超人の面白読書 130 小冊子『神保町が好きだ!』第11号 特集 神田神保町書肆街考 4

神保町の新刊書店、古書店、版元それに取次店4者の座談会の中である古書店主の話が面白く印象的だ。

酒井 小学生のときからランドセルしょって口笛吹きながら通っている生意気な子どもがいたけどね。何十年も前に何千円も買っていったのでびっくりしました。今はかなりの個人コレクターになりましたけどね。ある銀行の担当者も、彼はまだ30歳前だけど、小学生の頃から神保町に通っていたとかで、神保町の支店に転勤になって嬉しいとしょっちゅう歩いていますよ。有名な大名の末裔です。そういう人もいるんです。

他にも神保町を舞台した朝ドラを制作したらなど現場からの声に耳を傾けたくなるような話が満載、しかも手軽に読める。必ずしも安泰としてはいられない神保町本屋事情も解って、本好きな人あるいは予備軍さんよ、ネットばかりに頼るのではなくもっと書を探しに神保町を闊歩したらいい。鹿島茂の『神保町書肆街考』はそういう人たちにとって確かに応援歌になり得る一冊である。神保町もだんだんと違った業種に侵食されつつあるが、そこは雑多な文化の香りも良しとし共存共栄を図って生き延びてほしいものだ。

下記は本文から明治期の三省堂書店と大正2年の一誠堂の写真。何とも風情があるではないか。当時の書店さんの様子が手に取るようにわかる。家屋にもその時代の特色が出ていて面白い。

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超人の面白読書 130 小冊子『神保町が好きだ!』第11号 特集 神田神保町書肆街考 3

神保町も来年1月から「神田神保町」と神田が付く地名に変わる。二文字増えていろいろと大変なことも。住所表記を直さないといけないからだ。それはともかく神保町は神保某の地名に由来するが、鹿島茂氏が描き出した界隈は、古本の街の歴史だがそれより何より大学街としての神保町を浮かび上がらせたことだ。社史や大学史それに区史などを駆使して幕末からの神保町の変遷を辿っている。博識な著者の面目躍如といったところ。池上彰ではないが、ああ、そうだったのか、神保町さん、といったところが随所に出てきて興味が尽きずまた、教えられることもしばしば。トレビアの噴出である。
さて、小冊子から筆者の目に留まった箇所を抜き出してみたい。

鹿島 明治42年からある(筆者注: 主語はランチョン)。1972年、3年にランチョンが火事になった時に、僕の友人がその前を通るとビールを持って逃げ出してきた吉田健一に遭遇したそうです(笑)。

森 中央大学の先生でしょう。テストの採点をランチョンの人にやらせて自分はビールを飲んでいたとか(笑)。その話を書いて見せに行ったら、そこだけは書かないでくれと言われたことがありました。

吉田健一は文芸評論家、英文学者、作家でエッセイスト。あのぎょろっとした眼と目立つ鼻、それでいて英国紳士を地で行くような独特な風貌が懐かしい。旧字体で句読点の取り方がユニークな、くねくねした文章を書いた。当時筆者は『ヨオロッパの世紀末』のタイトルの“ヨオロッパ”の表記に不思議な匂いを感じたものだ。

鹿島 (中略)なぜ私立大学ができたかと言うと、東大が明治初年に外国語教育を英語だけに統一する方針を打ち出したからです。フランスやドイツで学んだ人たちの行き場がなくなってしまった。それでフランス留学組が明治大学、ドイツ留学組が日本大学の前身の法律学校を自分たちで作った。一方、英米のロースクールに留学した人たちは、官史養成の東大の法学部とは異なる弁護士養成のためにイギリス留学組が中央大学、アメリカ留学組が専修大学を作った。東大の英語統一が色々なところで余波を与えている。

森 どうして英語に統一したんでしたっけ?

鹿島 それは英独仏の3ヵ国語の授業があれば教師をたくさん雇わなくてはならないから。一人にたくさん授業をやらせる大学経営の簡略化です。これで日本の文化も随分変わったでしょうね。私立大学ができたから良いけれども。

ここには日本の大学の黎明期の話が手短に示されている。大学の成り立ちとつながりが解って面白い。いま大学では英語による授業が盛んになってきているが、その他のドイツ語やフランス語の衰退が叫ばれて久しい。その代わりに中国語の台頭が著しい。ヨーロッパの魅力が薄れているということか。インターネットの急速な普及が英語の世界的な制覇に拍車をかけた格好だ。多様な言語の活用がもっとあってもいい。

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2017年ノーベル文学賞受賞者式 日系英国人作家カズオ・イシグロ氏のスピーチ

下記は昨夜(12月10日)スウェーデンのストックホルムで行われたノーベル賞受賞式でのノーベル文学賞受賞者・日系英国人作家カズオ・イシグロ氏のスピーチ。

Kazuo Ishiguro - Banquet Speech
Kazuo Ishiguro's speech at the Nobel Banquet, 10 December 2017.

Your Majesties, your Royal Highnesses, ladies and gentlemen.
I remember vividly the large face of a foreigner, a Western man, illustrated in rich colours, dominating the whole page of my book. Behind this looming face, to one side, was smoke and dust from an explosion. On the other side, rising from the explosion, white birds climbing to the sky. I was five years old, lying on my front on a traditional Japanese tatami floor. Perhaps this moment left an impression because my mother's voice, somewhere behind me, was filled with a special emotion as she told the story about a man who'd invented dynamite, then concerned about its applications, had created the Nobel Sho - I first heard of it by its Japanese name. The Nobel Sho, she said, was to promote heiwa - meaning peace or harmony. This was just fourteen years after our city, Nagasaki, had been devastated by the atomic bomb, and young as I was, I knew heiwa was something important; that without it fearful things might invade my world.
The Nobel Prize, like many great ideas, is a simple one - something a child can grasp - and that is perhaps why it continues to have such a powerful hold on the world's imagination. The pride we feel when someone from our nation wins a Nobel Prize is different from the one we feel witnessing one of our athletes winning an Olympic medal. We don't feel the pride of our tribe demonstrating superiority over other tribes. Rather, it's the pride that comes from knowing that one of us has made a significant contribution to our common human endeavour. The emotion aroused is a larger one, a unifying one.
We live today in a time of growing tribal enmities, of communities fracturing into bitterly opposed groups. Like literature, my own field, the Nobel Prize is an idea that, in times like these, helps us to think beyond our dividing walls, that reminds us of what we must struggle for together as human beings. It's the sort of idea mothers will tell their small children, as they always have, all around the world, to inspire them and to give themselves hope. Am I happy to receive this honour? Yes, I am. I am happy to receive the Nobel Sho, as I instinctively called it when, minutes after receiving my astounding news I telephoned my mother, now 91 years old. I more or less grasped its meaning back then in Nagasaki, and I believe I do so now. I stand here awed that I've been allowed to become part of its story. Thank you.
ーノーベル賞委員会公式ホームページより
また、12月7日のカズオ・イシグロ氏の記念講演の内容や模様を見るはこちらへアクセスされたい。http://www.nobelprize.org

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超人の面白読書 130 小冊子『神保町が好きだ!』第11号 特集 神田神保町書肆街考 2

鹿島茂の『神田神保町書肆街考』は、『ちくま』連載時には読むのが楽しみなページで毎月ほとんど欠かさず読んでいた。その連載に多少加筆して分厚い一冊の本が出来た。目次は下記の通り。



1 神保町という地名
神保町の地理感覚 8

2 蕃書調所の設立
昌平黌と2つの官立大学 15
護持院ヶ原はどこにあったか 20
蕃書調所から洋書調所、そして開成所へ 27

3 東京大学の誕生
高等教育の始まり 34
まず外国語学校から 41
『高橋是清自伝』を読む 48
東京大学誕生の背景 54

4 『当世書生気質』に描かれた神保町
花街と丸善 62
淡路町の牛鍋屋 69
書生たちの懐事情 76



5 明治10年前後の古書店
古書店街を作った条例 84
有斐閣 90
三省堂書店 97
冨山房 104
東京堂書店 111
東京堂の取次進出 118
中西屋書店の記憶 125
中西屋のウィリアム・ブレーク 131

6 明治20年代の神保町
白樺派と東条書店 138
ピカロ・高山清太郎 145
セドリ事始め 152
『紙魚の昔がたり 明治大正篇』 158



7 神田の私立大学
明治大学 168
中央大学 175
専修大学 181
日本大学 188
法政大学 196
東京外国語学校と東京商業学校 203
共立女子職業学校の誕生 210

8 漱石と神田
成立学舎の漱石 219
坊っちゃんの東京物理学校 227

9 神田の予備校・専門学校
駿台予備校 236
百科学校・東京顕微鏡院・遊輪倶楽部自転車練習場・
東京政治学校・済生学舎 244



10 神田神保町というトポス
神保町の大火と岩波書店 254
神田の市街電車 262

11 中華街としての神田神保町
幻のチャイナタウン 271
松本亀次郎の東亜学校 279
中国共産党揺籃の地 286
古書店街は中華料理店街 293

12 フレンチ・クォーター
2つの三才社に集まった人々 309
仏英和高等女学校 317
ジョゼフ・ コット氏とアテネ・フランセ 324

13 お茶の水のニコライ堂
異様な建物 324



14 古書肆街の形成
大火以前以後 344
関東大震災の古書バブル 354
セリ市での修業 360
一誠堂の古本教育 368
九条家本購入始末 375
『玉屑』と反町茂雄 382
200軒の古本屋が並ぶ街 389
デパートで古書を売る 397
巌松堂から巌南堂へ 404
古書の街に救われた命 413

15 神田と映画館
三崎三座 421
神田パノラマ館・新声館・錦輝館・東洋キネマ…… 428
シネマパレスと銀映座 436
その後の東洋キネマ 443

16 神保町の地霊
駿河台のお屋敷町 453



17 戦後の神田神保町
『植草甚一日記』 466
空前絶後の古典籍の大移動 474
記録の人・八木敏夫 483
折口信夫と『遠野物語』の出会い 491

18 昭和40~50年代というターニングポイント
中央大学の移転とスキー用品店の進出 501
鈴木書店盛衰史 510
一ツ橋グループ今昔 518
現代詩の揺籃期 527
古書マンガブームの到来 540
サブカル・オタク化する神保町 547

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クロカル超人が行く 206 世田谷文学館「澁澤龍彦展 ドラコニアの世界」番外編

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世田谷文学館で「澁澤龍彦 ドラコニアの地平」を鑑賞しながら、展示品以外にも“あること”をきっかけに関心を抱いた。文学館の企画展会場の設営、多種多様なパネル、展示品や入れ物、レイアウト、映像や音響、貴重品の扱い、集客や注目度を上げるためのコーナーの仕掛け、順路(これが時として解り難い)、関連グッズなど所謂企画展構築はブランから実際の組み立てに至るまでの作業(格好良くいえば、感動的な空間プロデュース)ーそれは当事者の腕の見せどころとなるがーにはやはり並大抵ではない苦労があるはず。美術館や博物館それに文学館のイベントを扱う専門の業者が関わるとは思うのだが、どう造られていくのか興味のあるところだ。裏方の仕事に興味津々、それこそ達成感に向けた人間ドラマが展開しているのではと勝手に想像してしまう。いやいや、これは筆者の思い過ごしで専門業者に丸投げしているのが事実かもしれない。そうだ、こういうことは長らく美術館や文学記念館に携わってきた友人S氏に訊いてみた方が良いかも。
ところで、前に“あること”をきっかけにと書いたが、それは2階の展示入口から順路を辿ってちょうど中間地点にあった、澁澤龍彦本が約70冊くらい、確か4段にわたって配列された壁と一体型の奥行があまりない陳列棚だのことである。バックの壁と浅い陳列棚は白一色に統一され、透明なガラス(多分アクリル製)に覆われた澁澤本がことのほか映えていた。これこそback to the futureそのもの。見事である。それでこのスタイリッシュな陳列棚ががほしくなったというわけ。実は最近ある部屋の入口付近にこのような書籍用のディスプレイ シェルフを置きたいと探していたのだ。この陳列棚の前に立ってラフスケッチを試みた。今ある業者に依頼しようと思っている。
そう、世田谷文学館はしばらく改装のため休館していて最近再オープンしたのだ。それを知ったのはこの文学館を12月に入ってすぐに取材した【東京サイト】の動画でしかもユーチューブでだった。それによると大胆に模様替えしたみたいで、地元の作家たちの作品や遺品がディスプレイされていて以前とは格段に違い充実度が窺い知れる。知らなんだ!改装中なのは何かの用事のついでに現地に赴いて知っていた。今回の「澁澤龍彦展」の鑑賞後に館内を一巡すれば良かったと猛省。

ところで、芦花公園駅に来たついでに近くのラーメン店『アイバン』を覗いてみようと思い寄り道をした。以前に立ち寄って、もはやこれまでかと店の将来を心配したのだが、その後どうなったか確認したかったのだ。夕方の5時半過ぎ、果たしてその店はまだあるのか思い巡らしながら店に近づいた。店は夜の部がまだ開店前らしく看板文字を照らす灯りだけで半開き、よくよく見ると、あれっ、看板の文字が違っている、どういうこと、やはり「アイバン」ラーメン店は無くなっていて人の手に渡っていた? 暗い中店の貼り紙を恐る恐る読んで納得。貼り紙には秋刀鮪出汁のラーメン、アイバンラーメンで修行した者、と書かれていた。アイバン氏が弟子に譲った格好なのか。店の名前は「アイバン」ではなく「宣久」だった。6時開店なのでパチリと撮ってその場を後にした。当のアイバン氏は出身地のニューヨークでラーメン店を開いて繁盛しているらしい。

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クロカル超人が行く 206 世田谷文学館「澁澤龍彦展 ドラコニアの世界」続

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【写真: ⑧『高丘親王航海記』最後の長編小説。唐に渡り天竺をめざした9世紀日本の僧侶・真如(高丘親王)を主人公に長旅を綴った作品。⑨『高丘親王航海記』草稿と最終章「頻伽」】

渋澤龍彦略年譜と主要著作(図録P.266~P.274)☞「20171201181449.pdf」

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クロカル超人が行く 206 世田谷文学館「澁澤龍彦 ドラコニアの地平」

