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超人の面白読書 131 ジョージ・オーウェル『1984』 2

昨夜NHKのテレビ番組で「フェイクニュース」を扱っていたが、今や「フェイク」の文字がアメリカのトランプ大統領を筆頭にネットで横行し、一度拡散してしまうと消しようがないらしい。真実と嘘が見分けにくくなっているのだ。ネットでは広告が溢れ、本当らしいところに注目してクリックすればその広告を押し上げ儲かるシステムになっているのだ。見分け方が難しくなっている。番組ではドイツ、フランスそしてお膝元のNHKが「フェイクニュース」をチェックする姿を写し出していたが途方もない作業であることは間違いない。

ジョージ・オーウェルの『1984』の解説で作家のトーマス・ピンチョン氏が、この本のキーワードの一つである、“過去を改竄した〈二重思考 ダブルシンク〉”について次のように書いている。少し長いが引用してみたい。

現在(この解説を書いた2003年頃)のアメリカ合衆国に目を向けてほしい。戦争を造りだす装置が“国防省”と呼ばれていることを疑問に思っている人はほとんどいない。同様に、司法省がその恐るべき直轄部門であるFBIを用いて、基本的人権を含む憲法の保障する権利を踏みにじっていることは、十分な証拠が書類として提出されているにもかかわらず、我々はその省を真顔で“正義 ジャスティスの省”と呼んで平気でいる。表向きは自由とされている報道機関も、常に“バランスの取れた”報道をすることが求められ、あらゆる“真実”は、同等の価値を持つ正反対の情報によって即座に去勢される。世論は日々、修正された歴史、公式的な記憶喪失、明白な嘘を与えられているのだが、そうした情報操作はすべて好意的に“ひねった解釈 スピン”などと呼ばれ、楽しげにスピンするメリーゴーラウンドと同様、何の危険もないと考えられている。我々は伝えられることが真実でないと知りながら、それが真実であって欲しいと思っている。信じると同時に疑っているのだ。結局、多くの問題に対して簡単に態度を決めずに少なくとも二つの見解を持つことが、現在の超大国における政治思想の状況ではないだろうか。言うまでもなく、その地位に、可能であれば永久に、留まりたいと思っている権力者にとって、これは計り知れないメリットがある。(続く)

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