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超人の面白読書 72 村上春樹著『風の歌を聴け』 1

 この8月下旬にオスロの「文学の家」で村上春樹フェスティバルがあったことはすでにこのブログで触れた。本人も短い講演をした。そのブログのアクセスは上位にランクされている。また、このところ毎年のようにノーベル賞文学賞の候補者にもなっている。今一番旬の作家だ。『1Q84』は1、2併せて230万部以上も売れた。作家の新作を出す演出も手伝って効果は抜群、そのせいでもないと思いたいが、版元のPR雑誌が以前よりずっと分厚くなっている。これは図書館で確かめた。印税計算など下世話なことだと知っていても、こう売れてしまうと計算したくなるのが人情だ。
 今日「群像新人文学賞」(筆者的には懐かしい雑誌!)が載っている文芸雑誌のバックナンバーを借りにいつもの図書館に立ち寄った。ついでに村上春樹の『風の歌を聴け』の単行本の表紙など少し見たいと考えて図書館の職員に訊ねたが、分館も含めて15冊所蔵している全てが貸し出し中との事。さらに予約者もいる。30年前の本が未だに人気があるのだ。一つにはその単行本が絶版ということもあるかも知れない。
借り出した雑誌「群像」を電車の中でぺらぺら捲った。若いころは「群像」を定期購読していたが、いつの間にか止めてしまった。この号は村上春樹が「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を取った号なのだが、同じく評論部門で富岡幸一郎も新人文学賞優秀作を取っていた。意識の暗室―埴谷雄高と三島由紀夫論だ。当時は読んでいたかも知れないがすっかり忘れていた。これも再読(?)しよう(『死霊』の難解さは、言葉が〈沈黙〉の領域に浸透していくときに、言葉の機能が剥奪され、〈沈黙〉の膝下で限りない同語反復に陥るところに要因が求められる。なるほど―。作者23才の作品だ。仏文専攻だけあって、かつて筆者も読んだ作家の引用が散りばめられている。フランス以外の哲学者、ヴィトゲンシュタインやシオランの引用もあって懐かしかった。三島由紀夫の作品については語る資格はないが)。もう一人、「文学の週末について」を書いた宇野邦一もいた。
 ということで、村上春樹氏の初期はどうだったかを少し思い出したくてこの雑誌「群像」1979年6月号を借り出した。少し前には村上龍の『限りなく透明に近いブルー』の新風俗や村上春樹受賞の直前の受賞者は、『海を感じる時』の中沢けい、最年少の10代の受賞でそのひらがなの多用と子宮感覚が話題をさらった。それは新鮮かつ鮮烈だったことを覚えている。村上春樹の『風の歌を聴け』はどうだったか―。

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