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【写真上から下へ: ①澁澤龍彦展チラシ ②図録 ドラコニアの地平 ③球体、円環への志向 ④「さようなら、土方巽」1986年1月 土方巽への弔辞 ⑤ジャン・コクトーからの手紙ほか ⑤金子國義・四谷シモンの作品 ⑦北欧神話 宇宙樹イグドラジィルの話と愛用のパーカー万年筆それに澁澤龍彦のネーム入り原稿用紙】②~⑦は『図録 ドラコニアの地平』(平凡社 2017年10月刊)より。

世田谷文学館で開催中の没後30周年特別企画「澁澤龍彦 ドラコニアの地平」を観に出かけた。10年前に横須賀美術館で開催された没後20周年記念イベント、「澁澤龍彦 幻想美術館」を観たが、今回はどんな展覧会になるか楽しみだった。また、美術館と文学館での展示の相違はあるのか、あれこれ思考を巡らせたのだ。その相違は歴然で、manuscriptの祝祭ともいうべきディスプレイ、書き記した夥しい数の生原稿の類が現前、ドラコニア(龍の世界)へようこそといった感じだ。鉛筆で書いた丸みがかった文字の原稿はとてもきれいで読みやすい。それにしても原稿、原稿また原稿のオンパレードである。約2時間鑑賞。興味深いところはいろいろとあったけれども、筆者が特に印象的だったところを図録(巻頭に菅野昭正「高丘親王航海記」讃、巖谷國士「澁澤龍彦と文学の旅」の好エッセーを掲載。展示内容を編集して反映している)から拾ってみた。

②見返しに黒を配して澁澤龍彦の世界をシンボライズしページ配置等細工を施した凝った本、その表紙。自分自身を写し出した鏡、キルヒャーの『シナ図説』、四谷シモンの「機械仕掛けの少女」ほか。帯には待望の大回顧展 公式カタログと書かれている。図録に挟み込まれた小冊子には妻の澁澤龍子さんと四谷シモン氏の対談があってなかなか読ませる。龍子さんから澁澤龍彦の日常が見えてきて何となく親しみが沸いてきた。食べ物や服の話など。著名人のエッセイも面白いが、その中でも芥川賞作家の諏訪哲史氏の澁澤龍彦評が秀逸。それはこのコラムの最後に引用したい。③球体、円環への志向のページには次のような言辞が。伸縮自在のマクロコスモスとミクロコスモスの観念を、二つながら手に入れることが必要ではないかと。円環志向はどこかの版元のモットーでもある。3つの矢を射る円環運動 : 異文化・文学・歴史統計。多分に澁澤龍彦の影響下にあるはず。マジナリアしかり。ついでに球体ほかオブジェに言及すると、地球儀、アストロラーベ(古代の天体観測器)、ウニの標本、ドライフラワー.鉱物、鏡、貝殻、小瓶のなかの玉虫等々。偏愛の賜物。④土方巽の弔辞、独特のかすれ声にひかれた。一つひとつ原稿を追った。文章も味わい深い。次を捲ると、右頁が土井典作「貞操帯」と左頁が雑誌『血と薔薇』。

⑤ジャン・コクトーの手紙。筆者的にはこの展示会で一番の収穫。便箋に万年筆で書いたジャン・コクトーのやわらかい文字が踊る。ブルーカラーのCher Tasso Shibusawaがいいね! like ! 澁澤龍彦、初翻訳はジャン・コクトーの『大股びらき』(白水社 1954年8月)だ。次頁は東京大学仏文学科に提出した卒業論文「サドの現代性」(1952年12月)⑥画家金子國義と人形作家四谷シモン、いわば、澁澤龍彦ファミリーの人たちの作品、「エロティシズム」と「天使ー澁澤龍彦に捧ぐ」⑦北欧神話を読み解くエッセイ、宇宙樹イグドラジィル(ユグドラシル Yggdrasill)に魅せられて。羽のデザインが特徴のパーカー万年筆、筆者の高校時代の一時期、当時の友人N男と万年筆談義に花を咲かせていた。専らボディの緑が特徴のドイツ製ペリカン万年筆をあれこれ話題に。買えないくせにカタログを弄っていた。もちろんスマートなアメリカ製パーカー万年筆も地元の大きなステーショナリーで特別に見せてもらったりした。パーカー万年筆もゲットしたが、胸ボケットにさしているうちに羽の部分が何かに引っ掛かって折れたりしたので、それ以来使っていない。やがて大学生になってモンブランを手に入れ、今も愛用している。モンブランのカタログでは一番先に登場するモデルだ。たまに銀座のモンブランの日本支社に行ってオーバーホールをしてもらっている。澁澤龍彦のパーカー万年筆は保管が良いのか歴史性を感じさせない。Good fountain-pen, good job ! 自家製原稿用紙には澁澤龍彦の「彦」の独特なのばし方に魅了される。遊び心たっぷりなところがいい。原稿用紙はそれこそ銀座の「伊東屋」に行って気に入ったものをゲットしたりしたが、筆者にはどうも馴染まない。きちんと文章を書くのが目的なのに、いやに升目の鉛筆文字の格好を気にし過ぎていたのかも。升目を埋める丸みのある澁澤龍彦の文字群を“見る”と、一見さりげなく綺麗に並んではいるが、どういうわけか不思議な魔力を感じざるを得ない。そう、野中ユリの作品「新月輪の澁澤龍彦」がそれを見事に表現している。筆者は横須賀美術館の「澁澤龍彦 幻想美術館」の最後にこの作品が飾られていたのをよく覚えているしまた、ずっとそれこそ頭を抱えて考えていたことも事実なのだ。構図の奇抜性(宇宙観・感、大きなものとちっぽけな眼差し、その対比のオモシロさ、『高丘親王航海記』の原稿の配置、幻想、闇考)だけではあるまい・・・。そして今、謎が少しずつ解けていくような、溶けていかないような、健全な暗黒世界に誘われている。澁澤龍彦はいつも無限の可能性を秘めているのだ。

さて、芥川賞作家諏訪哲史氏の図録に寄せたエッセイだ。最後の何行かを引用してこのコラムを締めよう。
「澁澤龍彦とは果たして人がいうような異端者であろうか。偏綺を愛する彼自身の本質とは天使の如き「聖性」だ。サドが時に聖侯爵と呼ばれるように、澁澤さんはいわば裏返された聖人であった。」(図録『 澁澤龍彦 ドラコニアの地平』P.261より)

世田谷文学館の「渋澤龍彦 ドラコニアの地平」の展示会の実際の様子はこちらへアクセスされたい。→http://s.webry.info/sp/mignonbis.at.webry.info/201710/article_2.html

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超人のラーメン紀行 213 千代田区猿楽町『神田 勝本』

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【写真上: 清湯(しょうゆ)そば 写真下: 清湯(しょうゆ)つけそば】

ラーメン店も新興勢力進出の時代だ。水道橋駅西口徒歩5、6分のところにあるラーメン店『中華そば 勝本』が、つい最近千代田区猿楽町に『神田 勝本』をオープンさせた。日貿ビルの一軒隣の錦華通り沿いだが、この神保町界隈は行列のできる讃岐うどん店、カレー店やラーメン店が犇めく激戦区、特にラーメン店は次から次へとできては潰れてゆく過酷なエリアなのだ。筆者が直近で見つけただけでも2店舗閉店していた。何味だろうが独創的なラーメン店が生き延びている。
さて、『神田 勝本』の暖簾を潜れば、和食屋か果ては寿司屋をイメージしてしまう木造りの店内が目に留まり、客さばきが上手な年配の女性が気忙しく動いているではないか。オープンキッチン、白衣の“私作る人”3人、右端に浅草開化楼の箱、カウンター後ろには煮干しの箱が所狭しと積み上げられている。券売機のメニューはシンプルだが解りづらいことも。清湯は白湯〈パイタン・白濁〉と並び、中華そばのスープの基本形で、本来〈チンタン・透明〉と読むがここでは〈しょうゆ〉と読ませて独特な淡麗系醤油ラーメン、中華そばを演出している。筆者は今日で3度目の訪問、清湯(しょうゆ)そば(730円)➡清湯(しょうゆ)つけそば(830円)➡清湯(しょうゆ)そばと多少替えながら食した。清湯(しょうゆ)そばは鶏ガラ、煮干しに鰹節などがミックスされた、柚子入りのやや甘い感じのするスープ。灰色っぽいストレートの中太麺がスープに馴染んでいる。豚ロースのチャーシューも柔らかく美味。トッビングは海苔が頑張っている感じで玉子はない。玉子入りは別メニューなのだ。驚いたのは清湯(しょうゆ)つけそばで、麺が太麺と細麺のグッド・コンビネーションで盛られていることだ(合い盛り。太麺と細麺の味を同時に楽しめる)それをやや濃厚なスープにつけて食べるのだ。カウンター20席のみ。そうそう、小料理屋でラーメンを食べている感じ。不思議発見である。こういうラーメン店もありか。(2016年4月5日 記))

住所 : 千代田区猿楽町1―2―4 電話 : 03―5281―6801 営業時間 : 午前11:00~午後9:00 定休日 : 日曜日
ラーメン店『神田 勝本』1.スープ★★☆2.麺★★☆3.トッビング★★4.接客・雰囲気★★5.価格★★

追記 先週の土曜日(2017年11月11日)の午後、『神田 勝本』
の前を通ったら人だかりが出来ていてビックリ。思わず並んだ数を数えてしまった。なんとその数51。この店によく通っている筆者には異変と映った。オープンしてから見てきて、確かに最近は客が多く入るようになってきたが、ここまではなかった。ひょっとしたらテレビの仕業かなと考えた。
で、翌週の火曜日(11月14日)に新規ラーメン店で食べていたとき店の男子の情報で判明。日テレ11月10日(金)放送の「沸騰ワード10」の番組(筆者は観ていない)で、ミシュランガイド2018の有力候補として八丁掘『麺や 七菜』に続いて『神田 勝本』が紹介された由。筆者が見た『勝本』前の行列は、テレビ放送の翌日だったのだ。
蛇足だが、八丁掘の『麺や 七菜』の近くにはカツカレーの『ロダン』もあって、八丁堀界隈は意外と食通には侮れないゾーンなのかも。(2017年11月16日 記)

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超人の面白ラーメン紀行 221 神田神保町『こうさぎ 』

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2週間前に出来たばかりのラーメン店『こうさぎ』で醤油ラーメン(750円)を食べた。スープはさっぱり系で麺はやや太系、小振りのチャーシュー、メンマにミズナとこの手の淡麗系では定番もの。味はまあまあ。醤油ラーメンのほかに担々麺も。昼時過ぎた時間帯のせいか客は疎ら。神保町はラーメンの激戦区なので一味違った美味なラーメンを提供してほしい。

神保町『こうさぎ』1.スープ★★2.麺★★3.トッピング★☆4.接客・雰囲気★☆☆3.価格★★


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超人の面白ラーメン紀行 240 銀座『伊藤』

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銀座7丁目に用事があり、40分ほど待つ間に近くにあったラーメン店『伊藤』に寄った。銀座でたまには昼食にラーメンも良いかと自家製麺が看板のこの店をチョイス。もちろん初めて。地下にあるカウンター6席、テーブル8席の落ち着いた感じの 、いわゆるa tiny ramen noodle shopだ。人気No.1の肉そば 小(750円)を注文。少し経って出てきた ラーメンを見て思わず呟く。量が少なすぎっ!これでこの値段、いやはや―。しかし、スープが少ない分麺が多く、しかも綺麗、これは珍しい。一振りのスープの味は煮干し醤油系だが一味かましたまろやかさだ。さらに中細麺ストレート、これが店のいうバリバリ感たっぷりで美味。かわいい4枚のチャーシューも超やわらか、憎いほど旨い。あとはネギのみのトッピングで極めてシンプルなラーメンだ。周りが黒基調のせいかどんぶりの白さがいやに映えた。完食。この店のほかに赤羽店や赤坂店もある。

銀座『伊藤』1.スープ★★☆2.麺★★★3.トッピング★★☆4.接客・雰囲気★☆5.価格★★☆

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超人の面白ラーメン紀行 239 平塚『泪橋』

平塚のラーメン店『泪橋』のしょうゆラーメン(650円)。

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写真のようにともかくこぼれ落ちそうになるほどのスープたっぷりの、昔懐かしいラーメンの味を堪能。スープ大好きの人間には堪らない。醤油ダレは甘系、細麺、トッピングはチャーシュー、生タマネギとミズナの極めてシンプルなラーメンだが、チャーシューは超やわらか、美味。シンプルだがコクが感じられる一杯。はて、このスープの正体は何かといろいろ考えながら食べた。女子2人と連れだった隣の男子が二郎系よろしくマンモスラーメン(800円)を楽しく食べていた。その形状のスゴいこと改めて感心させられた。
午後5時半始まりだと思って店に10分前に到着したが、5時半過ぎになっても開かなかったので店に電話をしたら、6時からと店主が一言。また30分待った。外にある券売機で食券を買ってようやく一番乗りで入った。外見は強面そうな感じだが、話してみれば気さくな店主だった。激戦区新橋駅の烏森入口近くでやっていたが契約が切れて4年前に平塚で再オープンした由。新橋では評判のラーメン店だったらしい。帰り際野性的な店主の風貌がどこかの焼鳥屋の若い店主と似ているなと少し親しみを感じた。
メニューは次の通り。つけめんor辛つけめん 小(750円) 中(800円) 大(850円)、マンモスラーメン(800円) 辛マンモスラーメン(850円) 塩マンモスラーメン(850円) カレーマンモスラーメン(850円) 塩らあーめん(650円)ほかぎょうざやもやしいためもある。

平塚『泪橋』1.スープ★★☆2.麺★★3.トッピング★★4.接客・雰囲気★☆5.価格★★★

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【写真上: たっぷりのしょうゆらーあめん 左下: 開店20分前の店正面 右下: 開店5分前に店主が点した看板】

追記 この店は休みがユニークで朝のテレビ番組で取り上げられたほど。ディズニーランドに行ってきますので本日は休みますとシャッターに貼紙をしたとか。

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超人の面白読書 130 小冊子『神保町が好きだ!』第11号 特集 神田神保町書肆街考

