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超人の面白読書 88 西脇順三郎を読む

 西脇順三郎を鞄に入れて読んでいる。
①Ambarvaliaアムバルワリア・旅人かえらず(講談社文芸文庫2008年2月2刷)
②新倉俊一著『西脇順三郎全詩引喩集成』(筑摩書房1982年9月初版)
③季刊詩誌「無限」29号特集西脇順三郎(政治公論社無限編集部昭和47年8月)④雑誌「英語青年」2008年1月号特集西脇順三郎

 鞄に入れて少しずつ読んでいるのは良いがなかなか捗らないのだ。あちらの鞄こちらの鞄と持ち歩いているけれど、本や雑誌はそれなりに重い。しかも例によって読みかけの本や雑誌も入っているし我ながら呆れる。肩が凝るのも知らず。ここ二三日は急に涼しくなったがその前は約10日間ばかり酷暑続きで何もできなかった。筆者の夏休みもその酷暑の日々に出くわして、

蝉が鳴く古刹の丘の下り坂

今日もまた頭にタオル蝉ジージ

乗ってよと蝉の背中も人恋し

今年の蝉いないは地震さもあらず

バスを待つふと振り向けば蝉しぐれ

フクシマやチョウ現実の蝉ナーク

と口ずさみたくなるから不思議。

 で、西脇順三郎の話。
小千谷市立図書館の西脇順三郎記念室(英語学・英文学関係の書籍も“見て”みたい)にも行きたいと考えていざ出陣と思いきや前線の影響で冠水寸前、又もや行けず。せめて新しく甦れ、「天気」。

(覆された宝石)のやうな朝
何人か戸口にて誰かとさゝやく
それは神の生誕の日。

 この詩の解釈について上記「無限」から引用しよう。40年前の雑誌だが。
「(覆された宝石)のやうな朝」について、私は伊藤信吉氏の「あかるい朝、あたりにまぶしい光があふれ、それが戸口にさす。誰かがおとずれて、誰かと言葉を交しているかのような光の美しい情景を―」という説明を早合点して、宝石が一面にばらまかれたようなイメージを描いていた。ところがその後、宝石は一個で、それがころころと転がるイメージだと誰かから聞いたことがある。この点についていつか西脇さんに質したところ、「覆す」という大袈裟な行為と「宝石」という一つずつ蔵われているはずのものと、本来結びつくはずもないところに、面白さがあるのだということであった。(上誌河村正敏「別世界の人」307頁)
 筆者は今はなぜか渋澤龍彦の絵画的世界をイメージしてしまう。それにしてもどういう朝か―。
モダニスト、脳髄の詩人、絵画の詩人、イロニー・パロディの詩人、超然とした詩人、淋しき詩人、幻影の人そして英文学者、詩論家等々。

 まずは土のセシウム量りプレイボール甲子園の道が始まる

の短歌(2011年8月14日朝日歌壇佐々木幸綱選冒頭)の作者S先生(西脇順三郎研究家)の解釈はいかに―。(『西脇順三郎のモダニズム 「ギリシア的抒情詩」全編を読む』に詳しい)去年の某文化講演会でも話されたと思うが、筆者は用事もあってまともに聴いていなかったのだ!
 今その時のテキストを読み返している。先生の『西脇順三郎研究資料集』が待たれる。エピソードがたくさんお持ちの詩人にこの辺もフォローして欲しい。
上記の「英語青年」にもある女性研究者が堀口大學との激論で、ついにHORIGUCHI-SANをORIGUCHI-SAN(折口信夫に影響を受けた)と何度も読んで相手の堀口大學を怒らせ、しばし沈黙した後ORIGUCHI-SANはフランス語読み(フランス語のHは発音しない)ですと苦しい言い訳をしていたとか。その昔「現代詩手帖」が西脇順三郎を特集した記事があって、座談会か何かだったと思うが、すごい詩人なのに可笑しさも超一流だと思ったものだ…。それにあまりにも有名なお話は、ラテン語の卒論の話(このコラムのどこかで書いたかも知れないので省くが知りたい方はS先生にお尋ねあれ)、S先生、その原本、否コピーでもお探し頂いて「資料集」に西脇順三郎エトセトラと項目を付け加えて出されたら最高。そうしたらすぐにでも購入したい。


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