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2017年11月

クロカル超人が行く 206 世田谷文学館「澁澤龍彦 ドラコニアの地平」

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【写真上から下へ: ①澁澤龍彦展チラシ ②図録 ドラコニアの地平 ③球体、円環への志向 ④「さようなら、土方巽」1986年1月 土方巽への弔辞 ⑤ジャン・コクトーからの手紙ほか ⑤金子國義・四谷シモンの作品 ⑦北欧神話 宇宙樹イグドラジィルの話と愛用のパーカー万年筆それに澁澤龍彦のネーム入り原稿用紙】②~⑦は『図録 ドラコニアの地平』(平凡社 2017年10月刊)より。

世田谷文学館で開催中の没後30周年特別企画「澁澤龍彦 ドラコニアの地平」を観に出かけた。10年前に横須賀美術館で開催された没後20周年記念イベント、「澁澤龍彦 幻想美術館」を観たが、今回はどんな展覧会になるか楽しみだった。また、美術館と文学館での展示の相違はあるのか、あれこれ思考を巡らせたのだ。その相違は歴然で、manuscriptの祝祭ともいうべきディスプレイ、書き記した夥しい数の生原稿の類が現前、ドラコニア(龍の世界)へようこそといった感じだ。鉛筆で書いた丸みがかった文字の原稿はとてもきれいで読みやすい。それにしても原稿、原稿また原稿のオンパレードである。約2時間鑑賞。興味深いところはいろいろとあったけれども、筆者が特に印象的だったところを図録(巻頭に菅野昭正「高丘親王航海記」讃、巖谷國士「澁澤龍彦と文学の旅」の好エッセーを掲載。展示内容を編集して反映している)から拾ってみた。

②見返しに黒を配して澁澤龍彦の世界をシンボライズしページ配置等細工を施した凝った本、その表紙。自分自身を写し出した鏡、キルヒャーの『シナ図説』、四谷シモンの「機械仕掛けの少女」ほか。帯には待望の大回顧展 公式カタログと書かれている。図録に挟み込まれた小冊子には妻の澁澤龍子さんと四谷シモン氏の対談があってなかなか読ませる。龍子さんから澁澤龍彦の日常が見えてきて何となく親しみが沸いてきた。食べ物や服の話など。著名人のエッセイも面白いが、その中でも芥川賞作家の諏訪哲史氏の澁澤龍彦評が秀逸。それはこのコラムの最後に引用したい。③球体、円環への志向のページには次のような言辞が。伸縮自在のマクロコスモスとミクロコスモスの観念を、二つながら手に入れることが必要ではないかと。円環志向はどこかの版元のモットーでもある。3つの矢を射る円環運動 : 異文化・文学・歴史統計。多分に澁澤龍彦の影響下にあるはず。マジナリアしかり。ついでに球体ほかオブジェに言及すると、地球儀、アストロラーベ(古代の天体観測器)、ウニの標本、ドライフラワー.鉱物、鏡、貝殻、小瓶のなかの玉虫等々。偏愛の賜物。④土方巽の弔辞、独特のかすれ声にひかれた。一つひとつ原稿を追った。文章も味わい深い。次を捲ると、右頁が土井典作「貞操帯」と左頁が雑誌『血と薔薇』。

⑤ジャン・コクトーの手紙。筆者的にはこの展示会で一番の収穫。便箋に万年筆で書いたジャン・コクトーのやわらかい文字が踊る。ブルーカラーのCher Tasso Shibusawaがいいね! likes ! 澁澤龍彦、初翻訳はジャン・コクトーの『大股びらき』(白水社 1954年8月)だ。次頁は東京大学仏文学科に提出した卒業論文「サドの現代性」(1952年12月)⑥画家金子國義と人形作家四谷シモン、いわば、澁澤龍彦ファミリーの人たちの作品、「エロティシズム」と「天使ー澁澤龍彦に捧ぐ」⑦北欧神話を読み解くエッセイ、宇宙樹イグドラジィル(ユグドラシル Yggdrasill)に魅せられて。羽のデザインが特徴のパーカー万年筆、筆者の高校時代の一時期、当時の友人N男と万年筆談義に花を咲かせていた。専らボディの緑が特徴のドイツ製ペリカン万年筆をあれこれ話題に。買えないくせにカタログを弄っていた。もちろんスマートなアメリカ製パーカー万年筆も地元の大きなステーショナリーで特別に見せてもらったりした。パーカー万年筆もゲットしたが、胸ボケットにさしているうちに羽の部分が何かに引っ掛かって折れたりしたので、それ以来使っていない。やがて大学生になってモンブランを手に入れ、今も愛用している。モンブランのカタログでは一番先に登場するモデルだ。たまに銀座のモンブランの日本支社に行ってオーバーホールをしてもらっている。澁澤龍彦のパーカー万年筆は保管が良いのか歴史性を感じさせない。Good fountain-pen, good job ! 自家製原稿用紙には澁澤龍彦の「彦」の独特なのばし方に魅了される。遊び心たっぷりなところがいい。原稿用紙はそれこそ銀座の「伊東屋」に行って気に入ったものをゲットしたりしたが、筆者にはどうも馴染まない。きちんと文章を書くのが目的なのに、いやに升目の鉛筆文字の格好を気にし過ぎていたのかも。升目を埋める丸みのある澁澤龍彦の文字群を“見る”と、一見さりげなく綺麗に並んではいるが、どういうわけか不思議な魔力を感じざるを得ない。そう、野中ユリの作品「新月輪の澁澤龍彦」がそれを見事に表現している。筆者は横須賀美術館の「澁澤龍彦 幻想美術館」の最後にこの作品が飾られていたのをよく覚えているしまた、ずっとそれこそ頭を抱えて考えていたことも事実なのだ。構図の奇抜性(宇宙観・感、大きなものとちっぽけな眼差し、その対比のオモシロさ、『高丘親王航海記』の原稿の配置、幻想、闇考)だけではあるまい・・・。そして今、謎が少しずつ解けていくような、溶けていかないような、健全な暗黒世界に誘われている。澁澤龍彦はいつも無限の可能性を秘めているのだ。