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台風が過ぎ去った日の朝は秋晴れそのもので清々しい。このところ週末に二度も台風が日本列島を襲ったから尚更だ。
神保町古本祭りは10月27日~11月3日まで開催中だが、前半3日は雨にやられた格好だ。どうやら今週は木曜日頃までは天気はもつようだ。関係者は天気に負けず一踏ん張りしてほしい。
さて、東京古書会館で見つけた小冊子『神保町が好きだ!』最新号は、かつて筑摩書房PR誌『ちくま』に4年にわたって連載された『神田神保町書肆街考』を特集している。対談や座談会形式でわずか34ページだが内容は面白くかつ刺激的だ。鹿島茂、逢坂剛、森まゆみ、飯澤文夫、江草貞治、亀井崇雄、酒井健彦、八木壮一のそれぞれの分野の本に関するオーソリティーが登場している。(続く)

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超人の面白ラーメン紀行 238 神田神保町『黒須』

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今年も始まった神保町古本祭り。その古本を漁る前に専大前、集英社の通用口の真ん前にある、隠れ家風のラーメン店『黒須』に寄った。たまたま読んだある小冊子の座談会で古本屋の店主が薦めていたので出掛けた次第。神保町界隈のラーメン店はこれで何軒目か、結構通って食べ歩いているがまだまだ奥が深い。それに最近特に新興ラーメン店の進出が多くフォーローするのもしんどい。
さて、初めて入る店は、定番のラーメンを頼むのが筆者の流儀だが、あえて少し高額の特製醤油蕎麦(1000円)に挑んだ。カウンター7席しかない、a tiny ramen noodle shopで待つこと7分、若い男子がつくり若い女子が運んでくれた特製醤油蕎麦、これまた筆者の流儀に倣ってスープを一啜りした感想はelegant and rich taste。淡麗系で西早稲田の『らぁ麺 やまぐち』似だ。やや甘味のある醤油を使い、更に香味油のほのかな匂いも醸し出す。麺はやや黄色味がかった細麺ストレート系でスープによく絡んでいた。トッピングの赤味がかったチャーシューはよく調理されていてやわらか、美味。ゆでたまごの硬さ加減もいい。刻んだネギやミズナそれに太めのメンマも見た目だけではなく味にもワンポイント彩りをつけた感じだ。完食。今度は塩や煮干蕎麦に挑戦したい。
営業時間: 11:00ー15:00のみ ! 定休日: 日曜・祭日

神田神保町『黒須』1.スープ★★★2.麺★★☆3.トッピング★★★4.接客・雰囲気★★5.価格★★

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夜、灯りが消えたばかりの神保町古本祭りの会場のある一角、『兵六』を右折した路地の『ミロンガ』でブレンドコーヒー(700円!)を啜った。

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追記 『黒須』再訪。今度は特製煮干蕎麦(1000円)を食べた。淡麗系究極のラーメンと言いたいところだが、如何せんダシが効きすぎた。少々硬めの麺ややわらかチャーシューは美味。ラーメンを極めたいという情熱が伝わる一杯。味にこだわり、1日100杯限定。(2017.11.16 記)

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超人の生真面目半分転生人語 最近の政治ショー 続

大型台風21号が関東地方に接近した22日の日曜日、衆議院選挙が行われた。悪天候にも拘わらず前回より2ボイント以上上がって戦後最低の投票率は回避。だが、開けてみてビックリ自民党の圧勝で小池“希望の党”は絶望の党化し、「選別」・「排除」から立ち上がった枝野“立憲民主党”の大躍進、公明党、維新の会、共産党が伸び悩みの選挙結果となった。東京新聞夕刊(2017年10月23日)によれば、自民280(290)、公明29(35)、立憲54(16)、共産12(21)、社民1(2)、希望49(57)、維新10(14)、こころ0(0)、諸派・無所属26(37)。()内の数字は公示前の数字。安倍総理は今回の選挙で、もりかけ問題解決、実感できない経済、消費税率引き上げ、原発問題それに格差や憲法改正などを遡上に乗せず、北朝鮮の脅威論や教育の無償化、子育て支援など国民にすり寄った公約で、はぐらかされたような選挙戦だった。にも拘らず、自民党の圧勝だ。阿倍総理率いる自民党に対して、小池希望の党がもう一つの保守としての立つ位置を明確にしながらも、充分な批判足り得ず自滅してしまった感が強い。小池希望の党への民進党との駆け込み合流でにわかにできた故の政治理念の未熟さと曖昧さが露呈した形だ。総選挙後の昨日、落選した小池百合子代表の側近の若狭勝氏がいみじくも「排除」はキツかったと語っていた。いやいや、“緑のタヌキ”と揶揄した自民党の輩もいたようだ。小選挙区制度がまたもや憚り野党の苦戦が強いられたが、一つ、共産党にみられる共闘が意外と新たな道を模索するきっかけを創ったかも。野党の統一的な戦いができればやがて面白い政治ショーがみられるか。マックス・ウェーバーの『職業としての政治』を持ち出した選挙特番のテレビ局もあったが、やはりstatesmanとpoliticianの違いを見せつけられた衆議院選挙だった。
20日間にわたって途切れ途切れに綴ったこのコラムも、この間身内に不幸があったりと非日常の世界も味わったが、政治に携わる人はやれ不倫だとか国会答弁が できないとか極めて不誠実な議員をそれこそ“排除”してほしい。いや、有権者が選ばないことだ。今回もそんな連中が当選している。小選挙区制のおかげと野党分裂で漁夫の利を得た自民党だが、この日本国はどうなっているのか、政治倫理が問われている。それより何より安倍首相のもりかけ問題の解決、これこそ問われている問題なのだ。もう一つ、原発問題はどこへ行った? (2017年10月24日 記)

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超人の生真面目半分転生人語 最近の政治ショー

10月に入ってまだ暑い日が続くかと思いきや、寒気が急にやって来た。昨夜は十五夜、仲秋の名月を雲の間から見えて予想外。月にはうさぎはいなかったが地上にはぴょんぴょん跳ねるうさぎがあちこちに。月が出た出た、とは何とのどかなことか。十五夜が見える縁側に季節の花の薄と一緒に備えられた団子を物色するため、悪ガキ隊がめぼしい家を回っては長い棒で突いて獲物をゲットして食べるスリル満点の、畏怖と驚嘆が複雑に絡み合うキッズゲームも懐かしい。ご馳走に預かりそうな家を探すのがミソなのだが。その風情は消えたが心象風景としては永遠だ。筆者などは年少組でよくやらされたものだ。
最近はショッキングな内外ニュースが入れ替わり入って来て、それこそ自分なりに整理するのがタイヘン。
9月に入って北朝鮮の挑発、アメリカの人種差別問題、イギリスのEU離脱問題、フランス大統領の不人気、ドイツメルケル首相率いるキリスト教民主同盟の辛勝、ロシアの不気味な政治的な動き、クルド人の独立運動、中国の習近平体制の異常なまでの政治基盤強化策、メキシコの2度にわたる大地震やカリブ海沿岸国やアメリカを襲ったハリケーンなどの自然大災害、スペインバルセロナの住民投票での独立宣言そして信じられない事件、アメリカラスベガスでのコンサート銃襲撃事件等々目まぐるしく世界のあちこちで重要なことが起こり、ニュースになって瞬時にオンラインで知らされる。
日本国でも安倍晋三首相が伝家の宝刀を抜いて突然の大義のない(自分では取って付けたような“国難選挙”と言っているが)衆議院解散を宣言、実りの秋の大繁忙期に600億円かけて馬鹿げた選挙に打って出たのである。野党の再編が固まらないうちに、もりかけ隠しを押し通して、自公が圧勝すれば国民の信任が得られたと憲法改正を急ぎ、憲法第9条に自衛隊明記ができると考えているのだ。ある議員の言葉ではないが“わが逃走”選挙だろう。で、先の東京都の都議会選挙で大躍進した都民ファーストの会率いる小池百合子都知事と、民進党の代表や他の保守系の議員が話し合いを持ち、新たに希望の党が誕生し、小池百合子都知事が代表になった。安倍晋三首相もまだ野党が再編準備中と踏んでいたのでこれは明らかに誤算、しかし、保守系新党の希望の党の小池百合子代表が、民進党全員を引き受けて民進党の解党→新党合流の流れになりかけたが、リベラル派や首相経験者は排除すると言い出し、新たに枝野幸男議員が代表の立憲民主党まで出来てしまった。9月28日から10月4日までの政界の地殻大変動劇は、国民のなかで選挙に勝ちたいばかりの国会議員のエゴが目立ち過ぎると筆者には映る。国民不在なのだ。何が何だかさっぱり分からないとぼやく有権者は筆者を含めて多いはず。保守対保守では自民党の補完政党で、政権取りを狙った動きと思っても政策的に違いのない政党集団を作ったに過ぎない。小池百合子都知事・希望の党代表よ、あまりにも急ぎて綻びも見え隠れしないか。細川護煕元首相も小池氏に苦言を呈しているなど気をもんでいる様子(2017年10月4日付毎日新聞夕刊)。2017年10月3日 記。

ここまで書いて少し各党の闘いぶりをみようと様子見していたら、新聞などの序盤戦のアンケート調査が出て、小池の希望の党が失速、枝野の立憲民主党が大躍進、自民党が300議席に迫る勢いという意外や意外の調査結果。政治は一寸先は闇とはよく言ったものだ。“排除”が有権者に予想外に効いて希望の党に風が吹かなかったか。まだまだだが、果たして終盤戦、どうなるか。(2017年10月17日 記)(続く)

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クロカル超人が行く 205 八丁堀欧風カレー『ロダン』のカツカレー

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八丁堀にある欧風カレー専門店でロースカツカレーを食べた(850円)。カツは揚げたてでサクサク、カレーは甘口の欧風。燻玉と小さめのじゃがいも半分もサイドに。手作り感たっぷりだ。店主はテレビのバラエティー番組に出てカツカレーを実際に揚げて供した。その食べ方コーナーで師匠のマッキー松元がカツカレーの究極の食べ方を伝授。①カツにルーをかけない②カツはフォークで半分にカット③重ねる順番で味が変わる。③の場合、ごはん、カツ、カレーと組み合わせが6通りあって、それぞれの味が楽しめる由(詳細はこちらにアクセスされたい。https://selfshot-digi.com)いざ食べる段階になると忘れてしまい、カツにカレーをかけて食べるといういつものパターンに。今度はフォークとスプーンを使って食べてみたものの、ぎこちなくステーキを食べるスタイルでナイフを探したが見つからず(ひょっとしたらフォークやスプーンが置いてあるところにあったか?)、結局はスプーンでカツを切りフォークで刺して食べた。ガツンと一切れ全部食べるのが普通かも。カツカレーと言えば、筆者的にはその昔白山上にあった洋食屋が思い浮かぶ。ステンレスの皿にカレーをたっぷりかけたカツカレーだ。今もそのイメージが強烈で頭から離れない。
『ロダン』のロースカツカレーは上記の写真のように見た目はきれいで美味だが筆者的にはもう少し辛いカレーが好み。フランス的な絵が飾ってある店内は15、6人が入れば一杯の昔風な雰囲気の店。券売機は外に備えてあって店構えもレトロ。入ってすぐにアジア系の女性に案内されたのにはビックリ。スタッフは店主ほか3名。店の昼終了時間の40分前に入ったが、この時間帯でも客が結構入って来る。これでカツカレーの店1位、2位を“制覇”。あとはキッチン南海のカツカレーか。キッチン南海のカツカレーはずっと昔に食べているはずだが。

追記 これが『キッチン南海 神保町店』のカツカレー(750円)。カツはサクサク、カレーは甘系。(2017年11月20日 記)

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超人の面白ラーメン紀行 237 御茶ノ水駅『なおじ 御茶ノ水店』

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2017年9月オープンの新潟のラーメン『なおじ』の御茶ノ水店。2010年6月に某大学大学院生の合宿に誘われて2泊3日の旅(新潟市内での学会参加→佐渡島での合宿)の途中に寄ったのが『なおじ』。ラーメンの下調べをして筆者が先生方他を誘ったのだ。この時は醤油味の「なおじろう」を食べたが、御茶ノ水店にはこのメニューがなかった。食べたのは「中華そば」(720円)だ。鶏ガラ+煮干しのダブルスープ、もちもち感たっぷりの太麺、やわらかいチャーシュー3枚それにメンマと刻んだタマネギの見た目はシンプル系だが味は背脂も入って濃厚。筆者的には新潟で食べた「なおじろう」の方が良い。
店はJR御茶ノ水駅を降りてすぐの駅隣接地で確かここはその昔洋酒酒場だったところ。2階に上がってみれば一目瞭然、木製のテーブルと椅子のユニークな形状に見覚えが。時代は変転するのだ。 JR御茶ノ水駅は只今工事中で2020年には新しく生まれ変わる予定とか。
JR御茶ノ水駅新潟ラーメン『なおじ』1.スープ★★2.麺★★☆3.トッピング★★4.接客・雰囲気★☆☆5.価格★★

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超人の面白ラーメン紀行 236 神田神保町『蘭州拉麺 馬子禄 牛肉面』

