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超人の面白読書 92 井上理津子著『さいごの色街飛田』 7

飛田遊廓の営業形態は「居稼」(てらし)だった。居稼は妓楼に自分の部屋を与えられ、そこで客を取ること。それに対して芸者のように、置屋でスタンドバイし、お呼びがかかって座敷に出向く形態を「送り」 という。座敷には、往来に面して太い格子が巡らされ、娼妓はその格子の中で外向きに並ぶ。東京の「張り見世」と同じ。客は外から覗き込んで娼妓の品定めをする。飛田は「早い、安い、おいしい」の三拍子揃ったセックス専門だった…。(本文P.94〜P.95) 本書は飛田の歴史も繙き、客観的な事実確認も怠らない。ここで花街独特の用語を多少記してみたい。青線、赤線、揚屋、花魁、置屋、岡場所、貸座敷、貸席(お茶屋)、カフェー、妓楼、芸妓、検番、公娼制度、私娼窟、酌婦、集娼、娼妓、席貸、茶屋、二業地、花街、水茶屋、遊女等々。(加藤政洋著『花街』から)
さて本書の書評も終わり近づいてきた。変わりつつある飛田の最新事情はあとがきのはじめに書かれているのでそちらを読んでいただきたい。なかなかインタビューに応じてくれない苦労のあった本書だが、著者は執念でこのテーマと向き合い、飛田を解剖。そこには事実を抉り真実に迫ろうとする作家魂がある。文章も読みやすい。欲をいえば、経営者と女の子のインタビューがもっと欲しかった。2011年10月筑摩書房刊、定価、2000円+税。
余談だが本書で言及していた黒岩重吾著『飛田ホテル』(角川文庫)は、残念ながら絶版で図書館から借り出して今筆者の手元にある。尾崎秀樹の解説は読んだ。名作。
 
余談の余談。こちらも“新地”グループ。写真はC氏提供。

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