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2016年6月

超人の面白読書 125 サカキシンイチロウ著『博多うどんはなぜ関門海峡を越えなかったのか』

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こういう類いの本は大概立ち読みですませて来た筆者だが、毎日新聞夕刊のコラムに博多うどんと本書について書いてあり、いや、その前に福岡出身の先生の話もあって、実際に博多うどんの店まで探して食べに行った。その後で手にした本書だが、コンサルタントの著者がユニークなメンバーを結成して市場調査的な半日博多うどん食べ歩きを決行しそれを綴ったのが本書だ。余白を充分にとりすぎた感のある贅沢な本作りも魅力の一つだが、それより何より博多うどんのチェーン店『牧のうどん』の魅力を充分に語ってあまりある。合理的な経営を追求することで利益を求めたがる現代の小売店にあって、むしろアナログ的でさりげない人間力を発揮することに力を注ぐ『牧のうどん』に惚れ込み、やさしいまなざしをおくっている。通勤電車のなかで一挙に読んだ。本書で腰のない柔らか博多うどんの出来上がる過程を知った今、採算等を考えて博多うどんの東京への進出は不可能だと思った。関門海峡は越えられない!が、なかなか博多まで足を運べない筆者みたいな人間もいるので、“改良”を加えて東京進出を果たしてもらいたい。『牧のうどん』ができなければ『因幡うどん』や『ウェスト』でも良いが。讃岐系うどんより柔らか博多うどんを好む人たちもそれなりにいると思うのだ。ここからは想像だが、比較的福岡出身の人が多いところ(本当にあるかな)あるいは、集まるところに博多うどんをメインに『博多食堂』を開店したら売れるかも。最初はリサーチと勘に基づき、手応えがあれば新たな拡散のステージへー。何せ博多豚骨ラーメンを流行らせた実績はあるのだから。博多が発祥の『一風堂』はニューヨークにも進出していて、ニューヨーカーにも人気で食べるのに2時間待ちといわれているくらい。首都圏では千葉県の君津市に新日鉄君津製鐵所(現新日鉄住金君津製鐵所)が1960年代にできた関係で九州から仕事でやって来た人が移り住んだ。そのため豚骨ラーメンの店が早くからあるのだ。博多うどんも・・・。
最後に本書の目次を少し紹介しておこう。サブタイトルは1時間半のビジネスモデル。第1章 博多へ、第2章 こんなに違う、うどんとラーメンの儲け方、第3章 「牧のうどん」本店の謎、第4章 博多うどんをめぐる半日ツアー、第5章片道1時間半の王国 第6章 東京で博多うどんビジネスは成功するのか?

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