゆるベストセラーものはほとんど読んでいない!

高度成長期の出版界、雑誌の時代、「書店経営実態調査」をみる、いまやらねばならないこと、と綴って、最近雑誌『出版ニュース』を休刊したばかりの出版ニュースの清田社長は締め括る。課題がよくみえるので、少し長いが引用したい。(続く)

2019/07/26

超人の面白読書 141 雑誌『世界』8月号の特集2 出版の未来構想 4

「日書連の加盟店が20年前に15000店あったのが2019年の現在では3分の1の3000店にまで減少」と清田氏が書いているように書店の現状は厳しさを増し、衰退の一途を辿っている。原因は後継者がいない、継がしたくないのが理由らしいがまた、存続し続けるには22%から30%へとマージン引き上げも要求している(本文P.171)。出版全体で1996年時点で確か2兆6千億円あった総売上額が、現在では1兆6千億円まで縮小している。それは169頁の図表を見ても明白だ。また、出版点数が72000点、書籍返品率は38%、雑誌にあっては返品率が45%を示していて、その役割やら存続が危ぶまれているが、紙媒体としての役割よりむしろデジタル・オンライン発信に切り替えていることで存続しているようだ。ここ10年雑誌は、創刊しては休刊したりと競争が激化しているのだ。それはマスメディアの朝日新聞、日経新聞、読売新聞、毎日新聞など紙媒体からオンラインシステム(デジタル版あるいは電子版)の開発と改良・刷新化後の定期購読販促に躍起なっているのを見ればその力の入れようが知れよう。インパクトのある記事内容だと思うが、「課金」がキーワードでそのエンクロジャーに躍起なのが現状のような感じを受ける。
さて、少し横道に逸れた。話を図表に戻そう。はっきり言って初めはスキップして何が問題なのかを探った。清田氏といえば、黒いB4サイズの薄手の黒い手提げカバンにホヤホヤの雑誌『出版ニュース』を入れて版元に配って歩いていた姿だ(但し、筆者の記憶が正しければの話と書き加えておく)。遠い昔――。そこで思い出したのが出版評論家の小林一博(1931-2003)さん(もっと前だと原宿に場を設けて、「棚の会」を主催して書店員たちが熱い議論を戦わせたことだ。また、この流れの延長線にあったかどうかは定かではないが、四谷新道通りの入口付近にあった書店の2階に集まって版元と書店の会合否情報交換会を持ったこともあった)、学士会館あたりで版元有志と定期的に会合を開き出版界の様々な問題について議論をしていた。まだ若いクラスに属する筆者なども代理で何回か末席に座らせて頂いた。会の名前は、確か「出版未来の会」だったか。清田氏がここで書いているような話題が当時から出ていたような気がする。ただ後継者問題とアマゾンの話は別として。要は古くて新しい問題なのだ。旧態依然いえばその通りだ。(続く)

2019/07/24

超人の面白読書 141 雑誌『世界』8月号の特集2 出版の未来構想 3

①清田義昭「出版ウォッチ」→⑥星野渉「崩壊と再生」→⑤大原ケイ「挑戦続ける」→④シュピッツナーゲル典子「ドイツ出版界」→②向井和美「読書会」→③座談会「沖縄県産本」と読んで、①を再読。①→⑥→⑤→④→②→③→①のまず、日本の出版界概況、出版の現状と展望、アメリカの出版界、ドイツの出版界、読者、書店の順と追った。

やはりオンラインショッピングのアマゾンが話題だ。本だけではなくあらゆる商品がネットで買える。アマゾンは日本進出が2000年、あれよあれよと日本のリアル書店を駆逐、今や「紀伊国屋書店の2倍の売上を誇る(推定2000億円)」(本文P.172)のガリバー企業だ。日本は外圧に弱いのか、アマゾン進出当初はさほど脅威ではないと甘く見ていた節がある。特に独特の取次システム(配本制度と委託制度。トーハンと日販の二大取次会社で市場の75%以上を牛耳っている)では難しいのではないかと囁かれていた。しかし、クリック一つで直接購入でき、しかも会員へのポイント付与することで実質値引きの恩恵を受けるという買い安さといち早く自宅に届く利便性が受けて売上を伸ばしていったのだ。(続く)

2019/07/23

超人の面白読書 141 雑誌『世界』8月号の特集2 出版の未来構想 2

雑誌『世界』特集2 「出版の未来構想」の冒頭の編集子のつぶやきが示唆的。「通勤電車の中、ふと顔をあげると、本を手にしているのは自分だけ。天を仰いで呟く。もう絶滅するしかないのか――。」