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中国甘粛省蘭州市(古くはシルクロードの要衝でイスラム系住民が多いところ)の蘭州拉麺日本第1号店が8月22日に神田神保町の老舗鞄屋『レオ マカラズヤ』の隣にオープンした。前から行列ができていて気になっていたラーメン店だが、正直言って中国系と少し敬遠していた。2日前に仕事関係で親しくしている部長さんが、筆者に神保町を歩いていたら行列のできている中国系のラーメン店ができたと少し驚いた様子で話してくれた。それで翌日の昼に思いきって並んで食べたのだ。
店一押しの牛肉面(880円)を注文、しばらくして供された色鮮やかなラーメンは見た目はグー(写真面左上)。面白かったのは麺が細麺、平面、三角麺から選択でき、しかもトッピングのラー油やパクチーの量も好みに応じて注文できるのだ。蘭州拉麺には大原則があるらしく、1.清 澄んだスープ 2.白 薄い大根 3.紅 ラー油で辛さを 4.緑 パクチーやニラの野菜系 5.黄 手作り麺の食感が基本で、牛骨スープに10種類のスパイスをまぜた薬膳風味(ハーブ系のコリアンダー)が特長だ。店の人にスープの出汁について訊ねると牛骨であとはいろいろとブレンドしているとのこと。確かに選択した細麺はイケるが、スープの薬膳風味が少し慣れるまで時間がかかりそう。トッピングのラー油は少なめでパクチーなしにしたのが幸いしたのか、散りばめられたニラの味を引き出していた。日本のラーメンのようには行かなかったが、味的には薬膳風味をモノにすれば良いかも。しかし、この薬膳風味が問題だ。好みが分かれるところだろう。筆者的にはこの味はイマイチ苦手。だから結局のところ蘭州拉麺は美味に近いが微妙。麺を少し残して中国蘭州拉麺の初挑戦は終わった。40人位入る中国情緒の漂う店内にはやはり中国人やアジア系の人たちが多く、中国語が飛び交っていた。ちょっとした異国感も味わえるのだ。奥の方の厨房では麺作りのパフォーマンスも見れる。開店は11時、スープがなくなり次第閉店とか。宣伝はしていないのに逆に取材されたとは店の日本人の男性の話。
この店ができる前は何の店だったか。2017年の神保町古本屋地図一覧では『神保町茶房』と書いてあったが、洋書などを扱っていた『タトル商会』はここにあったはずだ。10年以上前には。調べたら今は救世軍ビルの4階にあるらしい。このところの古本の街神保町界隈は店の出入りが激しく元あった店を思い出すのに一苦労する。そして一つずつ古本屋が消えて、カレー屋、ラーメン屋などの食べ物屋が増え文化の香りが薄らいでいる。

神田神保町『蘭州拉麺 馬子禄牛肉面』1.スープ★★ 2.麺★★☆ 3.トッピング★★ 4.接客・雰囲気★★ 5.価格★★

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遠い記憶 ある死その7 長男Y男の少し早すぎた死

栄枯盛衰世のならわしとは含蓄に富んだ言葉だ。一地方の小企業が昭和20年代後半でピークを迎えるとそれ以降は次第に地方に進出して来た大企業に駆逐されて行く。かつてのK家もその例に漏れなかった。日本国が大きく変化し高度成長を遂げ始まるきっかけをつくった昭和39年の東京オリンピック、その時期から遡ること4、5年前だったか。半商半農のK家は当時両親と男4人女2人の6人兄弟姉妹の家族構成で、生活は決して楽ではなく子どもたちは家業の手伝いを余儀なくされていた。春夏秋冬ほとんど休みのない子どもたちの家業の手伝いは、ある意味ではかけがいのない労働力を提供して家計を助けたはずだが、それでも家計は苦しく外に働きに出ざる得ない状況もあったのだ。遠い記憶はその家族の犠牲者となった一人の人物を否応なしに引き出す。シリアス映画のワンシーンそのもの。その人物こそ3日前に急死した長男Y男である。
ある夜のこと、珍しくK家では深刻な家族会議が玄関を入ってすぐの六畳の居間で行われた。子どもたちの前で父が家業の窮状を告げ、それに対して二言三言言ってすすり泣く母がいた。奥の納戸の前に座っていた長男に父がT屋に働きに出てくれと告げた。それが長男Y男とっての出稼ぎの始まりだった。要は長男故稼ぎの糧にされたのである。
家業がうまく行っている間長男長女は大事に扱われたが、せいぜい7、8才止まりだった。長女N子ともどものんびりした性格で育ちの良さも伺えるほどだ。その頃K家の洒落た薄黄色の小さな工場の裏には何本もの無花果の木と桐木があって、小学生だった丸坊主で制服を着た長男Y男がその無花果の木に登っておどけて見せた。無花果の木の下には笊に一杯の取り立ての無花果があった。弟たちに自慢したかったのかもー。それは家族の古いアルバムの一ページにモノクロの写真で収められていたが、はて、古い家が放火で焼失(そう、K男は実家が焼失し新築した時期は、青春時代のど真ん中でアルバイト三昧の日々。正直言って経済的にも全く余裕がなかった。だから実家の放火→新築の過程は分からず。しかし、家計を支えていたのは長男Y男夫婦だったのである)してからは、今実家を継いでいる末弟M男が持っているのか定かではない。かつてK家で働いていたH女史が撮ったものか、今となってはそれこそ遠い消えかえそうな記憶だ。そういう楽しい日々もあったのだ。それから何年か経って家業が傾き、前に書いたように長男の出稼ぎが始まったのである。
Here's an eldest brother in family history.
記憶はさらに違った局面も抉り出す。こんなこともあった。一つは何かの調子で父の逆鱗に触れ、長男Y男が当時家業で使っていた大きな冷蔵庫に小一時間閉じ込められたこと、また、地元の夕刊紙にも写真入りで掲載された台風余波中洲置き去り事件は、小さな集落の大事件で今もって語り草となっている。長男Y男の母が亡くなったあとすぐ彼の家に焼香に来てくれた友人の一人に、彼の叔父がその当時のことを尋ねていたので、やはり伝説化していて関係者の脳裏に焼き付いていたのだ。夏のある日、台風が近づいているにも拘わらず近所の同級生何人かとN川で水遊びをしている最中に、台風の影響で急にN川の水かさが増して流され、中洲に漂着したものの引き返しができず置き去りにされてしまった。通報を受けた消防隊員が助けに出て一命をとりとめたという、誠に人騒がせな出来事だった。それは今たがらこそ笑える話だが一歩間違えば命を落としかねない非常事態だ。幼少期の苦い思い出だろう。
長男Y男はその後仕事を替えてサラリーマンになった。ある時期から請われて叔母夫妻の青果店の店長として働き独立、すでに結婚していて夫婦ではじめた青果店だったが、Y男はその事業をU駅近くのショッピングセンターの中でしばらく続けたが、立地が悪いのか客足が今一でうまくいかなかった。それと自分たちではじめた青果店だが以前に働いていた青果会社の叔母たちが役員に入り、まだ事業が利益を十分に出させずにいる段階でそれなりの報酬を払っていたことも経営を圧迫していたのかも知れない。これはK男が長男Y男から実際に聞いた話で、今だから書けるが、叔母にはこの役員報酬の話は内緒にと口止めされていたのだ。長男Y男にも遠慮があったのだ。そこはビジネスと割り切って事業が軌道に乗るまで凍結してもらっても良さそうに思うが、見栄というか独立するときの条件か何か柵があったのか、門外漢のK男には分からないままだ。それはどうだろう、K男が想像するにビジネスの基本で最も重要なことだが、計画的な事業遂行が見通せなければ撤退も仕方なしの大原則の決断を踏襲することなのだが、これができなくずるずるとさらなる悪化を招いてしまったのだと想像する。経営悪化の泥沼化だ。確かにどのタイミングで決断を下すかがなかなか難しいことなのだが。会社経営している人たちが攻めの営業展開するより守りを固めることがもっと難しいかよく知っていると思うのだ。長男Y男はこのビジネスの総合的判断からして見通しの甘さを露呈した形だ。時すでに遅しー。生前Y男の叔母がどういうつもりで言ったか知らないが、K男に「Y店長は計画性がないね」と言っていたことを思い出す。若い頃から一家の長として自分のやりたいことがままならないジレンマと闘ううちに(それは経済的な理由で満足に上級学校に進学できなかった無念さもあったことは容易に想像がつく)、自然と「仕方がない、今日を生きさえすればいい」という刹那的な見方や諦観や無常観が芽生えていたのだろう。さらに長男Y男が母から子どもが授からないことを咎めらたとK男に話していたこともあった。そのことも長男Y男の諦観や無常観を助長したものと思われるのだ。優しい繊細な男の心情を慮る配慮がK家には不足していたのかも知れない。今でいう家族のコミュニケーション力が足りなかったのだ。家父長制が多分に残っていて長男長女の両親にもそれなりの重荷に耐えた歴史があったからこそ、母の言葉も自然と出てきたことなのかも知れない。跡継ぎ問題はどこの家庭でも重要なテーマだ。K男が思うに、そこには母の表面的な取り繕った構えた仕草ではない、もう一つの子どもに対する深い愛情に支えられた仕草があってしかるべきだった。母にその感情があったなら長男K男のその後の生き方も柔らかな肯定的な人生を歩んだはずだ。かつて帰省したときなど送迎の車の中で、家督を譲ってもいいと言っていたのを思い出す。それは諸事情が重なって嫌になっていた時期だったかも知れない。これも遠い記憶、消えかけた記憶の一つだ。そして長男Y男は青果店つながりで運送屋に。それから細君と惣菜店を営み、その商売が上向き出した時期に病に倒れた。心身ともどもボロボロだったかも知れない。70才の生涯だった。少し早すぎた死だ。せめて人生の帳尻が合う時期まで生きて欲しかった。あと10年はー。さぞ無念さが残る一生だったとは本人が一番知っていたかも知れない。酒、タバコそして競輪のギャンブルもやった。あまりにもあまりにも人間的であった。波乱万丈ともいえる長男Y男に長年連れ添った細君T女史には大感謝だろう。苦労が絶えなかったはずだが明るく振る舞ってくれた。
K男は小さいときから長男N男とは何となく少し距離をおいていた。とことん話し合ったことは一度もなかった。多分相互に干渉されたくない関係を保ちたかったのだろう。しかし、彼の人生を他山の石としたい。そして、作家梅崎春生の言葉を贈ろう。「人生 幻化(げんけ)に似たり」。ありがとう。Y男兄さん。さようなら。安らかにお休みください。合掌。
(2017年10月9日 記 10月10日修正)

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今年のノーベル文学賞は英国の日系作家カズオ・イシグロ氏に

今年のノーベル文学賞は英国の日系作家カズオ・イシグロ氏が受賞。受賞理由の英文は次のようだ。
“Who, in novel of great emotional force, has uncovered of the abyss beneath our ilusory sense of connection with world.”「世界と私たちがつながるという幻想の下、暗い深淵を感情豊かな力のある作品で明らかにした」としている。残念ながら今年も村上春樹氏の受賞は見送られた。下記はスウェーデンの小さな新聞『8 sidor』(5 oktober 2017 )から。

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Författaren Kazuo Ishiguro
får Nobelpriset i litteratur.
Han är född i Japan
men bor i Storbritannien
sedan många år.

62-åriga Kazuo Ishiguro
har skrivit många böcker.
Några av de mest kända är
Återstoden av dagen(『日の名残り』),
Begravd jätte (『忘れられた巨人』)och
Den otröstade(『充たされざる者』).

Många säger att han
skriver böcker som är
ganska lätta att läsa.

Den som inte orkar läsa
honom kan se filmen
Återstoden av dagen
som är gjord på hans bok.

Dela på internet.

ノーベル文学賞受賞の詳細はこちらへアクセスされたい。ノーベル賞委員会公式ホームページhttps://www.nobelprize.org/

追記 NHKが2年前に放送した、カズオ・イシグロ氏講演の「文学白熱教室」の再放送を視た。更に再度ユーチューブでも視聴。フィクションを書きたいのは、ただ単に情報を伝えるのではなく、感情を分かち合いたいからだと語っていた。マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』の読書体験を通じながら、「記憶」についても語っていたが、筆者もこの「記憶」の思い入れについては興味津々だ。作家が自分の作品について語ることにはある種のワクワク感がある。ここで一つ重要な発見があった。自分は日系作家で日本や日本人を想像の産物として書いてきたが、ヨーロッパやアメリカの読者は作家の意向とは違って、日本や日本人の特殊性を興味深げに読んでいることに気づき、普遍的なテーマに迫ろうと英国の執事を扱った『日の名残り』を書いたと執筆の経緯を語った(結果、この作品で成功をおさめ、映画化もされ、英国の作家としての地位を不動なものに)。合点が行くような発言だ。
また、別なところでカズオ・イシグロ氏は、翻訳しやすいようにできるだけ平易な英語で書くことを心掛けていると語っていた。さすが英国のベストセラー作家は、世界中の人とたちに自分の作品を一人でも多く読んでもらいたいとの思いが強いようだ。社会や政治的な関心も大な作家だ。
仕事帰りに東京駅近くにある大書店の洋書コーナーに寄ってKazuo Ishiguroの本を探したが品切れだった!TBSはドラマ『私を離さないで』を再放送すると発表した。(2017.10.15 )

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超人の面白読書 129 木村 誠著『大学大倒産時代』 8

さて、そろそろノーベル賞が発表される時期だが、日本のノーベル賞受賞の科学者が異口同音に話しているのは、このまま行けば日本はノーベル賞受賞者ゼロがずっと続くと嘆いている。なぜなら、科学の基礎研究にかける研究費があまりにも少なすぎるからだそうだ。一方、防衛費や防衛省の科研費がハネ上がっている現状をどうみるか。教育や研究にもっともっと予算を投入すべきだ。また、新自由主義の副産物で格差が広がり、経済的理由でまともに大学に行けない人も増えている。こちらも小手先だけではない手厚い救済制度が必要だろう。でないとアメリカみたいに大学は卒業したはいいが、奨学金返済で苦しむ羽目に陥ってしまいかねない。
本書の主眼は、様変わりしている大学の姿を追って、これから大学生になる人たちに確かなナビを提供することである。今大学は国公私立と問わず生き延びるのに必死だ。だからこそユニークな学部や学科が出来つつあるが、その中には理解に苦しむものも散見される。キーワードは“共創”とか。この際大学とはどんなところか再考してみてはどうだろう。専門学校に益々近づいた格好のような気が筆者にはするがー。それと統轄する文科省にも制度設計などに問題がある。アメとムチの使い分けが容赦ない。大学は企業と性格が違う。すべて目に見える成果主義で良いのか、要は質のいい人材育成と社会貢献ができる高水準の学問だろうか。そのためには時間がかかる。目先を追うだけではなく、長い地道な道程が必要だろう。グローバル、グローバル、いや、グローカリズム、英語がすべてではないので品のある母国語もしっかり大学で身につけてほしいものだ。仕事柄日本の大学を長らく訪ねた者の一人として、大学は強かに生き延びてほしい。
これでこの著者のものは『危ない私立大学 残る私立大学』に続き2冊目、手軽な新書版で読みやすかった。

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超人の面白読書 129 木村 誠著『大学大倒産時代』 7

