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超人の面白読書 35 岩波新書『翻訳家の仕事』

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  岩波新書『翻訳家の仕事』を読み終えた。去年の秋頃買い込んだ1冊だが、鞄に持ち歩いて主に電車のなかでの読書だった。読み終えたのは東急田園都市線の車中だ。本書は2003年5月から2006年5月まで37回にわたって雑誌『図書』に連載された「だから翻訳はおもしろい」に一つの区切りをつけ、まとめたとまえがきにある。筆者は時々書店のレジなどから頂いた『図書』を捲っているので、この37人のいくつかは読んでいた。しかし記憶は不確かなもので些か鮮明さに欠ける。それも“加齢”のなせる業なのか。あれっ、多和田葉子、えっ、伊藤比呂美、ってな具合にだ。池内紀のドイツ文学、沼野充義、亀山郁夫のロシア文学、小田島雄志、柴田元幸、青山南、金原瑞人の英米文学、鼓直、野谷文昭のラテンアメリカ文学、宮下志朗、西長良成、野崎歓、鈴木道彦のフランス文学、アレッサンドロ・G・ジェレヴィーニ、米川良夫のイタリア文学などその道の専門家がズラリ顔を出していて見事だ。それぞれ翻訳の秘訣、秘密、可笑しさ、苦しみなどが平易な文章から伝わってくる。いずれにせよ簡単にできる翻訳はないという自明の理に行き着くのだ。これらの翻訳エキスパートは難産のうえ一冊の翻訳書を産み落とす。それは苦しければ苦しいほど、一方でさらなる達成感なり快感が増すだろうことは容易に想像がつく。それだけ理に合わない商売なのである。ある翻訳家は再版しなければ翻訳料金は時給850円だろうとぼやく。だから翻訳だけの生業では家など建たないので、大学機関などに属しながら翻訳を続けているのが現状だと外国人の翻訳家も書いている。<続く>

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