さて、芥川賞作家諏訪哲史氏の図録に寄せたエッセイだ。最後の何行かを引用してこのコラムを締めよう。
「澁澤龍彦とは果たして人がいうような異端者であろうか。偏綺を愛する彼自身の本質とは天使の如き「聖性」だ。サドが時に聖侯爵と呼ばれるように、澁澤さんはいわば裏返された聖人であった。」(図録『 澁澤龍彦 ドラコニアの地平』P.261より)

世田谷文学館の「渋澤龍彦 ドラコニアの地平」の展示会の実際の様子はこちらへアクセスされたい。→http://s.webry.info/sp/mignonbis.at.webry.info/201710/article_2.html

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超人のラーメン紀行 213 千代田区猿楽町『神田 勝本』

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【写真上: 清湯(しょうゆ)そば 写真下: 清湯(しょうゆ)つけそば】

ラーメン店も新興勢力進出の時代だ。水道橋駅西口徒歩5、6分のところにあるラーメン店『中華そば 勝本』が、つい最近千代田区猿楽町に『神田 勝本』をオープンさせた。日貿ビルの一軒隣の錦華通り沿いだが、この神保町界隈は行列のできる讃岐うどん店、カレー店やラーメン店が犇めく激戦区、特にラーメン店は次から次へとできては潰れてゆく過酷なエリアなのだ。筆者が直近で見つけただけでも2店舗閉店していた。何味だろうが独創的なラーメン店が生き延びている。
さて、『神田 勝本』の暖簾を潜れば、和食屋か果ては寿司屋をイメージしてしまう木造りの店内が目に留まり、客さばきが上手な年配の女性が気忙しく動いているではないか。オープンキッチン、白衣の“私作る人”3人、右端に浅草開化楼の箱、カウンター後ろには煮干しの箱が所狭しと積み上げられている。券売機のメニューはシンプルだが解りづらいことも。清湯は白湯〈パイタン・白濁〉と並び、中華そばのスープの基本形で、本来〈チンタン・透明〉と読むがここでは〈しょうゆ〉と読ませて独特な淡麗系醤油ラーメン、中華そばを演出している。筆者は今日で3度目の訪問、清湯(しょうゆ)そば(730円)➡清湯(しょうゆ)つけそば(830円)➡清湯(しょうゆ)そばと多少替えながら食した。清湯(しょうゆ)そばは鶏ガラ、煮干しに鰹節などがミックスされた、柚子入りのやや甘い感じのするスープ。灰色っぽいストレートの中太麺がスープに馴染んでいる。豚ロースのチャーシューも柔らかく美味。トッビングは海苔が頑張っている感じで玉子はない。玉子入りは別メニューなのだ。驚いたのは清湯(しょうゆ)つけそばで、麺が太麺と細麺のグッド・コンビネーションで盛られていることだ(合い盛り。太麺と細麺の味を同時に楽しめる)それをやや濃厚なスープにつけて食べるのだ。カウンター20席のみ。そうそう、小料理屋でラーメンを食べている感じ。不思議発見である。こういうラーメン店もありか。(2016年4月5日 記))

住所 : 千代田区猿楽町1―2―4 電話 : 03―5281―6801 営業時間 : 午前11:00~午後9:00 定休日 : 日曜日
ラーメン店『神田 勝本』1.スープ★★☆2.麺★★☆3.トッビング★★4.接客・雰囲気★★5.価格★★