以上が小見出しであぶり出したすべて。著者は「あとがき」で大学情報関係雑誌に長年籍を置いた立場から大学の生き残りのヒントを提案しているが、やはり地方の大学の活性化がポイントのようだ。何せ来年から本格的な少子化の波がどっと押し寄せれば、どこかにしわ寄せが来るのは目に見えている。すでに潰れている私立大学が出ておりまた、有名女子私立短大も募集停止を打ち出している。国立大学は予算減、役割分担、改編に晒され、地方私大の公立化現象も起こるなど大学を取り巻く環境がまさに激変しているのだ。こうなると負の連鎖が起こるかも知れない。そういった時代状況の中で、必死に取り組んでいる大学の姿が浮かび上がってくる。これは著者の長年の取材の賜物だろう。それに説得力を持たせているのが最新データだ。これは門外漢の筆者にも大いに参考になる。そもそも18才人口が減少しているのに拘わらず、大学数は増加していること自体が変で、定員割れを起こすのも無理ないこと。外国からの留学生を積極的に受け入れているが国との関係が良くないと留学生数も減少する。アジア、特に中国や韓国を例に取れば一目瞭然、現に関西の中堅大学では留学生が激変したそうだ。しかし、筆者は大学の未来について悲観論を呈しているのではなく、高等教育機関の説得力のある交通整理が必要だと言っているのだ。戦前の教育の反省から戦後すぐGHQの要請で当時のいろいろな立場の知識人たちが教育改革について幅広い議論を行い、それが戦後教育の根幹をなしている。6・3・3制の導入をはじめ高等教育機関にも及んだ大改革である。それから70年以上が経ち社会とのミスマッチが目立ち制度疲労が露呈している。(続く)

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超人の面白読書 129 木村 誠著『大学大倒産時代』 6

【第5章】高偏差値の一橋大がなぜ低評価なのか(文科省の再ミッション・3つの枠組み: 1.世界最高水準の教育研究 2.特定分野での世界的な教育研究 3.地域活性化の中核) 「世界最高水準の教育研究」とはどのように測るのか アメリカは大リーグ型、日本は甲子園型(大リーグ型→大リーグ的な金銭によるスカウト合戦 甲子園型→チームトレーニングで甲子園を目指す) 東京大学と経団連の「蜜月すぎる関係」が始まった 旧帝大系も地元の地域社会で足場を築かなければならない (東北大学経済学部の3年編入試験で神田外語学院から例年1~2名の合格者を出している!) 真価を発揮した名古屋と京都、追う大阪、九州 広島、金沢、千葉など利用有力大学の改革が意図するもの 入試の多様化は人材の多様化につながるのか

【第6章】64%の国立大がなぜ「地域活性化の中核」を選んだのか 教育系の国立単科大の軽視は文系軽視論と同じ文脈 強力に進めるべきCOC+プロジェクト(COC=地、知の拠点整備事業) ユニークな国立大学新学部が続々登場 地域科学では先駆者の岐阜大学(筆者は岐阜大学を訪ねたときに、旧教養学部を改編して新しい名称の書かれた看板の前で少し立ち止まって考えたものだ。地域科学部とはどういう学部かと。そうだったのか、アメリカの大学に肖っていたー) 学内改革と他大学との連携で古い殻を破る すべての国立大学が懸念する若手教員層の先細り

【第7章】共学化して成功した武蔵野大学 女子の選択ー第3の働き方 女子高校生の職業意識も変わりつつある 女子大志願者数トップの日本女子大学はスケールメリットを狙う 武庫川女子大学は、女子高生のニーズに敏感 津田塾大学は総合職キャリアに的を絞る 昭和女子大学は、お嬢様学校から即戦力育成へ 関西の女子大学は安定した強みを発揮 相模女子大学のユニークな地域貢献活動 福岡女子大学は、国際性で女子大ランキング2位 資格で勝負する女子栄養大学の強み 資格取得だけにこだわらないキャリアも育てる (続く)


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超人の面白読書 129 木村 誠著『大学大倒産時代』 5

【第3章】強気の定員増を申請した東の明治大学と西の近畿大 1990年代とは様変わりの各大学の姿勢 医学部の有無が左右する科研費 「成成明國武」は人気急上昇中 中堅私立大学地方キャンパスの存在意義 苫小牧駒沢大学の「身売り」に見る地方系列大学の悲哀 一躍注目された京都産業大学の「幻の獣医学部」 警察官や消防官が多い中堅私立大の就職状況

【第4章】 自治体お抱えの地方私立大学が大量出現 地方私立大の「逃げ恥」作戦 公私協力方式の私立大でも公立化に挑戦 公立化は良いことばかりではない 公立大学のDNAは地域貢献 地域活性化にパワーを発揮している地方私立大   (続く)

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超人の面白読書 129 木村 誠著『大学大倒産時代』 4

本書は「大学大倒産時代」の実態を明かし、大学の未来を探る目的で書かれた大学“入口”ナビ本。大学の現状をデータ(図表は大小24)を駆使して大学最新情報を伝えている。筆者的には先に目次を拾ったので、あとは小見出しを追えば大体のあらましが分かる。
【はじめに】大学大倒産時代は目前に迫っている

【序章】文系主体の私大がまず危機に陥る 大学倒産は政府の展望なき政策が引き起こす(〈図表3〉大学数の変化によれば、2016年現在国立大学86校、公立大学91校、私立大学600校の計777校)
軍事研究に手を出す工学系研究者 天下り問題に見る、文科省と国立大学の危うい関係 私立大学は生き残るのために天下りを積極利用

【第1章】大学が消滅すれば地方も沈没 東京以外の大学の40%が定員割れで大学倒産も続出か 関西の産近甲龍の科研費伸び率が目立つ 特別補助の多い私立大に注目 定員超過を定員増申請によって解消 国立大学にもある定員超過 定員割れを定員減で逃げるのは一時しのぎ 中退率2%のライン 専任教員の割合が少ない大学は心配だ 一般入試の比率が低いと、2020年入試改革に直撃される 倒産の大波は全大学に及ぶ

【第2章】東京の15私立大学だけで私大総志願者の3割近くを占める 慶応上智は受験生の質を重視か 合格者数上位の高校名でわかる大学学部別受験生事情 「大学ランキング」に見る大学の強みと弱み 科研費と司法試験実績は? 就職率はどうか? 早慶文系は10年前よりも学費ダウン(〈図表12〉主要私立大学の初年度納付金・最新年度の例によれば、早稲田大社会科学部118万円、国際教養学部159万円、慶応大総合政策学部154万円、看護医療学部181万円、上智大理工学部175万円、外国語学部126万円、明治大法学部129万円、農学部162万円、中央大総合政策学部155万円、法政大法学部126万円、関西大総合情報学部150万円、同志社大経済学部119万円、立命館大生命科学部172万円) 大学こそ人間形成の原点 関西圏の勢力図は? (続く)


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クロカル超人が行く 204 葛飾区柴又『帝釈天』界隈 寅さん映画の舞台そしてギンザシックス ルーフガーデン 5

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【写真上から: ①②③いろんな角度から見た銀座 蔦屋書店 本もアートに、アートが本を覆う 書棚の裏側の白さが“余白に或いは裏側にライト=write or light” のイメージを喚起させる ④銀座シックス店内に出現した水玉模様、現代美術家草間弥生の空間芸術 宇宙平和船“ハート” この作家は80才を越えている!】

大丸松坂屋百貨店・森ビル・L REAL ESTATE・住友商事の4社出資の商業施設とオフィス。地上13階・地下3階。約14万㎡に241のテナント、コンセプトはアートと日本文化。世界と日本の有名ブランドが入り、ライフスタイルとファッションを演出。年額平均賃料は、ロンドンのニューボンドストリート→約148万円、ニューヨーク5番街→約391万円、パリシャンゼリゼ通り→約153万円に対し、銀座→約100万円。銀座シックスの総工費は861億円、年間2000万人、年商600億円を目標としている由。地下3階には観世能楽堂がある。詳しくはこちらで。https://ginza6.tokyo


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クロカル超人が行く 204 葛飾区柴又『帝釈天』界隈 寅さん映画の舞台そしてギンザシックスルーフガーデン 4

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【写真上から: ①銀座シックスの屋上左側から眺めた銀座界隈 こんな角度から見るのも良いかも ②銀座シックスの屋上風景 ピチャピチャと幼児が遊ぶ 夏の日差しの乱反射 ③銀座シックスの屋上から撮影したレインボーブリッジ ホワイトブリッジそのもの ④銀座シックスの屋上から撮影した、夕陽に映える東京タワー 威厳はまだ保てているか】

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クロカル超人が行く 204 葛飾区柴又『帝釈天』界隈 寅さん映画の舞台そしてギンザシックスルーフガーデン 3

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【写真上から: ①帝釈天の門 ②帝釈天入口 土曜日の昼暑く 人混みもそれなりに ③帝釈天境内 ここは日陰 静寂 ④『高木屋老舗』の渥美清の“特等席” 観光名所に居座った感じ ⑤京成『柴又駅』 大したことはないが風情があるなあ】

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クロカル超人が行く 204 葛飾区柴又『帝釈天』界隈 寅さん映画の舞台そしてギンザシックスルーフガーデン 2

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【写真上から ①京成『柴又駅』構内の案内板 懐かしい昭和の匂いぷんぷん ②フーテンの寅さんの銅像 連れが写真撮ってだって ③帝釋天参道の入口看板 こんな看板まだ残っているんだ 参道狭いっす ④帝釈天境内案内図 ⑤寅さん記念館 入場料500円、今度来たときに入る予定 11月末かな アメリカに住んでいる友人夫妻と ⑥山本亭入口 実業家の庭園が見られる ⑦山田洋次ミュージアム 今度のお楽しみの一つ ⑧草団子 350円だったかな 餡の甘さがほど良い ⑨⑩『高木屋老舗』の壁に飾られていた映画『男はつらいよ』関係の写真 ごちゃごちゃの感じ ⑪渥美清が撮影の合間に座っていたテーブル脇の壁 一世を風靡した映画ロケの匂い ⑫『高木屋老舗』店内から入口付近 寅さんが今にも入って来そうな雰囲気】

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クロカル超人が行く 204 葛飾区柴又『帝釈天』界隈 寅さん映画の舞台そしてギンザシックス ルーフガーデン

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【写真: 映画『男はつらいよ』の有名な口上が書いてある碑】

私 生まれも育ちも
葛飾柴又です
帝釈天で産湯をつかい
姓は車 名は寅次郎
人呼んで
フ―テンの寅と発します

山田洋次

山田洋次監督渥美清主演の国民的映画『男はつらいよ』の舞台を訪ねた。台風一過で真夏のような日、矢切の渡しがすぐ近くにある葛飾区柴又駅で下車して帝釈天の参道を歩いた。川魚料理店、漬物屋、駄菓子屋、団子屋などの商店街を抜けて帝釈天に到着。松が木造の古寺に見事なまでに映えていて、古いチャンバラ映画の一シーンを切り取った感じだ。白壁があれば申し分ない。シブイ。『寅さん記念館』と『山田洋次ミュージアム』それにこの辺の実業家だった人の庭園がある『山本亭』を見て回った。中までは入らず。そして、渥美清がロケの合間に休憩を取っていた草団子で有名な『高木屋老舗』に寄って草団子、焼団子などを食べた。壁には渥美清の写真や映画『男はつらいよ』関係の写真が所狭しと飾ってあった。筆者が店の従業員の年配の女性に尋ねた。
「渥美清の写真が飾ってある向かい側の店には入れないの?」するとその女性応えて曰く「向かい側は店頭販売のみで、こちらでしか食事はできません」
以前にこの店には渥美清の特等席があったと知っていたので、食事を終えてから向かい側の店に寄って訊いてみた。すると、その特等席(予約席)に座って写真まで撮影してもらった。店の比較的若い女性に感謝である。柴又はこの辺にして銀座に出た。新旧の妙を季節の移り変わりに感じたいという小さな旅は“新”のほうへ、銀座の新名所GINZA SIXの屋上、ROOF GARDENへ。


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草野心平詩集(岩波文庫)『 侏羅紀の果ての昨今』抄から 或る永遠 J.N氏に

草野心平の西脇順三郎について書いた詩。

或る永遠

J.N氏に

日本海に面したN県に。
川がある。
川底の小砂利の見えるセルリアンに布を流し。
川底の雪の上にそれらを並べて晒す。
赤ギレの手によって生まれるニッポンの高貴な縮である。
J.N氏はその界隈で生まれた。
ふるさと。
けれどもJ.Nにふるさとはない。
ギリシャ神話と玄のいりまじった次元が氏の脳髄のふるさとである。

J.N氏は書斎のなかで世界をうろつく。
多島海の渚に足をひたし。
ラテン語だけしか通じない中世の村道でプラチナの太陽をまぶし黒仰ぐ。
もどって武蔵野のイノクロ草をちぎったり。
エンサイクロビデア・ブリタニカの頁のなかに一ミリの小人になってもぐったりする。
地理や歴史や。
虹かかる永遠。
永遠に向かってJ.N氏は書斎をぬけでる。
永遠のなかに歩いてゆく。
そのうしろ姿。
陽は正に没しようとしてそのうしろ姿。
永遠のなかの一つ黒子。

黒子のなかの或る永遠。

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超人の面白読書 129 木村 誠著『大学大倒産時代』 3

少子化や国立大学運営費交付金削減をもろに受けている国立大学、特に教育学部の改編劇が、2年前の“通達”からさらに加速しているという記事を毎日新聞が一昨日書いていたばかりで、今度は今年の司法試験合格者が発表され上位ランキングが示されていた。面白いことに司法試験合格者は法科大学院出身者ではなく、「予備試験」の通過者が圧倒的に多かったことだ。そして、法科大学院を巡っては、廃止や募集停止が相次いでいるという。立教大や青山学院大などは来年度から募集停止すると発表、法科大学院の凋落は政府の制度設計の甘さを如実に示しているようだ。法科大学院志願者が2004年には84,000人であったのに対し、13年後の今年度は8,159人まで激減している(2017年9月13日付『毎日新聞』朝刊)驚きである。高額の授業料を払って不合格ではやりきれないはずだ。またしても考えてしまう高等教育機関の問題。 本題の書評に戻ろう。(続く)

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超人の面白読書 129 木村 誠著『大学大倒産時代』 2

目次

はじめに

序 章 なぜ「大学大倒産時代」なのか

第1章 データで読み解く大学教育の現状

第2章 志願者を囲い込む有名私大
早慶上智とMARCH、そして関関同立の分かれ道

第3章 明暗を分ける都会派中堅私大
成成明國武、日東駒専、大東亜帝国、産近甲龍の
「 崖っぷち作戦」

第4章 活路を切り開くローカル中規模大学

第5章 有力国立大学も格差が拡大

第6章 冬の時代の地方国立大学のチャレンジ

第7章 不要論まで出た女子大はどう生き残るのか

おわりに

以上が本書の目次だが、タイトルはいかにも大学が今直ぐ数多く潰れてしまうような感じを受け仰々しい。新書版222頁、読みやすく最新のデータも入っているので理解しやすい。(続く)

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超人のニュース拾い読み アメリカの公共放送電子版(NPR online)から最新ニュース ハリケーン「イルマ」最新情報


Irma Brings Floods, Tornado Risks As Tropical Storm Leaves Florida For Georgia
Updated at 2 p.m. ET, September 11, 2017

In Florida, Hurricane Irma has brought dangerous floodwaters, knocked out power to millions and turned human possessions into debris in the past 24 hours. After making landfall on Sunday, the huge storm remained a Category 1 hurricane as it moved over the state's northwest early Monday, before finally being downgraded to a tropical storm.

