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超人の面白読書 95 ノルウェーのベストセラー作家カール・オヴェ・クラウスゴルドの最新作『Min Kamp』(English title : My Struggle)”わが闘争”の紹介や書評を読む 19

この不潔極まりない仕事の只中で、クナウスゴルドはプルースト風の回想の瞬間を持つことになる。紅茶やマドレーヌによってではなく、クローリン(クロロックス(漂白剤)のスカンジナビア語に相当)の臭いに刺激されて。
「クローリンの臭いと青色の瓶の視界が1970年代へ連れ戻させ、より正確には合成洗剤が保管されたキッチン下の食器棚へ。その時にはジィフはなかった。アジャックス洗剤用粉末はボール紙の箱に保管されていた。赤、白と青。緑の石鹸」すべては平凡過ぎるだろうか?未だにクナウスゴルドはこの時独り言を言うのをためらい、クローニンやアジャックス以外の全く平坦で平凡な詩的文章に絞る。彼は回想について考えた。自分の頭の背後にある鏡を持ちながらバスルームの鏡の前にどう立っていたか、また、イメージの後退していく踊りをどう見ていたか。「見渡す限り小さくなっていくこと、しかし、見渡す背後には何が起こっていたのか。イメージがだんだん小さくなり続けていたのか」
次第に彼は哀調を帯びたテーマを掴む。彼が尋ねるにはこれは私たちが認識し体験したすべての宿命ではないのか。全ての音、臭いや味が再現されるが、今は懐かし気に「あなたが失った、また、消え去ってしまったすべてが本当のように、いつも全く抑えきれない気持ちになるのだ」彼はこの失われた感覚をつくづく考える。草の臭い。「あなたが練習の後のある夏の午後サッカーグランドに座ってるときの草の臭い。動かない木の長い影、川の流れや道の反対側の湖で泳いでいる子どもの笑い声を思うのだ」泳いでいる時の口の中の塩、子供のように登った岩、特に精力飲料の味。彼が描くにはこれらは何も変わらなかった。すべての対象物や幼少時の感知はあなたにとって今なお有益なのだ。<続く>

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