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超人の面白読書 92 井上理津子著『さいごの色街飛田』 3

最初は知り合いのテレビ局員、フリーター、版元営業マン、コピーライター、パチプロ、公務員、流通管理職者、観光業者、メーカー技術者、自由業、広告代理店OB、元医師、元公務員、大工、元バス運転手、衛生用品納品の人など飛田に行ったことのある人たち―その年齢は22歳から72歳までと幅広い―にインタビューを試み、女の子とのやり取りの様子、価格など飛田の内側を言わば外から覗く。次にじゃんじゃん横丁の喫茶店や飛田界隈のスナックなど飛田周辺の生活者に聞き込みながら、飛田の日常に触れ言わば、外側と内側の境界線のところから一歩内側へ辿り着く。さらにインタビューは飛田本丸、内側中心部へ。それはまるで襞を分け入るように怪しい世界に招き入れられたような感じだ。「料理」組合幹部、元「おばちゃん」、「おばちゃん」、「経営者」と続き、途中肝心のインタビューがままならぬに至り、自分で作成したビラ400枚を飛田本丸で配り歩く。正式には4人の「おねえさん」から電話インタビューを受けることに成功。まだ残る“バンス”(前借。語源は英語のadvanceか。縛りをかけた独特なシステム)の慣習、家庭の問題、教育レベル(わけあり女の子がやがて弁護士になった話はあっぱれだが)、経営者の搾取等々ここで働く「おねえさん」(若い女の子から年配者まで様々らしい。中には好きで働いている主婦も!)はほとんどわけあり人生なのだ。そんな中、ブログで見つけた威勢のいい女性「経営者」にインタビューを試みたり、終にはスポーツ新聞の求人欄で「おねえさん」に応募、友人を巻き添えにして飛田本丸の内側、その心臓部へと踏み込む。その様子は同姓が立ち入る場所かと思わせるほどリアリティーがあった。(つづく)

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