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超人の面白読書 131 ジョ―ジ・オーウェル『1984年』 2

It was a bright cold day in April, and the clocks were striking thirteen. Winston Smith, his chin nuzzled into his breast in an effort to escape the vile wind, slipped quickly through the glass door of Victory Mansions, though not quickly enough to prevent a swirl of gritty dust from entering along with him.


―from GEORGE ORWELL Nineteen Eighty- Four with an Introduction by Thomas Pynchon and A Note on the Text by Peter Davison, Penguin Books

4月の晴れた寒い日だった。時計が13時を打っている。ウィンストン・スミスは不快な風を避けようと顎を胸に埋めるようにしながら、ヴィクトリー・マンションのガラス製のドアを素早く通り抜けた。素早くとは言っても、砂埃の渦が自分について入ってくるのは防ぎようがない。

高橋和久訳(ハヤカワ文庫 2017年2月15日31刷)

これがジョージ・オーウェル作『1984年』の原著、Nineteen Eighty-four の出だしである。第1部8章、第2部10章、第3部11章と附録からなるディストピア(反ユートピア)小説。去年6月に高橋和久訳の『1984年』を通勤電車の中で読み終えたが、同じく主に通勤電車の中で再読(いやはや、約1年前に読んでいたのだが、内容を大分忘れていた!情けない)、こちらは所々晴天下、狭い庭先の椅子にもたれての読書となった。休日の野外での読書は至福の時で、同時に、室内から流れるクラシック音楽(この時はボッチャーのバイオリンなど)を聴きながらの読書はこれまた、格別だ。“プロール”に毛のはいた筆者の身分では別荘で過ごしているような錯覚である(笑)。弁解めくが注意深く読んでみようと考えたことは確かだ・・・。所々原書と併読しながら高橋和久訳の『1984年』(481頁)を読み終えたわけだが、「こなれた訳」と前回読んだと同じような感想を持った。いや、更にその思いを強く持ったと言ったほうがより正確だろうか。ともかく読み易いのだ。それと原著『Nineteen Eighty-Four』のジョージ・オーウェルの文章には複雑な文の構造が比較的少なく、平易な言葉で綴られていることだ。が、その代わりいわゆる“オーウェル語”の定義を正確に理解することまた、当時(1930年~1940年代頃)の時代背景をおさえておくことは必須だ。むしろ、こちらのほうがより重要で頭に叩き込んでおく必要があるだろう。余談だが、訳者の高橋和久氏のトークショーが先週観た芝居『1984年』後にあったことを帰りの電車の中で気づいた。後の祭りだった。ぜひ拝聴したかったのに残念である。(続く)

追記 You Tubeで『Nineteen Eighty-Four』の朗読が聴ける。→ https://youtu.be/xMzBETLocSA

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