いやいや、この編集子の呟きも十分分かるような気がする。が、筆者の出社時の電車の中といえば、確かに編集子の嘆きの光景は、それは見事に下向いて指を動かしているしぐさが呆れるほど目立つのだが、どっこい、本を手にして読んでいる人も見かける。年配の男女、若い女性、ビジネスパーソンなど。もちろん5、6年前よりタブレットやスマホでコミック、新聞、ラインそれにゲームをしている人が圧倒的に多くなったことは確かで、そういう筆者もその一人に入るかも――。(笑) さて、特集2 出版の未来構想、出版のどこから議論すればいいか。トップバッターは出版界のご意見番的存在の出版ニュース社社長の清田義昭氏の①「出版ウォッチ半世紀の総括」、次に翻訳家で学校図書館の司書の向井和美氏②「本をとおしてひとはつながる 読書会という幸福」、続いてエディター・書店員の座談会③「本あるところに、コミュニティ 沖縄県産本と読者・売り手の現在」、ジャーナリスト・シュピッツナーゲル典子氏の④「ドイツ出版界の対応と適応」、版権業務を代行するエージェントの大原ケイ氏の⑤「すべての本を、すべてのチャンネルで、すべてのアカウントに 挑戦し続けるアメリカの出版社」、アンカーは文化通信社専務の星野渉氏の⑥「崩壊と再生の出版産業」。165頁~219頁までの54頁がこの出版関係の現状報告に費やされている格好だ。(続く)

2019/07/20

超人の面白読書 141 雑誌『世界』8月号の特集2 出版の未来構想

雑誌『世界』(岩波書店)8月号は、定番の戦争関連記事にドキッとされたが、、特集1 の「争点としての消費税」も関心大、それより特集2の「出版の未来構想」に引き付けられた。どこかでこういった話題を取り上げるだろうと予測はしていたが、やはり硬派系の代表の版元が特集を組んだ。

今や出版業は斜陽産業化したか? (続く)

2019/07/19

超人の面白読書 140 三輪宗弘(九州大学記録資料館教授)著『👀からウロコの海外資料館めぐり』の 紹介

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三輪宗弘(九州大学記録資料館教授)著『👀からウロコの海外資料館めぐり』
A5判・並製・約170頁 CPCリブレNo.10
定価1,800円+税
ISBN978-4-908823-58-9
クロスカルチャー出版(http://crosscul.com )
2019年6月30日刊行 大好評発売中

✳ ここの出版社へアクセスして目当ての『👀からウロコの海外資料館めぐり』のタイトルまで上から下へスクロールしてみてください。記録管理学会理事の齊藤先生の新刊紹介・書評に辿り着く。それを読めば、もうサイコー😃⤴⤴。的確でわかりやすい。

 


めちゃおもしろくすぐに役立つ本が出た。しかもビジュアル的でわかりやすい。ハンディで値段も手頃。関心のある学生、院生、研究者、社会人たちよ、ぜひ手に取ってこの夏実りのある旅に出てもらいたい。30年のキャリアを持つ著者が伝授しているのだから、きっと役に立つこと間違いない。しかも、図書館・資料館・アーカイブの調査資料の探し方や手続きだけではなく、道順やたべものそれに安ホテルまでともかく懇切丁寧なのだ。


 


 


 


2019/07/18

超人の面白読書 139 矢嶋道文編著『有徳論の国際比較――日本とイギリス――』の紹介

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『有徳論』の国際比較―日本とイギリス
矢嶋道文(関東学院大学名誉教授)編著
A5判・上製・約350頁
定価本体3,700円+税
ISBN978-4-908823-51-0
クロスカルチャー出版(http://crosscul.com)

2019年3月30日刊 好評発売中

「有徳論」を真正面からしかもイギリスやフランスとの比較を通じて論じた学術書。「有徳とは何か」に挑む独創的な論究。共同研究による「有徳論」〈日本イギリス〉の試み。有徳性に時と国家をこえた普遍性があったのかを問う。

