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超人の面白読書 46 堤未果著『ルポ 貧困大国アメリカ』 6

 その昔自衛隊勧誘が盛んだったことを本当に久し振りに思い出した。この著者が言うには今日本でも高校生をターゲットに始まっているらしいのだ。アメリカではレイムダック状態のブッシュ大統領がイラクから今度はアフガ二タンに増派すると発表したばかりだ。泥沼化の一途、また死傷者が出るのだ。平和はいつ来る・・・
 軍のリクルーターの手の込んだ高校生勧誘のリポートは第4章、出口をふさがれる若者に詳しい。ここでは小見出しを拾おう。「落ちこぼれゼロ法」と言う名の徴兵政策、経済的な徴兵制、ノルマに圧迫されるリクルーターたち、見えない高校生勧誘システム「JROTC」(Junior Reserve Officer Training Corp)、軍の第二のターゲットはコミュニティ・カレッジの学生、カード地獄に陥る学生、学資ローン返済免除プログラム、魅惑のオンライン・ゲーム「アメリカズ・アーミー」、入隊しても軍隊から抜け出せない、帰還後にはホームレスにが第4章の小見出しで追ったあらましだ。続いて第5章は世界中のワーキングプアが支える「民営化された戦争」。「素晴らしいお仕事の話があるんですがね」の誘いに乗った男性の告白記事。経済的困窮からリクルーターの誘いで軍に入隊、その後イラクへ。トラックでの搬送業務に就き、そこで身体の異変に気づき帰還、治療生活へ。更なる経済的試練が待ち受けたと言う話。「これは戦争ではなく派遣という純粋な戦争ビジネスです」、ターゲットは世界中の貧困層、ここでは派遣会社からブルックリンに住むフィリピン人への軍への誘いの話そしてバングラデッシュ、中国、インド、ネパールと広がっているらしい。しかも軍人ではないので軍法会議にかけられない法の網の目を潜る。更に小見出しは続く。戦争で潤う民間戦争請負会社、見えない「傭兵」、一元化される個人情報と国民監視体制、国民身分証法、州兵としてイラク戦争を支えた日本人・・・。
今何が起きているかを知ることと(無関心を装うな、主体性を持て)そして新しい眼で世界をとらえなおす視野が求められていると著者は本書を結ぶ。翻って日本、格差と貧困、教育と医療そして防衛問題等々問題は山積みなのだ。誰が首相になるかって、それより見通しの効く政策、そして実行力を伴った政治力が今こそ問われていると思うのだ。アメリカだって大統領選真っ只中だが、スキャンダル合戦はいただけない。今日だって凄いニュースが飛び込んできたのだ。サブプライム問題で大手証券会社のリーマン・ブラザーズが破産申請を出したニュースだ。アメリカはやはり病んでいる。今朝のアメリカのABC放送で元FRB連邦準備制度理事会議長のインタビューが報道されていた。こんなことは100年に一度起こるか起こらないかの出来事だ、バブルだったのだと・・・。しかしその代償は少くないはずだ。
 本書には刺激される事柄が多かった(一部加筆訂正 9月15日記)。
追記。この本は現在15刷、19万部。著者は今年のエッセイスト・クラブ賞を受賞し、どうすれば人間的な社会を守り育てていけるのかが新作のテーマだと毎日新聞夕刊(2008年8月22日付)「本の現場」で語っている(2008年9月24日 記)。

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