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超人の面白読書 76 カレル・チャペック 6 余滴

 カレル・チャペックの『北欧の旅』には、フィンランドやアイスランドは含まれていない。“オーロラ”の記述もない。しかし、この旅には偏執狂的な植物や鉱物それに自然への眼差しがある。今や日本も含めてBIODIVERCITY=生物多様性の時代に入った。直近では名古屋採択が良い例だ。カレル・チャペックは、70年以上前に自然と平和についてよく考えていた知識人の一人だ。この『北欧の旅』にもノーベル文学賞の候補者だったらしく、現にオスロでは記者会見も開かれたと訳者あとがきに記されていた。
 今回筑摩文庫の新訳で読んだわけだが、一番印象的なことは、著者自身の文体の日本語への翻訳が難しかったのではと感じたことだ。訳者は北欧の地名の表記の訳に苦労したと書いていたが、今また地名が新しく表記されている。厄介だ。
 カレル・チャペックのユーモアとイロニーはこの本の味わいをさらに深くする。現代人の我々にも共感できるし、決して古ぼけてはいない。むしろこの旅の記録はある意味で普遍性すら保っているように感じられる。観察の鋭さそれに文明史観が隠されているのだ。

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