【目 次】
はじめに――日本とイギリス――
Ⅰ 江戸期における「有徳」論――儒者芦 東山と士農商・経世家との比較――矢嶋道文
1 儒者にみる「有徳」論――芦 東山「二十二箇条の上言」――
2 士農商にみる「有徳」論――川路聖謨、二宮尊徳・佐藤信淵、石田梅岩――
3 経世家にみる「有徳」論(本多利明)
まとめ――儒者の「有徳」論と士農商・経世家との比較考察――
補論  本多利明と「有徳」性――『自然治道之弁』を中心として――(宮田純) 
コラム 上野彰義隊にみる「有徳」性(伊藤綾)  
コラム 江戸期漢方医・北山寿安にみる「有徳」性(洪 涛) 
コラム 勘合貿易にみる明王朝の「有徳」性(暴図亜)  
コラム 雨森芳洲『交隣提醒』に見る有徳性(小田弘史)      

コラム 講道館柔道(嘉納治五郎)の教えと有徳性(石川和枝) 

Ⅱ イギリスにおける「有徳」の歴史 伊藤哲

1 「市民的徳性」(シヴィック・ヴァーチュウ)の伝統
2 近代市民社会の徳性
3 労働者階級(一般の人々)の徳性について――まとめにかえて―― 
補論 アダム・スミス「見えざる手」と「有徳」性(永井四郎)   
補論  古代キリスト教会の「有徳」性
     ――イエス・キリストの平和主義をめぐって――(安井聖)   
        
Ⅲ イギリス現代の「有徳」性
  ――アンソニ・ギデンズの所論を手懸りにとして――高橋一得

1 ギデンズ社会理論の射程
2 イギリス現代社会とグローバリゼーション
3 損なわれた連帯性の修復と能動的信頼
4 道徳的個人主義と倫理的自由主義
5「有徳」性への視点
小活          
補論  デュルケーム(フランス)における開かれた分業社会と道徳的連帯の可能性(大澤善信)

コラム ルーヴァン(ベルギー)・ハーメルン(ドイツ)にみる救貧と有徳性(橋本和孝)

〔特別寄稿〕
松野尾裕「賀川豊彦における「有徳」について――互助友愛の教育と実業」―― 
三澤勝己「広瀬淡窓著『儒林評』の江戸儒学三変論――朱子学に見える「有徳」性を考える――

小室正紀「福沢諭吉の道徳教育反対論――明治十六年『儒教主義』『徳教之説』をめぐって――

Ⅳ まとめ――有徳論の国際比較――

謝辞 矢嶋道文

【書評】を読むはこちら⇒

庄司俊作先生(同志社大学名誉教授)の卓越した書評 e69c80e7b582e78988e4bfaee6ada3e6ada3e5bc8fe5ba84e58fb8e58588e7949fe69bb8e8a995e69c89e5beb3e8ab96efbc88e697a5e88bb1e6af94e8bc83efbc89.docx

追記   2020年3月中旬にこの本をめぐってシンポジウムが慶応大学で開催されるという。楽しみである。(2019.8.7  記)  

 

2019/07/15

クロカル超人が行く 236 渋谷道玄坂界隈 『Mikkeller』、名曲喫茶『ライオン』そして台湾ラーメン店『喜楽』続

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①【ミッケラー】ボードのビールメニュー
②【ミッケラー】アメリカン ペールエール
③【ミッケラー】トリアエズ ウィット
④【ミッケラー】ヨロッコ ホップシャワーシーズンとミートボール(6個あった残りの1個、味はいい。『IKEA』のミートボールより旨い)
⑤【ミッケラー】夕暮れのミッケラー。全貌。1階は外と隔たりをなくしたオープン形式の立ち飲みで2階はテーブル席。現在ストックホルムはじめ13店舗展開中とか。ミッケラーはデンマークのビール醸造所。
⑥【名曲喫茶:ライオン】カラフルで雰囲気のある外観。
⑦【名曲喫茶:ライオン】レトロ感たっぷりのカタログ。当店の立体再生装置。冷房完備。珈琲と立体名曲。名曲喫茶ライオン。TEL(3461)6852 http://lion.main.jp/ 営業時間 AM.11.00~P.M.10.30
⑧【名曲喫茶:ライオン】カタログ中。夏のHiFi ライオン・コンサート 立体音響。全館(各階)ステレオ音響完備(帝都随一を誇る) コンサートは毎日午後3時と7時に演奏、他の時間はリクエスト曲を演奏。7月のプログラムが書いてある。
⑨【台湾ラーメン:喜楽】そうそう、チャーハンも有名だかやはりもやしラーメン。もやし炒めがたっぷり。

