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超人の面白読書 99 三瓶恵子著『人を見捨てない国、スウェーデン』 11

急いで小見出しを追おう。児童オムブズマン、虐待はある、病気になったら、年をとったら、失業したら、障がいをもっていたら、障がいをもっている子どもにはと続き、それぞれ具体的な数字を示してくれていて参考になる。ストックホルムでの医者の診察料は日本より高いみたい。勿論18才未満は無料。歯の治療も高額だか限度額を越えた場合には国が負担してくれるという。20才未満は無料。出産前のケアや出産費用も無料。
終章 若者が考えるこれからのスウェーデンでは子どもの幸福度チェックなど。スウェーデンの若者の93%が人生に満足、あるいは大体満足しているという。また、「スウェーデンは子どもと若者にとって良い国だと思うか」のアンケートに対して81%がはいと答えている。小見出し、何を改善するかのところでは、移民、人種差別主義、学校、犯罪と刑罰、環境、気象問題、お金と経済、失業問題、暴力、暴行、政治、国家運営の順(5年前の児童オムブズマンの年次統計)。これはスウェーデンの若者の社会に対する関心の高さを示している。また、スウェーデン人の選挙への関心は、2010年の国政選挙で80.0%だったという。税金の使い道の関心の高さを物語っているのだ。
「高福祉・高負担」の国だからかもしれない。個人が支払う所得税率は28%から62%(日本は5%から40%)、日本の消費税に相当する付加価値税momsは基本が25%(食料品は12%、文化関係は5%)だという。国に貯金している格好とは著者のコメント。日本のある新聞の夕刊には「幸福論」のページがあって毎回面白く読んでいるが(大人の人の、今は幸せかい?といった感じ)、幸福の実感は日本の若者よりスウェーデンの若者の方にあることがよく解った。同時に、自立した若者へ育てていくスウェーデンの社会があることも事実、政治力の確かな手応えがそこには横たわっているのかもしれない。スウェーデンの新聞を眺めていると、自動車産業の破綻、雇用、犯罪、政治的混乱など話題に事欠かないのも現実。同じ福祉国家で男女平等政策が行き渡っているノルウェーでは、青年の銃乱射事件という惨い事件が起きたことは記憶に新しい。本当に理想の国はあるのか。良い国に住んで幸せを感じて生きていたいとは誰もが願うものだろう。そのためには子どもを自立した人間に育てていくことが大切で、それは大人の役割なのだ。要は積極的に関わって変えていくことかもしれない。本書はそのことを教えてくれている。最後に本書のオアシス的効果抜群のコラムー著者の夫君が描いたーからスウェーデンペット事情を短く。
スウェーデンはペット大国らしい。猫が94万人の人に160万匹飼われて第1位、第2位は犬で175万人の人に100万匹飼われているという。家族の一員となりにくい金魚や小鳥を飼うような人は少ないらしい。
岩波ジュニア新書 176頁、2013年2月刊 本体価格:820円。

追記。総務省が一昨日発表した直近の出生率は1.41。出生率が上がって来ていると。特に30代が顕著て20代ではむしろ減少している由。(2013.6.7 記)

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