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超人の面白読書 73 三浦哲郎著『忍ぶ川』 1

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 去る8月29日に鬱血性心不全で死去した作家の三浦哲郎。享年79歳。短編小説の名手だった。その芥川賞作品『忍ぶ川』を新潮文庫版(昭和41年8月10日、5刷。定価130円。古本価格:210円)で読んだ。映画化やテレビドラマにもなった戦後文学の傑作である。
 ストーリーは単純だ。料理屋『忍ぶ川』に勤める志乃に私大生が一目惚れし、ある日木場にデートに誘い、そこで志乃の秘密を知る。志乃は廓洲崎の射的屋の娘で戦後すぐ家族は栃木へ疎開。私大生は6人きょうだいだったが、姉や兄が自殺や失踪をしていて、残ったのはすぐ上の姉と末っ子の自分だけ。彼はその事実に戦き悩んでいる。友人から志乃には婚約者がいることを知り、志乃に糾す。そのことが却って私大生を本気にさせ、やがて栃木にいる志乃の失意の父親の最期に立ち会い、結婚を誓う。北東北の雪が多い地方の出身の私大生が実家に志乃を連れて行き、両親や姉に紹介、そして家族だけの小さな結婚式をあげる。翌日近くの温泉場に一泊二日の新婚旅行に出かける。その汽車の窓から眺める雪の中の家に自分の家を見つけたと叫ぶ新妻の志乃と周りを気にしながら赤面している夫の私大生―。この小説はここで終わる。


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