« クロカル超人が行く 235 表参道 フィンランド インテリアブランド『Artek Tokyo Store』 | トップページ | 超人の面白ラーメン紀行 262 JR保土ヶ谷駅 『櫻井中華そば店』 »

2019/05/09

超人の面白読書 134 出版社のPR誌をよみくらべる 10

PR誌『ちくま』は、興味を引いたところの記事から読んだ。鹿島茂の連載、「吉本隆明 2019」が前号から始まって2回目。鹿島流読み解き、解きほぐし、吉本隆明論だ。難解な吉本の重要なキーワードを一つひとつ解き明かしながら『共同幻想論』に迫る。何度も挫折した体験をもつ筆者には有難い企画だ。読み応えがある。鹿島茂はこの雑誌に以前にも「神保町書肆街考」や『一冊の本』に「ドーダの人、小林秀雄」のタイトルで小林秀雄論を連載していて、筆者は両方読んでいたのだ。注目して読んでいた戸田山和久「ひっこめ教養」がついに最終回だ。題して「教養くん、不死鳥のごとく蘇るの巻」。特に大学の教養教育ついて示唆に富むエッセイを残した。いわゆる「教養」本には筒井清忠や竹内洋のものがあるが。猪木武徳の「地霊を訪ねる 4 津山から柵原鉱山、智頭宿をぬけて岩井温泉へ」を読んだ。特に津山の洋学資料館を訪ねた件、コーヒーに珈琲を当てたのは洋学者宇田川榕庵だったことをこのエッセイで知った。文芸評論家斎藤美奈子の長期連載ものは、テーマに関わる書籍を毎回3冊を取り上げて論じている。「世の中ラボ」、今回は108回目、住民投票にはどんな意味があるのかがタイトル。巻原原発、吉野川可動堰、岩国米軍基地の住民投票を実現させた様子を紹介しコメントしている。住民投票の意義を示すヒントが。プレディみかこはイギリス在住のライターらしく、人と人を結ぶほのぼの愛犬の話だ。次にノンフィクション作家の井上理律子の〈絶滅危惧個人商店 5〉「吉祥寺ハモニカ横丁の「ウェスタン」」では老舗の洋品店の店主とジーンズ談義に花咲かせ、ジーンズやデムニの由来を書いていておもしろい。いつもながら聞き書きを得意とする作家だ。イラスト入りのほしおさなえは異人坂で、谷根千の根津周辺にスポットを当てて書いている。岡田、藤井、安藤、清水のエッセイ、書き手では若い方の部類に入る劇作家の藤田貴大の連載ものは独特な言葉使いで孤島の話。梨木、岸本、穂村、最果、ドミニクとそれぞれが個性的な書きぶりを披露。ここで気づいたことだが、16本のうち連載ものが12本とほとんど〈続きもの〉で構成されているのだ。紙面構成上安定はしているが、切れ味良いスポット的なものがほしい。強いていえば躍動感が足りないような気がする。それにしても字が小さくて読みにくい。書き手17名の平均年齢は54歳だった。意外と若くないことが判明した。そして、とてもユニークな西村ツチカ(男性のイラストレーター!)のちくまさん vol.28 壁活用ガールの8コマ漫画へ戻った。さて、いよいよ最後は『一冊の本』の読み解きだ。

« クロカル超人が行く 235 表参道 フィンランド インテリアブランド『Artek Tokyo Store』 | トップページ | 超人の面白ラーメン紀行 262 JR保土ヶ谷駅 『櫻井中華そば店』 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« クロカル超人が行く 235 表参道 フィンランド インテリアブランド『Artek Tokyo Store』 | トップページ | 超人の面白ラーメン紀行 262 JR保土ヶ谷駅 『櫻井中華そば店』 »

2019年6月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30