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超人の面白読書 87 雑誌『文學界』2011年5月号掲載の津村節子作「紅梅」を読む 4

 回想の続き。実家に帰った折りに育子の姉が、そんな酷い目に合わした夫とは即離婚と。小説を書くなどという非生産的な男と一緒にいても、幸せになれないと言う。最近その姉が、ひょっとすると、ひょっとするかもしれない、こんな苦労をさせられたんだから、今別れたら損をすると言っていたのを覚えてないのと言われる。
行商後は狛江のアパート暮らし、引っ越しにも疲れたので定住地が欲しかったと育子。昭和34年、育子の初めての小説が映画化され、また、夫の短編も映画化されたので思い切って一軒家を買う。それが前述した吉祥寺の家だ。女は家が欲しいか。なかなか含蓄がある。
 夫の北海道立文学館の講演中(北海道には取材で150回以上行っていて長崎の107回を越える。作品は20作を越えるという)、釧路を舞台に衝撃的なデビューを果たした先輩の女流作家と会う。
11月30日三度目の入院そして退院。子供も成長していなくなった今、夫の病気のことも考えてシルバーマンションに入るかと、育子はあくまで現実的に事の処置を考える。シルバーマンションも不動産と思っている夫と意見が合わず、夫は黙る。
 暮れの慌しい日々も過ぎ、2006年が明ける。三が日が過ぎ夫は病院へ。舌癌の手術を選ぶ。
佐渡の歴史家の葬式に出た帰りに、編集者を越後湯沢駅前のホテルに招待して育子の喜寿祝い、その後マンションで寛ぐ。夫のご苦労様の声に妻の育子は照れ笑い。最後の招待旅行となる。
佐渡とは同人雑誌時代に金山の地底で働く無宿人の物語を連載したり、また、夫が文学賞の四度目の候補になった作品も佐渡の石地蔵の群れを扱っていたりと繋がりが深い。金山に詳しい新聞記者上がりの歴史家の葬式では世阿弥を書いた著名な作家も来ていたなど佐渡行きを回想する。
 PET検査で夫の膵臓癌が見つかる。今度は子どもたちにも告げる。夫が好きな池の鯉がまた一尾死ぬ。
入院前に一仕事したあと私立病院に入院。6時間かけて膵臓癌の手術をする。家族が手術前と後に担当医から説明を受ける。育子が病院に行った日に抜糸、舌癌は完治した模様。

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