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超人の面白読書 85 読みかけの本や雑誌 寸評 5

■保苅瑞穂著『ヴォルテールの世紀 精神の自由への軌跡』(岩波書店 2009年刊)は図書館から借り出して読んでいた本。リスボン地震に関するヴォルテールの詩が一部掲載されている。実はこの詩を読むためだったが。この本の冒頭にはポール・エリュアールのこんな言葉が掲げられている。

わたしが生まれてきたのは、あなたと知り合って、あなたに名前をつけるためなのだ、自由という名前を。
16世紀に始まるフランス・ユマニスムの根底にあるのは、精神の自由である。ヴォルテールが根っこからの自由な精神の持ち主だったことは、この本のなかで再三話したことであるが、その自由ゆえに、偏見のない眼で、絶対王政下の社会に根ついた制度や慣習の歪みを見きわめて、それを悪弊として糾弾することができた、あの批判的、攻撃的な姿勢が生まれたのである。しかし、かれが素晴らしいのは、その姿勢が、攻撃的とはいっても、怒りで硬直するのとは反対に、批判の対象を笑い飛ばす精神のゆとりを保っていることである(著者あとがきP.465〜P.466)。中略。
人類が愚行をくりかえしているかぎり、読み返すべき文章、それがポール・ヴァレリーの「ヴォルテール」と題した一篇だと著者は言うのだ。
それで、2010年6月刊のポール・ヴァレリー著/恒川邦夫訳『精神の危機 他15篇』(岩波文庫)を買い求めて、ヴォルテールの章を読んでみた。1944年12月10日、ヴォルテール生誕250年を記念してソルボンヌで行われた講演。2回読んだ。1944年当時―第二次世界大戦末期なのだが―のヨーロッパの状況が予備知識として要るようだ。ポール・ヴァレリーはこの講演を次のように締めくくっている。
かれらは自分のしていることが分かっていない。

どこかの国の電力会社、政府関係者、役人に通じる金言だろう。
それにしてもヴォルテールは掴みどころのない傑物、型破りのユマニストだろう。

あなたは“ボルテージ”が上がりましたか?

追記。“ボルテージ”が上がったのは筆者の方かも知れない。今日ついに古書店の店頭で『世界の名著 ヴォルテール デイドロ ダランベール』を300円で買いました!もう一つの古書店では600円でしたが。2011.6.7

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