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超人の面白読書 112 中村忠夫著『西脇順三郎の風土 小千谷を詠んだ詩の数々』 4

こうして著者は、西脇順三郎の詩を小千谷の風土と重ね合わせてその詩の背景を読み解いていく。「Ambarvalia」の天気の戦前初期作品から始まり、旅人、皿、内面的に深き日記、「旅人かへらず」の戦後直後の中期の作品から、10、34~38、79、82、86、87、102、103、104、105、106、107、122、123、124、156、161の比較的短い詩を取り上げ、小千谷の舞台を一つひとつ解説、いわば足で稼いだ成果である。その中の中学生の同級生を詠んだ詩がある。

161

昔株屋をやってゐたが
此頃は百姓にもどった男
橋のたもとで大根の種を買つて
つり銭を待ちながら
ヘツヘッと笑つて云った
『女は男の種を宿すといふ
それは神話だ
女の中に種があんべ
男なんざ光線とかいふもんだ
蜂か風みたいなもんだ』

なかなかエロチックでユーモアのある作品である。筆者も好きな詩だ。草野心平の詩にも郷土の有名人を並べた詩句があるが、西脇詩のほうがユーモアやペーソスがある。著者は大根の種を買った店は旭橋を渡って千谷川のほうに下る坂の途中にあった丸信種屋で、現在は更に下った旧大川蕎麦屋に移転したと詳細に解説を施している。
さらに、「第三の神話」から自伝、プレリュード、人間の没落について、ジューピテル、「失われた時」から第Ⅰ編 九十九行目から、第Ⅱ編 五十八行目から、「宝石の眠り」からローマの休日、写真、くるみの木、椀、きこり、茄子、坂、まさかり、記憶のために、すもも、エピック、宝石の眠りと続く。〈続く〉

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