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超人の面白読書 126 『ちくま 』2016年11月号を読みながら

作家の橋本治が、『ちくま』11月号の巻頭エッセイ(なだいなだ氏のときはよく読んでいた)、遠い地平、低い視点の今回のテーマは祭りの継承。ずっと不思議に思っていたことがこのエッセイで氷解して、少しだけ快感を味わった。
それは30代の初めに仕事で兵庫県の山あいの書店―最寄りの駅から川沿いを歩いて20分ほどかかった―に訪問して若い書店主と喫茶店で話していた時に、がり版刷りの新聞を差し出され、若い書店主が祭りや神輿のことについて熱く語ってくれたことだった。筆者はさほど神輿には興味がなかったので、不思議な人もいるもんだなと感心した。決して上手いとは言えない手書きの、しかも所々薄くてはっきりしない、神輿のイラストが私製新聞の真ん中に掲載されていて、よくまあ、細かく書かれているね、と若い書店主の祭りや神輿の復活にかける情熱が半端じゃなかったことを今でもはっきりと覚えている。その当時は神輿を担いで祭りを行う行事が、作家の橋本治が書いているように廃れていたのだ。それこそ大きな祭りはあったと思うが、商店街などを練り歩く祭りはあまり見かけなかったように記憶している(小中学生の頃は田舎の神社で行われる秋祭りによく出かけたものだ。それこそ子どもにとっては楽しみだった―)。それがいつ頃、多分10年後くらいからか、徐々に商店街に神輿を担いだ祭りが復活したのは。商店街での神輿を春(元来の意味は豊作祈願)、夏(元来の意味は病気よけ)、秋(元来の意味は収穫祭)、冬(元来の意味は豊作感謝)の季節に以前より見かけるようになって(テレビでの祭りの露出度も増した)、あの時兵庫県の書店主の語っていたことが現実味を帯びた。いやー、彼の情熱が伝わったのか予測が当たって驚いたものだ。が、一方で、祭りの宗教的な意味合いは薄れて、代わりにイベント性が出現した。日本社会が何か変わり始めた時期だったかも知れない。作家の橋本治が住宅街の祭りの様子を彼なりの視点で面白可笑しく活写しているが、筆者が住んでいる地域の小さな夏祭りも似たようなものだ。

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