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2015/10/15

超人の面白時事 国立大学通知の波紋

文科省は2015年6月8日に全86の大学、主に文学部や社会学部など人文社会系の学部と大学院について、社会に必要とされる人材を育てられていなければ、廃止や分野の転換を求めた通知を出した(「朝日新聞」2015年6月9日付の朝刊)。これに対して人文社会系の研究者間に波紋が広がっている。実学優先の方向転換で目に見える成果がなかなか出ない文系をあまりにも蔑ろにしたものだとの意見が出ている。国際日本文化研究センターの小松和彦所長は「人文学によって培われてきた知識が、人間にとって本当に不必要か大いに疑問だ」(「新潟日報」2015年7月10日)。また、文科省の通知が出る前の2015年3月4日付の朝日新聞オピニオン欄で、経営コンサルタント富山和彦氏の「実学を教えるたのは嫌だ、でも世界に通用するアカデミスムでは闘えないという人には、じゃ大学はいったい誰のため、何のためにあるのですかと問いたい」と実社会に通じる教育の重要性を強調したのに対して、名古屋大学准教授の日比嘉高氏は、「目先の利益にとらわれた改革が進めばどうなるか。教育は壊滅的な打撃を受け、社会は資産や出身地によって階層化し、格差が広がるでしょう。」と考える力の低力で危機を乗り越えられることを力説。また、詩人の荒川洋治氏は、「言葉をつうじて人間のあり方を伝え、人間性を失わせずに思考力や想像力を育てる文学こそ、本当に役立つ実学でしょう。勘違いしているぞ、と強く言いたい」(2015年7月28日付「毎日新聞」夕刊)と語っている。そんな中、毎日新聞記者が書いた記事が示唆的だ。「てめえ、さしずめインテリだな」―。映画「男はつらいよ」の寅次郎はこう言い放った。大学出の「知性主義」には権威と権力はあっても、庶民の知恵のようなものが欠落していると腐したのだ。今こそ、知能ばかり重んじる「半知性主義」の「インテリ」に対して、同じセリフをぶつける時ではないか。そこに文系学部の将来が隠されていると思う。―PR誌「クロス文化」創刊第3号 2015年8月25日から抜粋 (続く)

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