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超人の面白読書 112 中村忠夫著『西脇順三郎の風土 小千谷を詠んだ詩の数々』 2

2014年11月に西脇順三郎生誕120周年を記念して、小千谷の深地ヶ岨に西脇順三郎の詩碑が建立された。詩「旅人」から採られた詩句だ。

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汝は汝の村へ帰れ
郷里の崖を祝福せよ
その裸の土は汝の夜明だ
あけびの實は汝の霊魂の如く
夏中ぶらさがってゐる

命令調の響きが心地よく(自分に向かって命令している)、より郷愁をさそる詩だ。万年筆で書くスタイルがよくお似合いな、特徴のある西脇順三郎自筆も刻まれている。晩年の詩だが言葉使いが独特だ。崖を祝福せよと謳った詩人を西脇順三郎以外に筆者は知らない。これも何かの縁かも知れないが、その現場に今年の5月末に訪れるができた。そして、「ああ、なるほど崖(cliff)ねぇ」と呟いたのだ。

小千谷生まれで医師また西脇順三郎偲ぶ会の副会長でもある著者は、今までの研究者等の書いた本とは違って、趣味的に一市民が親しんできた西脇順三郎の詩と故郷小千谷の風土を重ね合わせて編んだ、いわば小千谷を知り尽くした人ならではの本である。しかし、西脇順三郎を偲ぶ会の副会長の要職者でも分かるように西脇順三郎に関する知識量は相当なもので、さらに行間には所々優しいお人柄が滲み出ている、西脇順三郎を愛して止まない本なのだ。

目次

序文―太田昌孝
はじめに
1 西脇詩を理解するために
2 西脇順三郎の詩の特徴
3 Ambarvalia
4 旅人かえらず
5 第三の神話
6 失われた時
7 宝石の眠り
8 禮記
9 壌歌
10 鹿門
11 人類
12 小千谷に残された校歌や詩など
参考文献
あとがき

70枚以上のカラーと白黒の写真が挿入されている。さらに本書には5頁にわたってイラストで解りやすく西脇関係図まであるのが最大の特長で、本文と合わせて見られるように数字入りなのがいい。折り込み図としたほうがなお見やすかったが。【写真 : 旭橋からみた深地ヶ岨 本文P.31より】

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