Irma has maximum sustained winds of 60 mph, with stronger gusts. At 2 p.m. ET, Irma's center was about 50 miles south-southeast of Albany, Ga., and 55 miles east of Tallahassee.

Flash flood warnings have been issued in Jacksonville — a victim, like other eastern Florida areas, of the heaviest rains that are commonly found in hurricanes' northeast quarter. Flood and tornado warnings have been issued for parts of coastal Georgia and South Carolina.

More than 6 million electricity accounts in Florida are currently without power, state officials say. While the full extent of Irma's damage isn't yet known, the storm has weakened at a faster rate than expected.

As the sun rose Monday, many Floridians anxiously began to assess the damage wrought by the hurricane, either inspecting their houses and neighborhoods for themselves or contacting those who stayed behind.

For those caught in Irma's path — and wondering what to do after it passes — member station WLRN in Miami has assembled a guide to help.

Irma was a hurricane for part of 12 days, having been dubbed a hurricane on Aug. 31, when it was far from land in the Atlantic Ocean. For days, it was a Category 5 storm, wreaking havoc in the Caribbean, where recovery efforts are still underway.

On Monday morning, the storm brought storm surge risks as high as 4 to 6 feet above normal water levels in parts of Florida. Irma was also extending tropical-storm-force winds outward up 415 miles, the National Hurricane Center says.

The perilous storm and the massive evacuation it sparked were reflected in an unusual scene in Florida early Monday, when the state's skies were empty of airliners. A screenshot taken by journalist Sam Sweeney shows, as he wrote, "not a single airplane over the state of Florida."

Irma is moving north-northwest at nearly 17 mph — a motion that's expected to continue through Tuesday. The storm's center is forecast to move near the Florida Peninsula's northwestern coast and cross the eastern Florida Panhandle into southern Georgia Monday afternoon. It will then move through southwestern Georgia and eastern Alabama through the night and into Tuesday.

Hurricane Jose, which had shadowed part of Irma's route toward the Leeward Islands, has veered off north, as expected — but forecasters say the storm will follow an odd curlicue path over the next several days, putting it south of its current position and possibly threatening parts of the Bahamas this weekend.

When it arrived in Florida, Irma was more than 400 miles wide; the storm remains huge. Consider that when it made landfall at the bottom of Florida's peninsula on Sunday, Irma's thick bands of rain were already drenching parts of northern Florida and southern Georgia.

Hurricane Irma made landfall twice in Florida on Sunday, smacking into the Florida Keys as a Category 4 storm before moving over water and hitting Marco Island as a Category 3 on Florida's southwest coast.

Here are some of the stories we're seeing in Florida:

Jacksonville

The city has already seen bad flooding, as the St. Johns River overflowed its banks — and it's going to get worse around 2 p.m., when high tide will come, the Jacksonville Sheriff's Office says.

The sheriff's office writes Monday morning: "Historic flood levels already. Levels will continue to rise. Expect 4-6 feet above normal high tide levels. You need to be concerned."

Officials had been calling for people to leave areas along the St. Johns River, and to contact emergency numbers for help leaving. To those who didn't leave, the sheriff's office says, "If you can't get out, you need to get to a house with a second story."

Key West

The far-flung island lost power and phone connections, but some news began to emerge from Key West late Sunday night. Photographer Rob O'Neal relayed an account of damage, highlighted by flooding, and downed trees and utility poles. Some buildings had also lost their rooftops.

"Counted 10-20 utility lines & 20 trees down in Oldtown. Downed trees & tree limbs scattered throughout KW. Counted at least 100 ppl walking around outside after eye wall passed," O'Neal said.

"Heaviest damage from Marathon to Lower Keys," O'Neal said.

Thousands of people are believed to have resisted mandatory evacuation orders to stay in the Keys. Sunday night, Monroe County Sheriff Rick Ramsay ordered a dusk-to-dawn curfew for the Keys.

Online

People in the hurricane's path are using a Facebook group to check in and mark themselves as safe, with nearly 400,000 people in the group as of Monday morning, offering peace of mind to loved ones and giving a hint at this storm's reach.

Members of the group also used it to commiserate, share tips and vent their feelings about Irma.

As the sun rose Monday, they also shared some of what they're seeing. A sample, from Davenport, in central Florida, where Benjamin McKinney wrote:

"Walked around to check out my yard. The neighbor's screen patio was torn off and is laying in the street. The stop sign on the corner is missing. The neighbor behind us fence is down. We're missing some pieces from our roof overhang. Our boughanvilla bush was uprooted and pulled our fence out. Nothing too crazy."

Tampa

As the storm approached, it sucked water out of Tampa Bay and other areas, prompting curious residents to head out onto the muddy ground — and, in at least one case, to rescue stranded manatees.

The hurricane center warned on Sunday, "Don't be fooled by low water conditions on the FL W coast ahead of Irma, water will rapidly surge back when the winds change direction."

Around midday on Monday, the National Weather Service office in Tampa extended flood warnings for at least 10 rivers, saying they're close to flood levels — and will rise further.

"Significant river flooding will continue over the next several days as heavy rainfall from Hurricane Irma drains into West Central Florida rivers," the agency says.

Orlando

From member station WMFE:

"Florida Highway Patrol said they're seeing too many people out 'sightseeing' and not obeying the curfew. FHP reports trees are down and there's standing water from the exit ramps at 528 to 520. Those ramps have been closed in both directions...
"FHP says traffic's starting to build up on 95 and the Turnpike southbound. They expect traffic to pick up as the day goes on and people want to go home and check out their property. Officials say people can't enter the Keys, so evacuees need to stay put."

Miami

The city is focusing on clearing roads of debris trees, and sand — in some areas, parts of the beach have been pushed over roadways. Mayor Tomás Regalado said 72 percent of the city of Miami is currently without power, NPR's Hansi Lo Wang reports. Police report at least 26 looting incidents, with 13 arrests made.

"At one time, Miami was dead in the center of the track, and could have been hit very hard," NPR's Jon Hamilton says on Morning Edition. But today, Jon says, much of the city looks "surprisingly normal" — at least out toward the airport.

"I have seen a whole lot of power trucks going by on the freeway out here," Jon adds. "There's still water on the ground in places, they're picking up lots of palm fronds, but the city looks like it's getting back in business."

Miami International Airport saw wind gusts near 100 mph and "sustained significant water damage throughout," the airport director, Emilio Gonzalez, said via Twitter. The facility is closed to passenger flights at least through

From NPR latest news:
http://n.pr/2eYdXQA

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超人の面白読書 129 木村 誠著『大学大倒産時代』

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津田塾大や東京女子大など有名女子大の凋落が著しいと伝えた今朝のネットニュース。何日か前にイギリスのTHE(The Times Higher Education)が今年の世界大学ランキングを発表したが東大が順位を落としたとのニュースもあった。
そんな中、木村 誠著『大学大倒産時代 都会で消える大学、地方で伸びる大学』を読んだ。『危ない私立大学 残る私立大学』(既読)など一連の大学進学の傾向と対策ものの一つ。『学研進学情報』で活躍中の著者の最新刊。筆者は時々この手の本をゲットして最近の大学情報を更新している。この本で最近の大学新興勢力グループの名称がMARCHだと初めて知った。明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大の頭文字から取っている。また、日東駒専は日本大、東洋大、駒沢大、専修大の頭文字だと前から知ってはいたが、産近甲龍が京都産業大、近畿大、甲南大、龍谷大の頭文字羅列は初。いずれも早慶上智、関関同立の後を追う私立大学群である。(続く)


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超人の面白ラーメン紀行 235 江戸川区船堀『大島』

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美味しい味噌ラーメンを探索中の筆者だが、東京ラーメン・オブ・ザ・イヤー(TRYラーメン大賞)の味噌部門で3年連続第1位に輝いたラーメン店に出かけた。都営地下鉄船堀駅徒歩10分のところにある人気のラーメン店『大島』(昔千駄木の団子坂下に同名のラーメン店があったっけ)、札幌の『すみれ』で修行した店主が4年前に開店した店。炎天下40分待たされ、券売機で味噌ラーメン(790円)と追加大盛(100円)を頼んで待つこと7分、タレントの土田晃之の色紙が3枚もあってウンザリと思っていた矢先、ホール係の“スタイリッシュな”女性にカウンターの左端を指定されて座った。デカイ昔懐かしいやかんと真空断熱タンブラー(新旧の妙)が目前に。しばらくして注文の味噌ラーメンが供された。一目見て、卵も海苔もない、モヤシも目立たない、あるのは刻みネギとメンマ、ショウガにニンニク、どっしりした脂身のあるチャーシューと意外とシンプル系。一啜りして濃厚なブレンド味噌スープの味しかも進化系だ。30年前位の札幌駅近くで食べた素朴な味噌、コーンやモヤシがたっぷりのトッピング、ストレート中細卵麺のシンプルな味噌味とは違って洗練された濃厚な味である。懐かしさがブレンドされたような味噌のテイストなのだ。ショウガとニンニクがいつの間に味噌ダレに馴染み、濃厚さの中に二味も添えて北国の雰囲気を醸し出している感じ。外は久し振りに晴れて夏の余韻一杯なのに・・・。この塩辛さに耐えねば、スープ割りはあるのかしらと食べ進んでみたものの、耐えきれず味噌ドロドロ系のスープを多少残して邪道と思いつつ水で割った。薄くなるが味はいい。少しほっとした。(濃厚過ぎる人には申し出ればスープ割りを提供してくれることを後で知った!)忘れていた、チャーシューのこと、これが脂身もあって超柔らか、美味!卵縮れ麺もスープによく絡んでいた。いやはや、スープは究極のドロドロ系、分野は違うが松戸の『とみ田』似。店内はカウンター8席(この日は2席は閉めていたみたい)とテーブル8席、カウンターとの間に仕切りガラスがある厨房には、店主と女性二人が忙しそうに客の注文に応えてラーメンを作っていた。
このエリアはリトル・インデアの異名を持つ西葛西から地理的に近いせいかインド人女性を何人か見かけた。

住所:東京都江戸川区船堀6-7-13 電話番号:03-3680-2601
営業時間(火~土):11:00~15:00、17:00~20:30 営業時間(日・祝):11:00~16:00、17:00~20:00 定休日:月曜日

江戸川区船堀駅ラーメン店『大島』1.スープ★★☆2.麺★★☆価格★★3.トッピング★★★☆4.接客・雰囲気★★
☆5.価格★★

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追記 下の写真は筆者の撮影したものではないがなかなかリアリティーが感じられる。やかんやタンブラーそれにカウンター左側からみた店内。光の入り具合もいい。“スタイリッシュな”女性が店内を小綺麗にしている様子。ー[食べログ]の画像をより。

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超人の面白ラーメン紀行 233 京急新逗子駅『麺屋二郎逗子店』

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今回はたまたまニューヨークのフリーペーパー『週刊NY生活』デジタル版(2004年創刊、毎週土曜発行、紙面28面)https://www.nyseikatsu.com2017年8月19日号は鹿児島県の指宿に本店がある『麺屋二郎』が、8月10日に地下鉄フルトン駅近くの金融街の「べんと・おんカフェ」(ウィリアムズ通り123)にオープンした記事(14面)に刺激され、この店の逗子店に出かけることにした。
昼の部が終わる午後2時10分前に新逗子駅すぐそばの店に入った。店内は意外と狭く10人が入れる程度。厨房のガラス窓が壊れているのか、ビニールで覆いガムテープで貼ったりしていた。初めて入る側としてはイメージと違って少し違和感を覚えた。造りも木目素材はいいが安っぽい感じだ。
注文の中華そば(700円)を頼んだ。白いすり鉢状のどんぶりにストレート系中細麺にチャーシュー3枚、メンマ、ナルト、海苔それに刻みネギがのったシンプルな鹿児島ラーメン(豚骨と鶏ガラの澄んだスープが特徴)である。一振りのスープの味は、半透明で素材に揚げた玉ねぎが入っているせいか幾分甘い。焦がしニンニクの効果はそれほどでも。麺はもちもち感があって舌触りがいい、チャーシューも比較的柔らかだ。サイドメニューにあった餃子を頼んだがイマイチ。客はパラパラ、厨房は女性含めて3名、元気印に加えて清潔さと丁寧さをもう少し出した方が良いかも。でないとニューヨークに進出した『アーバンラーメン』の第1号店(芦花公園駅徒歩3分。今や寂れた感じ)の二の舞になりかねないような感じを受けた。

新逗子駅『麺屋二郎 逗子店』①スープ★★②麺★★☆③トッピング★☆④接客・雰囲気☆☆⑤価格★

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超人の面白テレビ観賞 「朝まで生テレビ 女性が考える戦争と平和」

