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2017/09/16

草野心平詩集(岩波文庫)『 侏羅紀の果ての昨今』抄から 或る永遠 J.N氏に

草野心平の西脇順三郎について書いた詩。

或る永遠

J.N氏に

日本海に面したN県に。
川がある。
川底の小砂利の見えるセルリアンに布を流し。
川底の雪の上にそれらを並べて晒す。
赤ギレの手によって生まれるニッポンの高貴な縮である。
J.N氏はその界隈で生まれた。
ふるさと。
けれどもJ.Nにふるさとはない。
ギリシャ神話と玄のいりまじった次元が氏の脳髄のふるさとである。

J.N氏は書斎のなかで世界をうろつく。
多島海の渚に足をひたし。
ラテン語だけしか通じない中世の村道でプラチナの太陽をまぶし黒仰ぐ。
もどって武蔵野のイノクロ草をちぎったり。
エンサイクロビデア・ブリタニカの頁のなかに一ミリの小人になってもぐったりする。
地理や歴史や。
虹かかる永遠。
永遠に向かってJ.N氏は書斎をぬけでる。
永遠のなかに歩いてゆく。
そのうしろ姿。
陽は正に没しようとしてそのうしろ姿。
永遠のなかの一つ黒子。

黒子のなかの或る永遠。

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