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超人の面白読書 62 黒川鍾信著『東京牛乳物語』

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この本は約10年前に書かれた本である。副題に和田牧場の明治・大正・昭和とあるように著者の母方の家族史、しかも女優の木暮実千代を叔母に持つちょっとハイカラな自分史でもある。筆者は今あるテーマで愚作を書いているが、所々場面展開に必要な箇所を確認する必要があって、図書館などに資料探しに歩いている。その中で見つけたのが本書。初めはどうせよくある自分史かと知りたい写真だけでもと図書館から借り出した。ところが、一読して面白いのである。ついつい著者の“モー駄目”のダジャレに惹かれて夢中になって読んでしまったのだ。著者の筆力恐るべし。
 叔母たちが語り部のこのノンフィクションは、明治、大正、昭和そして戦後の一時期まで酪農・乳業を生業として生きたある家族の歴史を愛情をもって追っている。

   牛飼が歌よむ時に世の中の新しき歌大いにおこる

 あとがきで著者が、『野菊の墓』の作者伊藤左千夫の墓参時に石に刻まれた歌を読んだのがこの歌だ。牛飼が歌を読み小説を書いた。そこに著者は惹かれた。英国詩が専門の著者ならではの発想である。そう言えば、芥川龍之介の父親も酪農・乳業を営んでいて東京でも指折りだったと本書で言及している。〈続く〉
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