久し振りに「朝まで生テレビ」を観た。テーマは女性が考える戦争と平和。パネリスト→福島みずほ(社民党・参議院議員)、片山さつき(自民党・参議院議員)、河添恵子(ノンフィクション作家)、倉田真由美(漫画家)、呉軍華(日本総研理事)、桜林美佐(防衛問題研究家)、堤未果(国際ジャーナリスト)、福島香織(ジャーナリスト)、三浦瑠麗(国際政治学者・東京大学政策ビジョン研究センター講師)、南美希子(エッセイスト・東京女学館大学客員教授の10人。女性論客が結集した感があるが、トークはやはり常連ばかりしかも陳腐。戦争放棄への道、今何処。ベテラン議員の福島みずほだけが一貫して平和希求の理想を語っていたが、片山さつき氏や三浦瑠麗氏はしゃべりすぎ。特に三浦瑠麗氏は上から目線で鼻に突いた。井上ひさしの言葉ではないが、むずかしいことをやさしく(やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、ゆかいなことをいっそうゆかいに)伝えることが大事で、回りくどく、わざとむずかしく言っているように感じられた。また、こういった討論会番組に不馴れな女性も登場していたが少しは華を添えたようだ。そのなかで筆者は存じ上げない漫画家の倉田真由美氏がよく喋っていた。極論を嫌い曖昧、中間論を展開していた。個性的と言えそうなのが福島香織氏や華やいだ雰囲気が少し残る、やはり南美希子元アナウンサーの存在だろう。同じことの繰り返しが多く議論の中身が深まり切れず尻切トンボ気味。議論が何かの調子で盛上がると女性の甲高い声ばかりが響きワイワイガヤガヤの始末。女性天皇への道筋のコーナーでは、2/3は賛成派までは良かったが、伝統を重んじて男性が天皇継続すべきで、そのためには側室をおいても良いとの発言には、今でもこういう女性がいることに驚愕した。女性討論会は午前4時半頃まで続いた。司会の田原総一郎は80歳過ぎていて、今回は体調が良くないのかよく咳き込んでいた。司会者の采配、切れ味は以前より大分鈍ってきた感じである。

追記 9月1日付毎日新聞夕刊「インタビューシリーズ 温・故・知・新」の2回目に田原総一郎が登場。「朝生」も今年4月で30年だと。よく続ていると思う。司会の田原総一郎の切り込みが討論番組を盛り上げたのは事実。この新聞記事の通り、評論家西部邁、民進党辻本清美議員、東大名誉教授の姜尚中などのスター論客が生まれたのも田原総一郎の功績だろう。筆者的には次の彼の言葉が気になる。「当初は『右』の論客を探すのが難しかったが、次第に『左』を探すのに苦労するようになった」。やはり大島、野坂、色川などが出演した時代が刺激的だったかも。テーマも部落差別問題、天皇制などタブーにチャレンジしていた。(2017.9.4 記)

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クロカル超人が行く  203  晩夏の古都鎌倉散策 澁澤龍彦墓参ほか

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※上記の写真を分かりやすくするため、下記に左右①②の要領で⑧までの番号とキャプションを付けた。

昨日ゲリラ豪雨が降ったばかりの首都圏で、今日もまた出現するのか気にかけながら晩夏の古都鎌倉散策に出かけた。
JR北鎌倉駅→写真①浄智寺→写真②澁澤龍彦の墓→裏山・ハイキングコース・山登り→写真③層搭・サンソムの記念碑→ハイキングコース→写真④葛原岡神社→写真⑤ハイキングコース案内板→写真⑥境内からの眺望→写真⑦銭洗弁財天入口→写真⑧銭洗弁財天境内→JR鎌倉駅の約3時間のコース。
浄智寺の澁澤龍彦の墓は、少し探したが奥の左手中腹にあった。カラスが見守るなか、墓に水掛けしてからお参り。缶ビールやお酒など備えられていた。お盆があったせいかほうづきが新鮮。これで澁澤龍彦墓参は果たせた。澁澤龍彦といえば、今秋没後30周年を記念して澁澤龍彦展が世田谷文学館で開催される。横須賀美術館で開催された時とどう違うのか今から楽しみである。それはさておき、もう一つ発見があったのだ。サンソム関係の記念碑があると浄智寺のしおりに書かれていたので探したが見当たらなかった。で、この寺の関係者に訊ねたら裏山のハイキングコース途中にあると教えてもらい行ってみることに。雨上がりの今にも滑り落ちそうな、葛原岡神社・銭洗弁財天・源氏山公園・大仏へと続く山道を歩くこと20分、右側に層搭、天柱峰が建っていた。それが名僧竺仙梵僊の供養搭や英国の日本文化史研究家ジョージ・サンソムの記念碑。ついでに書けば奥方のキャサリン・サンソムの著作『Living in Tokyo』(日本語訳『東京に暮らす』http://crocul.cocolog-nifty.com/callsay/2013/12/102-e9ce.html)に挿絵を描いたのが、詩人西脇順三郎の最初の夫人、マージョリだ。
銭洗弁財天からJR鎌倉駅までの帰り道、オランダから来た4人家族と出会った。父親と歩きながら少し会話をした。3週間のサマーバケーションで日本に来て長崎、大阪、京都、日光それに鎌倉と観光して今から東京に戻ると。日本は景色も素晴らしいし日本人も温かいとべた褒め。聞けば企業の経理の仕事をしているらしい。ふくよかすぎる奥さんは物珍しいのか人力車の写真撮影に夢中で、小さな子どもたちはコーラの瓶で遊んだりしていた。
晩夏の鎌倉はハイキングコースのディープなところまで外国人観光客が押し寄せていた。今まであまり見かけなかった光景である。また、縁結びで有名な葛原岡神社の境内でたまたま耳に入った若い女性の会話が印象的。普段都会の喧騒の中で生活しているので、たまにはこういう静かな場所に来るのも落ち着いて良いわね、だと。

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超人の面白ラーメン紀行 234 京急日ノ出町駅『たつ屋日ノ出町店』

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ずっと気にかけていたラーメン店に入った。桜木町に用事がある時に車で見かけたラーメン店だ。博多とんこつラーメン系。チャーシューが美味しそうだっので、思い切ってチャーシュー付ラーメン(930円)を頼んだ。ビール→チャーシュー→ラーメンの順で出てきたが速かった。チャーシュー4枚はやわらかくてビールのつまみに最高(1枚は撮影前に食べてしまったので皿には3枚!)。食が進んだ。さて、とんこつラーメンだ。細麺がスープに絡んで意外と美味。博多とんこつラーメンはやはりトッピングに紅生姜と高菜が合う。残念ながら写真のフレーム外の小皿に置いていて写真では見当たらない。全体的にはシンプルなラーメンだが、替え玉のおかわりが無料なのか(?)、替え玉、おかわりの声がカウンター席からよく聞こえた。店主は客の注文に一人で応対していた。午後の3時、ちょうど空いている時間帯だったから一人だったのかしら。
京急日ノ出町駅『たつ屋日ノ出町店』1.スープ★★☆2.麺★★3.トッピング★☆4.接客・雰囲気★☆5.価格★★番外.チャーシュー★★☆

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超人のうまかカレーや 2 御茶ノ水駅 スープカレー 『オオドリー〈鴻〉駿河台店』

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レトロ調のスープカレーや。野菜たっぷりの赤2倍カレー(800円)を食べた。筆者的には2倍の辛さのカレーは少し刺激的過ぎ!大きめのニンジンはやわらかく味もいい。美味。スープカレーはごはんと具を別々に食べるのが普通かもしれないが、筆者は途中からご飯にかけて食べた。
食べ終えて店の外観をパチリ、すると道路に珍しい光景が。ゴーカート隊だ。


夏惜しむゴトコト音のゴーカート

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超人のうまかカレーや 神保町『共栄堂』

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これが噂のスマトラカレー。

食通で世界中食べ歩いている。
急がしの原田マハも。
毎日新聞日曜版のコラムで。
食べに行ったと書いていたが。
食後の特別なコメントはなかった。

不思議。
不思議発見。

海軍カレーみたいじゃないの。
具がたっぷりじゃないの。
あまり味がないじゃないの。
宣うカレー好きの女子もいたが。

不思議。
不思議発見。

果たしてスマトラカレーは。
たっぷりの。
トロトロレトロ。
しかも限りなく黒。

不思議。
不思議発見。

ポークは角切り。
ライスはパサパサ。
スープは薄め。
味はベターザン海軍カレー。

不思議。
不思議発見。

染み込んだ甘辛。
スマトラ伝説。

タンタントとした中年男性。
オールディズの椅子やテーブル。
ラッキョウとフクジンツケのビン。

味もタイムスリップしていた。


追記 スマトラカレーの『共栄堂』で本屋の『邦栄堂』を思い出した。今も鎌倉にあるのかしら。店主が上客に作家の井上ひさしがいたと言っていた。大分昔の話。その前の筆者20代の頃に実は井上ひさし書籍注文受係をしていた。


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草野心平詩集(岩波文庫) 『乾 坤』抄から 噛む 少年思慕調

噛む

少年思慕調

阿武隈はなだらかだつた。

だのに自分は。
よく噛んだ。
鉛筆の軸も。
鉛色の芯も。

阿武隈の天は青く。
雲は悠悠流れてゐた。
けれども自分は。
よく噛んだ。
国語読本の欄外はくしやくしやになり。
活字の行まで噛みきると。
空白になつた分は暗誦した。


小学校は田ん圃の中にぽつんとあり。
春は陽炎につつまれてゐた。

だのに自分は女の子の胸にかみついて。
先生にひどくしかられた。

ゆつたりの薄の丘や。
昼はうぐひす。

だのに自分は。
カンシャクをおこすとひきつけた。
バケツの水をザンブリかけられ。
やうやく正気にもどつたりした。

指先の爪は切られなかつた。
鋏のかはりに。
歯で噛んだ。

なだらかな阿武隈の山脈のひとところに。
大花崗岩が屹ッ立つてゐた。
鉄の鎖につかまつてよぢ登るのだが。
その二箭山のガギガギザラザラが。
少年の頃の自分だつた。

阿武隈の天は青く。
雲は悠悠と流れてゐたのに。

この詩は少年時の回想だが、筆者も二箭山には従兄弟の案内で登った。鉄の鎖でよじ登ったあとの頂上から眺めた秋晴れの景色は絶景だった。その従兄弟は大分前に死んだ。

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超人の面白趣味の園芸 MORNING GLORIES

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MORNING GLORIES
―a special message to Sally

A morning glory,
Three morning glories

And
Many morning glories
With various faces

Just come out.

朝顔
―サリーへの伝言

朝顔一輪
アサガオ三輪

また
たくさんのあさがお
いろんな顔みせて

咲いたよ

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超人の面白読書 128  雑誌『うえいぶ』第50号 終刊号(2017年3月31日発行) 10

ここまで書いてきてふとタイトルを読み返した。確かにこの関内幸介氏のエッセイのタイトルは、夏井川のほとりにて―“本郷界隈のことども”―と名付けられている。草野心平家だけの人たちだけではなく、草野家とゆかりのある群像でもあったのだ!それは前にも書いたが、extraordinary family history 傑出した人物の家族史、個性豊かな人たちの物語だろう。否、家族の栄枯盛衰の物語としても読める。江戸後期から追った主に草野心平家には、病気で早死にした人たちなど不幸も相当あってまた、子宝に恵まれず養子縁組をして家督を守ってきた。その血筋の不思議さ、怖さを思わずにはいられない。このファミリーヒステリーには当時の磐城中学を中退している人たちが心平をはじめ何人かいる。一つの枠には収まり切れない、個性豊かで血気盛んな人たちもいたのだ。それにしてもと思う、血筋の不思議さや育てられ方の不思議。草野心平の詩にはこの体験が反映しているようで、中国での詩作とグローバルな詩的世界、アメリカの詩の影響、初期詩集、蛙に託した詩、宇宙観、汎神論、アナーキズム等々の根底には存在のいたずら、虚無感、寂寥感があったように筆者には思われる。また、エネルギッシュで生活力が旺盛(『火の車』や『学校』を営んで生活費を稼いでいたがずっと貧乏だった。『学校』は筆者の20代の頃に何度か訪ねてみようと思ったが実現しないままだった。3年ほど前にようやく新宿ゴールデン街の店を訪ねたが、場所は同じでも店の名前や経営者が替わっていた。実は『学校』は大分前に草野心平のファンだった女性が引き継ぎ、新宿ゴールデン街に移ってしばらく営業していたがその女性も高齢で今は人に譲って引退。現在の店の女性経営者の特別な計らいで筆者は、元『学校』店主と電話で話すことができた。店の看板は草野新平記念館に寄贈したと店主が電話の向こうで語っていた。新宿ゴールデン街の入口の案内板には『学校』の名前だけが残されている)、詩人や作家との交流の広さ、面倒見の良さ、一言でいえば人間的魅力に溢れ、宮澤賢治をはじめ村山槐多や吉野せいなどを発掘した名編集者でありコーディネーターでもあった。
この関内幸介氏のエッセイを注意深く読めばもの悲しいトーンが流れていることも感知できよう。草野心平については今まで数多く書かれてきた。新たな視座で取り組めば生誕120年が草野心平詩にとって大きなエポックになるだろう。その意味でもこのエッセイにある第一級資料の草野氏文書の公開を俟ちたい。

タイトルの本郷界隈は、JR磐越東線「小川郷」駅近くの、福島県いわき市上小川・本郷公民館周辺。貴重な写真も何枚か挿入されている。

追記 草野心平の前橋時代の写真。ここには珍しく心平の奥さんも写っている。なかなかの美人である。若い伊藤信吉もいる。88年前の昭和4年の写真。

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前橋文学館特別企画展
風邪には風ー草野心平の前橋時代
萩原朔太郎記念 水と緑と詩のまち前橋文学館 2011年11月
発行より

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超人の面白読書 128 雑誌『うえいぶ』第50号 終刊号(2017年3月31日発行) 9

