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クロカル超人が行く 186 岩波ブックセンター信山社で『丸山圭三郎著作集』の解題を読む

久し振りに神保町交差点近くにある『岩波ブックセンター信山社』に寄ったら、ある本を携えてレジに歩み寄る年配者に遭遇。この年配者は学者?そんな風に見えなくもなかったが、彼が携えていたのはあのフランス語学者で言語哲学者、とりわけソシュール研究第一人者の丸山圭三郎の著作集だった。筆者はその名前を久しく忘れかけていたのだ。彼は比較的若くして亡くなったが(60歳くらい)、その死因が知りたいとずっと思っていたのだ。この人こそ今や百科全書派的存在の鹿島茂より前に一世を風靡したフランス語の研究者だ。店内で年配者が持っていた本を書棚で見つけた。当時を回想したエピソードが『丸山圭三郎著作集』最終巻の解題で愛弟子が書いている。かつてのNHKテレビの語学番組「たのしいフランス語 基礎編」の講師(因みに応用編の講師は渡辺守章だった)で、筆者も高校時分通学前に視ていたのだ。ゲストは確かモレシャンなどが出演していたように記憶している。鼻に抜ける鼻音が得意の、その洗練された軽妙酒脱な語り口と都会的なセンスは特に印象深い。講師の丸山圭三郎の影響もあってかフランス語は高校時分から大学にかけて夢中になった。急いで付け加えて書けば、ラジオフランス語は朝倉季雄先生だった。先生は友人Y君の担任で単位が足りなく卒業が危ぶまれていたY君を何とか卒業させてくれた人だそうだ。その朝倉季雄先生が丸山圭三郎のフランス語はちょっとねぇ、と言ったとか。しかし、愛弟子は恩師丸山圭三郎と一緒にさせて頂いた席で、冗談を交えた流暢なフランス語を話すのを目撃した、とこの著作集の解説で書いている。恩師のフォローを忘れない。立ち読み(最終巻の第Ⅴ巻は1冊、7,000円と高価!)して面白かったのは、丸山圭三郎の意外な側面を開陳していたことだ。一つはワイン愛飲家で食通、一つは競技カルタの名人(父君が国文学者だったことも影響していたか)、また、カラオケの達人特に「恋心」は丸山風にアレンジがかかっていて絶品とか。専門のフランス語や言語哲学者の顔を持つ反面、趣味もまた豊富だったと愛弟子は書いている。丸山圭三郎は中央大学在職中に癌で亡くなった。やはり―。最近ではソシュールの本の新訳他も出たりしているが、当時の丸山圭三郎のソシュールについての見解も(その昔『月刊言語』などで読んだはず)読んでみたい。高価なので図書館から借りて読んでみるつもり。以上が“立ち読み”での感想だ。それにしても最近の日本でのフランス語の人気のなさは目に余るー。それは大学の第二外国語の選択でも顕著だという。
因みに、加賀野井秀一・前田秀樹編『丸山圭三郎著作集』全巻の構成は次の通り。第Ⅰ巻 ソシュールの思想、第Ⅱ巻 文化のフェティシズムへ、第Ⅲ巻 言語の深層/深層の言語、第Ⅳ巻 生命と過剰 第Ⅴ巻 人と思想。

追記 ついに図書館に出向いた。『丸山圭三郎著作集』や単行本を借りに。Y市の人口は現在約370万、図書館を利用する人は人口で第3位のO市と負けないはずだが、何かが足りないような気がする。新刊書?レファレンス本?予算?O市は図書館行政や収集能力が優れていると兼ねてから思っている一人だが、その点Y市は少し意識が違うような気がする。それはそれとして今回図書館に出向いて公共図書館のあり方を考えさせてもらった。『丸山圭三郎著作集』第2巻は何と貸出中だった。びっくりぽんや。でも、人口比で言えば少な過ぎか―。もっと読まれていい本だ。

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