2019/07/14

クロカル超人が行く 236 渋谷道玄坂界隈 『Mikkeller』、名曲喫茶『ライオン』そして台湾ラーメン店『喜楽』

世田谷方面で仕事を終えて久し振りに渋谷に寄った。駅周辺の工事が長引いていることと若者組がはしゃぐ街として少し遠退のいてしまいがちな筆者ではあるが・・・。夕暮れ時(なぜか吉行淳之介の名作『夕暮まで』を思い出した)、前から気になっていた渋谷は道玄坂の店に立ち寄った。デンマークのクラフトビールが売りの『Mikkeller』、クラシック音楽喫茶『ライオン』そして台湾ラーメン『喜楽』だ。いやいや、北欧もの(スウェーデンものだったら最高)、クラシック音楽それにラーメンと3軒とも筆者の好みの店が同じ路地にしかも直線で並んでいる光景は初めて。見逃す手はない。1軒目はデンマークの今流行りのクラフトビールの店、2軒目は知る人と知るクラシック音楽の名曲喫茶、三軒目は台湾ラーメン店とはしごしたのだ。この辺は以前にコラムで書いたので詳細は省くが、いわゆるラブホ街だ。しかし、3、4年来ていない間に若者向けのコジャレで小商いの店が増えて昔の“風情が”失われつつあるようだ。なぜか、場所は違うのに“ダーシェンカ”、“ダーシェンカ”とチェコの店の名前を口ずさんで止まらない。こういう時に詩神(ミューズ)がよく降りてきたものだ・・・(笑)


街のあかり


ドウゲンザカの夕暮れに
街の妖精が現れて追いかけようとすると
ビルの間に消えた

うねった坂道
しっとり
ねっとり

赤頭巾ちゃん
ここはどこ?

モンマルトルの丘
(・・)


1軒目のデンマーククラフトビールの店は、20種類のクラフトビールが手書きで書いてあるボード(読みにくいがこれがメニュー。1~15までミッケラーもの、あとは日本のクラフトビール)から選び前払いで支払うシステム。グラス一杯950円(大のlarge分。小のsmallもある)、鮭やミートボール(味はいい)のつまみをオーダーして値段は2000円くらい。因みに、筆者は初心者向けの1番を選択、その後更に追加で2番(大)、20番(小)をオーダー。味はそう悪くはないが決して安くもないのだ。オープンカフェ否バーで外国人がビールで歓談しているなか、若い女性組やカップルも次々と入って来てあまりスペースのない店は一杯に。この店は宇田川町から引っ越してまだそんなに月日は経っていないらしい。2軒目は、今は少なくなったクラシック音楽の名曲喫茶『ライオン』。その昔渋谷駅すぐ近くにあった同じような名曲喫茶の『田園』を思い出した。クラシックには素人の筆者でも、雰囲気のある店でクラシック音楽をじっくり聴いていると心の平安を感じる。真ん中上の巨大スピーカーから流れる楽曲にしばし痺れた。この日は武満徹作曲のピアノ・ディスタンス、遮られない休息、8つの弦楽器の為のソン・カリグラフィー第1番、第3番、エクリブス(蝕)の曲目、ピアノ、ヴイオラ、ヴァイオリン、尺八での演奏だった。たまたま遭遇しラッキーだったのだ。実は武満徹のレコードを探した時期があったが手に入らなかった・・・。渋いアイスコーヒーは、一杯570円。蛇足だがトイレに行くにもなかな味わえない室内の歴史を感じる床を踏みしめて通るのだった。3軒目は、『喜楽』のもやしラーメン(750円)だ。過去に2度ほど訪ねているが結構混んでいた。今回は2階へ。中華麺それにシャキシャキした炒めもやしがたっぷり、香ばしく旨かった。3軒とも至近距離にある。
こんな風にして3時間弱の“夢の饗宴”は終わった。

2019/07/02

クロカル超人が行く 219 【北欧最新情報】フィンランド・ヘルシンキ&スウェーデン・ストックホルムとウプサラの旅 14 憧れのスウェーデン・ストックホルムバス遊覧 続

追記2   前頁で第2回夏季オリンピック ストックホルム大会(1912年5月~7月)に初出場したマラソンの「金栗四三」に言及したが、NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリンピック咄~」では金栗四三が主役、ドラマは半年間忙しく展開してつい先頃(2019年6月23日)第一部(金栗四三が主役)が終了した。前半を終えて視聴率は低迷しワースト記録を作っている。噺家古今亭志ん生の話も交ぜてストーリーは二つの異なった出来事を同時に追う仕立てになっていたが、変に金栗四三のマラソンの話と交差させたりと無理なドラマの展開を見せつけられ、視聴者は速いテンポとストーリーの“アバンギャルド”さについていけなかったのが視聴率低迷の原因かもしれない。それと金栗四三の知名度や来年の東京オリンピック開催の前宣伝的なことも視聴者を遠ざけた一因かも。