追記 先週の土曜日(2017年11月11日)の午後、『神田 勝本』
の前を通ったら人だかりが出来ていてビックリ。思わず並んだ数を数えてしまった。なんとその数51。この店によく通っている筆者には異変と映った。オープンしてから見てきて、確かに最近は客が多く入るようになってきたが、ここまではなかった。ひょっとしたらテレビの仕業かなと考えた。
で、翌週の火曜日(11月14日)に新規ラーメン店で食べていたとき店の男子の情報で判明。日テレ11月10日(金)放送の「沸騰ワード10」の番組(筆者は観ていない)で、ミシュランガイド2018の有力候補として八丁掘『麺や 七菜』に続いて『神田 勝本』が紹介された由。筆者が見た『勝本』前の行列は、テレビ放送の翌日だったのだ。
蛇足だが、八丁掘の『麺や 七菜』の近くにはカツカレーの『ロダン』もあって、八丁堀界隈は意外と食通には侮れないゾーンなのかも。(2017年11月16日 記)

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超人の面白ラーメン紀行 241 神田神保町『こうさぎ 』

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2週間前に出来たばかりのラーメン店『こうさぎ』で醤油ラーメン(750円)を食べた。スープはさっぱり系で麺はやや太系、小振りのチャーシュー、メンマにミズナとこの手の淡麗系では定番もの。味はまあまあ。醤油ラーメンのほかに担々麺も。昼時過ぎた時間帯のせいか客は疎ら。神保町はラーメンの激戦区なので一味違った美味なラーメンを提供してほしい。

神保町『こうさぎ』1.スープ★★2.麺★★3.トッピング★☆4.接客・雰囲気★☆☆3.価格★★


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超人の面白ラーメン紀行 240 銀座『伊藤』

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銀座7丁目に用事があり、40分ほど待つ間に近くにあったラーメン店『伊藤』に寄った。銀座でたまには昼食にラーメンも良いかと自家製麺が看板のこの店をチョイス。もちろん初めて。地下にあるカウンター6席、テーブル8席の落ち着いた感じの 、いわゆるa tiny ramen noodle shopだ。人気No.1の肉そば 小(750円)を注文。少し経って出てきた ラーメンを見て思わず呟く。量が少なすぎっ!これでこの値段、いやはや―。しかし、スープが少ない分麺が多く、しかも綺麗、これは珍しい。一振りのスープの味は煮干し醤油系だが一味かましたまろやかさだ。さらに中細麺ストレート、これが店のいうバリバリ感たっぷりで美味。かわいい4枚のチャーシューも超やわらか、憎いほど旨い。あとはネギのみのトッピングで極めてシンプルなラーメンだ。周りが黒基調のせいかどんぶりの白さがいやに映えた。完食。この店のほかに赤羽店や赤坂店もある。

銀座『伊藤』1.スープ★★☆2.麺★★★3.トッピング★★☆4.接客・雰囲気★☆5.価格★★☆

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超人の面白ラーメン紀行 239 平塚『泪橋』

平塚のラーメン店『泪橋』のしょうゆラーメン(650円)。

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写真のようにともかくこぼれ落ちそうになるほどのスープたっぷりの、昔懐かしいラーメンの味を堪能。スープ大好きの人間には堪らない。醤油ダレは甘系、細麺、トッピングはチャーシュー、生タマネギとミズナの極めてシンプルなラーメンだが、チャーシューは超やわらか、美味。シンプルだがコクが感じられる一杯。はて、このスープの正体は何かといろいろ考えながら食べた。女子2人と連れだった隣の男子が二郎系よろしくマンモスラーメン(800円)を楽しく食べていた。その形状のスゴいこと改めて感心させられた。
午後5時半始まりだと思って店に10分前に到着したが、5時半過ぎになっても開かなかったので店に電話をしたら、6時からと店主が一言。また30分待った。外にある券売機で食券を買ってようやく一番乗りで入った。外見は強面そうな感じだが、話してみれば気さくな店主だった。激戦区新橋駅の烏森入口近くでやっていたが契約が切れて4年前に平塚で再オープンした由。新橋では評判のラーメン店だったらしい。帰り際野性的な店主の風貌がどこかの焼鳥屋の若い店主と似ているなと少し親しみを感じた。
メニューは次の通り。つけめんor辛つけめん 小(750円) 中(800円) 大(850円)、マンモスラーメン(800円) 辛マンモスラーメン(850円) 塩マンモスラーメン(850円) カレーマンモスラーメン(850円) 塩らあーめん(650円)ほかぎょうざやもやしいためもある。

平塚『泪橋』1.スープ★★☆2.麺★★3.トッピング★★4.接客・雰囲気★☆5.価格★★★

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【写真上: たっぷりのしょうゆらーあめん 左下: 開店20分前の店正面 右下: 開店5分前に店主が点した看板】

追記 この店は休みがユニークで朝のテレビ番組で取り上げられたほど。ディズニーランドに行ってきますので本日は休みますとシャッターに貼紙をしたとか。

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