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超人の面白読書 103 六草いちか著『それからのエリスーいま明らかになる『舞姫』の面影』 9

このコラムが節目の1500本目。懲りずによく書いてきたと思う。正直言って途中弛みもあった。今は持続することの意義を見出している。これからもご贔屓に。

さて、鷗外 の話の続き。エリーゼは鷗外を追って日本に来たことは良く知られている。本書でもエリーゼ探しの合間に今までの整理の意味でまた、検証する意味でも章を設けている。それにしてもドイツのブレーメンから横浜まで片道一等船室で1750マルクもの高額な渡航費ー今でも大金には違いないーを、青年鷗外が工面して出したらしいがそれも尋常を超えている。この件については詳細はまだ分らないらしい。当時の円は今の12000倍だそうだから、マルクを円に換算したら相当な金額になることは間違いない。しかし、鷗外を追ってきたエリーゼは、森家の計らいで滞在10日余りでドイツへ返されてしまう。この復路の過程を調べた話が本書にあって少しばかり心を動かされた。マイナスの意味でだが。日本から離れた乗換港の香港からは二等船室だった。そしてイタリアのジェノバからは陸路を使って帰国させたという。何と森家は費用をケチったのだ。著者が書く行きは“姫君”帰りは“賤女”の所以だ。
鷗外の『独逸日記』の梅某の言及とエピソード、ドイツ留学時の鷗外の下宿考証と執拗な調査と発見が続く…。〈続く〉

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