中村勘九郎(金栗四三、何事も前向き、明るさがいい)、綾瀬はるか(金栗の妻スヤ、献身的、演技がうまい)、中村獅童(金栗の兄、個性的すぎるが人情家)、大竹しのぶ(金栗の義母、いびりの姑、演技は抜群)、別所広司(嘉納治五郎、貫禄貫禄)、生田斗真(短距離走者・海外の支店銀行員三島弥彦、髭が似合い、爽やか)、杉咲花(シマ、真面目でやや暗い感じ)、黒沼結花(抜群の身体能力をもつ女性、なかなかどうして)、シャーロット・ケイト・フォックス(大森兵蔵の妻、平坦)それと嘉納治五郎と対立した体育指導教師や女性新聞記者、足袋屋(ここの役者が大問題を起こした。代役が良かった!)など(以下余計な古今亭志ん生関係者は省略)キャストは豪華だったにもかかわらずだ。ここで何を書きたかったか。それはスウェーデンのストックホルムロケが本番で意外と多く採用されていたことだ。日射病(現熱中症)で亡くなったポルトガルの選手がいて、金栗も何だか分からず途中棄権して行方不明。しかし、時代はこの不条理な出来事を見過ごさなかった。カミュの『異邦人』のムルソーの証言ではないが、太陽のせいだ、とは言わなかった!粋な払いが50年が過ぎた1960年代にやって来た。金栗四三は、スウェーデンの粋な申し出に応えて走った。偉いのは金栗もそうだが、当時のオリンピックの記録を丹念に調べたジャーナリスト(?)だろう。記録はギネスブック入りで、恐らくは永遠に破られないだろう。クーベルタンの精神がそうさせたはずだ。筆者も日頃は忙しく仕事をしているが、NHK大河ドラマを紹介するストックホルムの現地バスガイドの少し低い声がいつまでも耳に残っていて、甲高い勘九郎の声とダブる。それは現実と非現実を行ったり来たりしているような妙な感覚である。(2019.6.27 記)

追記3   仕事で目黒方面に向かう地下鉄に乗り込んでびっくりした。ストックホルムに思いを巡らせていたら、大手町あたりから二人のビジネスパーソンが乗り込んで大きな声で話していた。えっ、聞こえてきたのは、なんとスウェーデン語だった。仕事のことで話している様子だった。所々解る単語が耳に入ったが大声、少しマナーが悪かった。スウェーデン語で嗜めようと考えたが、そのうち御成門駅で下車してしまった。(2019.6.27 記)

Ursäkta mig, tala lugnt i tunnelbanan.
すみませんが、電車の中では静かにしてください。

追記4   2019年6月28日(金)の神奈川新聞には「76億人の海図スウェーデン ;キャッシュレス大国」という特集記事が掲載されていた。これまた前頁で触れた「アバ博物館」での話が中心だ(筆者がストックホルムでキャッシュレスに遭遇した話については、このシリーズ17と18を読まれたい)。その受付カウンターには、“We accept you for whoever you are. But we do not accept cash”(あなたがだれであろうと受け入れますが、現金は受け取れません)と書かれていて、入場料350クローナ(約2800円)はデビットカードやクレジットカードか、携帯電話による支払いなどデジタル決済でお願いしますと。アバのメンバーの一人で設立者のビョルン・ウルバース(74)は、息子が強盗に襲われた苦い経験から現金がなければ犯罪は起こらなかったと。その後はキャッシュレスの旗振り役として知られるようになったという。一方で、財務省を皮切りに警察庁長官を務めあげた元高級官僚のビョルン・エリクソン氏は、こういったキャッシュレス化に高齢者、障害者などの弱者切り捨てになると異論を唱えて立ち上がっている。キャッシュレスは現金を持たずに決済できるので便利だが、一部の大手銀行と企業が利益を独占化する危険を孕んでいる。(2019.7.2)続きを読むは、この新聞の特集記事で→76億人の海図25 スウェーデン キャッシュレス大国20190701122433.pdf

2019/07/01

クロカル超人が行く 219 【北欧最新情報】北欧フィンランド・ヘルシンキ&スウェーデン・ストックホルムとウプサラの旅 14 憧れのスウェーデン・ストックホルムバス遊覧

