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超人の面白読書 133 大西比呂志著『横浜をめぐる7つの物語』

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大西比呂志著『横浜をめぐる7つの物語』は、副題が地域から見る歴史と世界、と付いているように、港ヨコハマの内と外のつながりを幕末から現代まで分かりやすく繙いた、新書版フェリス ブックス シリーズ、約200ページの近現代史。著者は前任者から引き継いで長らく大学で横浜学を講じている。分かっていることは更に確認することで掘り下げ、また、“知らなんだ”ことは知識の幅を広げることに一役かって豊穣に。読書はほんの些細な書物から啓発されることや再発見することがしばしば。その度に己の無知を恥じるのだが止められない。それが時間を割いた読書の醍醐味である。それはさておき横浜学の書評だ。

第1章 横浜の風車とあるデンマーク人
第2章 二つの開港記念日
第3章 関東大震災と朝鮮人
第4章 シアトルの石灯籠とバラ
第5章 ドイツから来た家族の物語
第6章 戦争遺跡が示すもの
第7章 占領のまち横浜とザンダー先生

実は第1章のデンマーク人と風車の話が、毎日新聞神奈川版連載第1回目に登場して興味深く読んだ(その記事を読むはこちら→「横浜の中の世界 ①コスモポリタンたちの現代史」)。
そのネタがこの本なのだ。現在会社の役員をしている子孫がいることまで足跡を辿っている。風車windmillは風頼りで他力本願的、色鮮やかでどこか19世紀的なのどかさがある。生活用水に欠かせない実用的な風車だが見た目はメルヘンチック。しかし、デンマーク人グランが横浜山手のフェリス学院に建てた風車は街にマッチしたと容易に想像できるが、グランが日本人と結婚して横浜の郊外の田園風景(都筑郡田村)が広がる小高い丘に風車を建てたことは、当時の地域の人々にとってはさぞビックリしたに違いない。いやいや、著者が書いているようにその地域の目印landmarkとしても威力を発揮したかも。折しも今年は日本デンマーク交流150周年でこれを機に日本で活躍した新たなデンマーク人が掘り起こされるかも。北欧に興味のある筆者には本書の第1章は大変興味深い。デーン人の面目躍如といったところだろうか。(続く)


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