スウェーデンは他の北欧諸国、特にアイスランドやノルウェーとともにいつかは行ってみたい国だった。約30年前にニューヨークのケネディ空港で見た鷲の翼をもつコンコルドの飛び立つ勇姿を近くで見たとき、これでニューヨークから北欧に一気に飛び立てると真剣に考えた。しかし、今はそのコンコルドはない。それ以来北欧特にスウェーデン行き決行は延びに延びてやっと今回実現の運びに。

それは空路ではなく航路の終着点ストックホルムから始まった。シリアライン ターミナル内で現地ガイドと合流してバスに乗り込んだ。北欧図書館視察団のスウェーデン最初の図書館研修は、ストックホルム市立図書館だ。約束の見学時間にはまだ早いこともあって、少しの間バスでの市内遊覧となった。ストックホルムの東端Värthamnenバットハムン港シリアターミナルからバスはゆっくりと窓外を眺められるようにスピードを落として走行。まず現地ガイドさんが案内したのは、ヤーデットの芝で覆われた小高い丘、元は軍の練習場だったところ、次にスウェーデンテレビやラジオ放送局。実は筆者が常に現地語の生きた言語を身につけたいと考えてスウェーデン語放送をネットで聴いているのだ。その放送局を案内されたのだ。感激!ここで放送しているんだ、最新のニュースや天気報それに身近な話題を英米ほかのポップミュージックを挟んでネット配信している。1、2カ月前だったか、Kポップって、なにと質問していたアナウンサーがいたが)。最近のネットだと音声だけではなく、写真付きの記事がリアルに見れるから今は便利な時代である。ドュールゴーデン地区に入ると人気のスウェーデンが生んだ4人組ポップグループ、アバ(1970年代、「ダンシング クィーン」が代表ヒット曲)の博物館、ヴァーサ博物館、途中世界最古の野外博物館スカンセン(古き良き時代のスウェーデンが見学できる。本ではよく知っていた)の一角では、日本人たちによる撮影が行われている現場に遭遇した。来年のNHK大河ドラマ「いだてん―東京オリンピック噺 オリンピックに初参加 金栗四三」のストックホルムロケと判明。主役の中村勘九郎も来ていた。来年5月頃放送予定とか。 バスはトラムなどとすれ違いながら王立劇場などのある高級住宅街(住宅は今は供給不足、分譲と賃貸の割合は6対4だそうだ)や湖岸通りを抜け、王宮や大聖堂があるガムラスタン(12、3世紀~17世紀の建物で国の重要文化財に指定されている旧市街)からセーデルマルム地区のスルッセン方面へ。メーラレン湖とバルト海の水面を調節する水門(スルッセン)は、今150年に一度の改修工事中で大型の重機が何台も動いていた。2030年に完成予定らしい。先ほど通った湖岸通りに『ユニクロ』が明日北欧初の出店で開店準備中。店の前には大きな赤いユニクロの文字が踊っていたばかりでなく、トラムやバスにも派手な宣伝を繰り広げていた。スウェーデンのファストファッション『H&M』に向かい撃つビジネス展開になりそうだ。日本のアパレル企業がデザインの優れた北欧の地で認知されるか。 バスはさらにメーラレン湖河畔の橋を渡ってしばらく走り小高い丘で少しの間停止した。そこはストックホルムの王宮など有名な歴史的な建造物が一望できるまさしく絶景で撮影スポットになっている。なるほど北の水の都ベニスという意味がここに来て初めてわかる。14の島々からなるストックホルムは水の都で島を繋ぐフェリーが頻繁に出ている。ニューヨークのブルックリン橋の撮影スポットから眺めるマンハッタン島とはまた違った趣である。筆者流の新たな絵葉書が出来た格好だ。(2018.9.9  記)

追記   たまたまかは知らないが(そんなことばのニュアンスだったか)、シリア ラインの船着き場から次の訪問館のストックホルム市立図書館へ行くにはまだ時間がたっぷりあったので、バスガイド付きのバスでの市内観光となった。改めて旅行会社が作成した大まかなスケジュールを確認したがそこには市内観光とは書いてなかった。

バスの中から撮影したストックホルム市内をビデオで観るはこちら→ 【ストックホルム市内観光①】 https://youtu.be/dzR6xuEITHw 【ストックホルム市内観光②】 https://youtu.be/rux7CFzUsQE 【ストックホルム市内観光③】 https://youtu.be/vYzV31a5cZc 【ストックホルム市内観光④】 https://youtu.be/mNP4NfQPaDw


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