ここで執筆者関内幸介氏のエッセイに登場した草野心平家に関係する主な人物名を筆者流に挙げてみよう。そうすれば具体的に人物関係がよりたやすく理解できるはずだ。ついでに当時の名前の付け方の特徴も見出せる。小見出し「紋十郎家」。草野紋十郎、喜佐衛門、源蔵、政五郎、富蔵、興兵衛、林之輔、やす、はま。小見出し「登と欽一郎」。白石長兵衛、キヨ、登(みのる)、吉田一民、さだ、モリ、ヨシ、欽一郎、タカ、コト、豊、鷹雄、エイ、信男、悟郎、武子、萬次郎、草野晴次郎、シゲル、政右衛門、白井菊造、渡邊己之吉、草野正壽。小見出し「佐平太と遠平」。佐藤幸助(後の白井佐平太)、常松(後の白井遠平)、酒井興兵衛、柴原の鈴木才兵衛門、子眞山人、鶴、きさ、草野米吉、根本武郎。小見出し「戊辰戦争と奥羽出張病院」。関寛斎、小野亀七、関内半兵衛、本郷の庄兵衛、兵吉、新吉、ヒサ、正太郎、甚三郎。小見出し「宮本壽硯」。宮本秀英、室桜関。小見出し「牧牛共立社」。大久保利通、大悲山重一、伊藤正太郎、緑川萬次郎。小見出し「天文一揆と草野興八」。草野興八。小見出し「高蔵・馨・心平」。高蔵、トメ。小見出し「櫛田民蔵とマルクス學」。櫛田民蔵。小見出し「眞崎甚三郎」。眞崎甚三郎。小見出し「草野氏文書」。仁太郎。小見出し「生と死と」。幸平、セキ、庄平、アサ、半平。(続く)

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超人の面白読書 128  雑誌『うえいぶ』第50号 終刊号(2017年3月31日発行) 8

執筆者が文献資料涉猟の人だとは分かるが、草野心平の家系は普通でも複雑過ぎてなかなか理解しにくい上に執筆者の関内幸介氏の文章もなかなかなもの、理解するのに一苦労した。単純だけどすんなり頭に入っていかないのがミソ。ということで、簡単な家系図を作れば更に理解が深まるはずと昔読んだ本を参照しようと書棚から引っ張り出した。ついでに関連の本を3、4冊積んで斜め読みしてみた。深澤忠孝著『草野心平の世界ーその道程と風土ー』(1978年、ふくしま文庫)や『猪狩満直全集』(1986年 猪狩満直刊行委員会)それに草野心平著『私の中の流星群―死者への言葉―』(1975年、新潮社。草野心平の詩を最初に認めた詩人山村暮鳥の一文も。掲載誌・年月一覧の作成は草野心平の年譜作成者の長谷川渉。兄民平や弟天平の記述もある。三兄弟全員が詩を書いていた珍しいケース。3、4年前に用事があって戦後すぐの文芸誌で西脇順三郎の記事を探していたら天平の詩が何編か断続的に掲載されていたのを偶然見つけた。1991年発行の新編本では解説は伊藤信吉、あとがきが長谷川渉になっている。ここには西脇順三郎についての記述があって、心平が西脇から慶應大学の教授に誘われたエピソードを紹介している)そして平窪郷土史編纂委員会編『平窪郷土史』だ。ローカル色の色濃い書籍がほとんど。深澤氏の新書版の略系図(本文P.23)と深澤氏が参考にした長谷川渉氏の草野家系譜(筆者による全集からのコピー製本)

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を見つけて合点、『猪狩満直全集』所収の初期詩集に跋文を寄せた心平の文章も読んだ。吉野せいが書いた文章を没にした経緯など内輪の事情が綴られていて興味深い。また、ネットでも関連ものを探った。その中に「草野心平研究史」なるのもあって、これまた参考になった。大分前の論考だが。残念ながら『平窪郷土史』にはこの関内エッセイに登場する草野家の人たちが通った中平窪富貴内の幕末平藩儒学者櫻關の培根塾についての記述はなかった。牧畜や牛乳舎にも言及したかったがそれは後ほど。(続く)


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超人の面白読書 128 雑誌『うえいぶ』第50号 終刊号(2017年3月31日発行 ) 7

いわき風土記・人物編 上小川村@草野家の続き。執筆者関内幸介氏は草野心平の親戚筋の人で資料も手に入りやすい環境にあることは容易に頷けるが、そればかりではなく、いろいろな文献をよく調査し解読しているようだ。惜しいかな、解りやすい文章がほしいー。それはさておき草野家では病気で早世したり、子どもに恵まれず養子をもらって家督を継がせていたりと複雑な家族だったことがよく分かる。寺の過去帳を調べることだけでは分からないことが多いはずだが、関係資料を執拗に追った賜物だろう。江戸後期には椎茸栽培、福島県で初めて株式会社組織の牧牛共立社を明治初期に戸渡に設立、馬喰を使って牛集めをしていたことしかもチーズや粉ミルクまで製造してわずか20年弱で解散したこと、いわき銘菓「六段最中」を発明し販売していたことなど興味深い事柄が続々と出て来るではないか。日本で初めて株式会社の会社組織を横浜で創設したのは丸善(創業者は福澤諭吉の影響を受けた早矢仕有的で店名は丸屋商社、現丸善雄松堂)で、確か明治2年、そういった近代的なビジネスモデルが福島県しかも小川町で設立されていたのだ。
試しにネットで関連事項を検索してみたら、執筆者の関内幸介氏は戸渡の「やまのがっこう」(3.11以降は放射能の影響もあって休止中)などいろいろなところで講師や案内役をしている。

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超人の面白読書 128 雑誌『うえいぶ』第50号 終刊号(2017年3月31日発行) 6

小川(筆者的には敢えて小川)の風土がそうさせたのか、それともたまたまそういう進取の気性に富んだ人たちが集まっていたのか分からない。大方はむしろごく普通の暮らし向きを良しとしていたのではないかと考えたいが、その辺の事情は筆者には分からない。母親の実家周辺を見渡せば先祖がやはり山あいに入って山林関係の仕事に携わっていたことは容易に想像がつく(母方の祖母の出の内倉あたりは江戸時代に新田開発を手掛けていたようだが、内倉から少し下ったところで生計を立てていた祖父の時代は炭焼きや材木切り出しなどの山仕事や葉煙草栽培、果樹園それに田畑での野良仕事が主であったと記憶している)。母親の実家が湯の沢の近くだったということもあって、小学時代は母親の用事がある度にバスなどでよく“重箱運搬人”として駆り出されたものだ。バスは路線によっては確か一旦小川郷駅に入って上小川方面に向かうこともあった(が、時々は父親の妹、叔母の嫁ぎ先の柴原、父方の祖母の出の高萩に寄ったことも)。上小川行の終点はお菓子屋の「吉野屋」の前、それから乗り換えて二ツ箭山の中腹、内倉方面行のバスに乗り湯の沢の先のバス停留所で下車するのだ。次のバスを待つ間、鰻の寝床みたいな細長い「吉野屋」の窓側の小さな畳張りの休憩所で母親とバスを待った。その間母親はやや小柄だがはきはきした店の女将と世間話をしていたのだ。今となっては遠い記憶ー。(続く)

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超人の面白読書 128 雑誌『うえいぶ』第50号 終刊号(2017年3月31日発行) 5

阿武隈高地(昔は確か山脈と言っていたが)、とりわけ二ツ箭山近くの磐越東線「小川郷」駅周辺の地域を巡る物語は、明治、否江戸後期、大正、昭和の時代を逞しく生きた草野家の人々の物語、言い換えれば個性豊かな人々の輩出であったことがこのエッセイから読み取れる。夏井川、本郷、紋十郎家、登と欽一郎、小川の百貨店、佐平太と遠平、戊辰戦争と奥羽出張病院、宮本壽硯、櫻關と培根塾、牧牛共立社、小川劇場、常慶寺、天文一揆と草野興八、高蔵・馨・心平、皇室と戸渡のヤマユリ、櫛田民蔵とマルクス學、眞崎甚三郎、草野氏文書、生と死と、祖父の家、結びにそして謝辞が小見出しで、読み進むにつれ、静寂の地下道から水滴がぽとりぽとりと零れ落ちる音が聞こえてくるようだ。
ここで草野心平自身の詩作品、かの有名な詩篇「上小川村」を書き写してみれば本郷界隈、“火の見やぐら”周辺がより鮮明になる。

上小川村

  大字上小川

ひるまはげんげと藤のむらさき。
夜は梟のほろすけほう。
ブリキ屋のとなりは下駄屋。下駄屋のとなりは小作人。小作人のとなりは質屋。
質屋のとなりは鍛冶屋。鍛冶屋のとなりはおしんちやん。おしんちやんのとなり
は馬車屋。馬車屋のとなりは蹄鉄の彦・・・・・・。
昔はこれらはみんななかつた。
昔は十六七軒の百姓部落。
静脈のやうに部落を流れる小川にはぎぎよや山魚もたんさんゐた。
戸渡あたりから鹿が丸太でかつがれてきた。
その頃ここで。
白井遠平が生まれ育つた。
櫛田民蔵が生まれ育つた。
いまも変なのが少しはゐる。
人のいい海坊主みたいにのろんとした草野千之助も生きてゐる。

ひるまはげんげんと藤のむらさき。
夜は梟のほろすけほう。

   背戸は赤松の山。前はすすきや草のなだらか
   な丘に屏風岩。そのまんなかのにぶい蛍色の
   出で湯をまもる家一軒。ここを湯の沢といふ。

ー岩波文庫『草野心平詩集』より
(続く)

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超人の面白読書 128 雑誌『うえいぶ』第50号 終刊号(2017年3月31日発行) 4

この雑誌の目玉ともいえる、詩人草野心平の家系を探って余りある関内幸介氏の「夏井川のほとりにてー本郷界隈のことどもー」を二三度繰り返して読んだ。旧仮名遣いを使っていてやや読みづらかったが、内容は興味深く教えられることも結構あった。何度も地図を見ながら本文を追うと同時に、筆者の幼少期の記憶も動員しての多重奏的な読書となった。22頁もあるエッセイは草野心平の家系図を一つ一つ繙いていて、遠い記憶をジグザグしながらも見事に蘇らせている。それはやや“複雑系”のファミリーヒステリーと呼ぶべきものだろうか。進取の気性に富んだ人々の歴史でもあるのだ。鉱物学が得意な執筆者らしく、地形を詳しく描くところから書き始めている。(続く)

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超人の面白読書 128 雑誌『うえいぶ』第50号 終刊号(2017年3月31日発行) 3

そんな中、米倉明氏の「押し付け憲法論」無用論を読んだ。現憲法が世界に稀な平和憲法で、それは先の世界第二次世界大戦で最後には原爆を投下され敗戦した反省から、二度と戦争をしないと誓った新生日本の姿勢を謳ったものだ。GHQに押し付けられてできたものではなく、現平和憲法草案は当時の関係者がマッカーサー他GHQの関係者と何度も協議してできたことは歴史的事実だろう。
米倉明氏の「押し付け憲法論」無用論は、短いエッセイながら論点を整理、問題点を浮き彫りにして「押し付け憲法論」を一蹴している。お見事という他ない。

このエッセイの最後に次のように書いている。
「・・・改憲を唱えるのに押し付け憲法論などは不要(かつ押し付け憲法論の論者にとって有害)であって、押し付け憲法論をきれいに棄て去り、端的に70年を超えた現憲法にはあちこち不備が目立つようになったので、この際改憲しようと呼びかければ足りる。そして、広く国民の意見を徴して改憲の是非を問えばよい」全く同感だ。
矢吹道徳氏の樋口陽一・米倉明両先生との出会いについて②は、著名な民法学者・米倉明氏のそのユニークな生い立ちにも触れながら、レスペクトをもって接した米倉明氏・樋口陽一氏(樋口陽一氏のエッセイは確かこの雑誌の前の号で読んだ)の出会いといわきでの(米倉明氏は小学中学時代を当時の平市、現いわき市で過ごした)交遊を活写している。
と書いてこの項を終えようとしたが、どうも出だしの1989年(昭和64)年『世界』2月号に掲載された「Z先生への手紙ー一市民の野暮な問い」が気になり、その掲載誌を探した。現物にあたってみようと考えて神保町の古本屋山陽堂へ。この古本屋は岩波書店ものを扱っているところで、ここならあるはずと目をつけて入ったのだが、雑誌のバックナンバーは売りものにならず置いていないと店主、ついでに岩波書店の本はどうかと筆者が尋ねると売れなくて困っているとの返事。硬派の本が売れなくなっているのだ。そう言えば、岩波書店のものを扱っていた新刊本の書店『岩波ブックセンター 信山社』も去年の11月に倒産している。結局地元の中央図書館から借りて読んだ。少し横道に逸れたので話を元に戻そう。昭和64年2月号の『世界』は歴史とは何かという特集を組んでいた。目次を見ると、井出孫六、江口圭一、中村政則、中村雄二郎、澤地久枝、弓削逹、鶴見俊輔、D・ラミス、奥村宏、内橋克人、鎌田慧、宇沢弘文、隅谷三喜男、粉川哲夫、辻邦生、藤本義一、M・ピーターセン、田辺聖子、野間宏、立松和平、津村節子などそうそうたる執筆者が顔を揃えている。当時は昭和天皇の崩御で自粛ムードが漂っていて暗い感じだったことを筆者もよく覚えている。「Z先生への手紙」は83頁から92頁、9頁にわたって綴られていた。天皇制の議論について一民法学者からの手紙形式による所見を分かりやすく述べたもの。天皇制など不要と。論理立てて手短に書いている。それは「押し付け憲法論」無用論にも通じるものだった―。

1989年(昭和64)年『世界』2月号に掲載された「Z先生への手紙ー一市民の野暮な問い」を読むはこちら→「yonekura_z_sensei.pdf」をダウンロード

(続く)

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超人の面白読書 128 雑誌『うえいぶ』第50号 終刊号(2017年3月31日発行) 2

今安倍政権は自ら墓穴を掘った格好で支持率が急落、政権維持が困難な状況に来ている。この政権の目玉の一つが戦後レジュームからの脱却で現憲法を改正して新しい憲法をつくることなのだが、数の論理に任せて強硬採決した安保法制やテロ等準備罪法(共謀罪法)など戦前回帰と思わざるを得ない国民にとっては極めて危ない法案を可決して来たのだ。そこには国民目線がほとんど感じられない安倍首相自らのパフォーマンスのオンパレードで政治言語が独り歩きしている。

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超人の面白読書 128 雑誌『うえいぶ』第50号 終刊号(2017年3月31日発行)

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友人S氏からいわきの総合文化誌『うえいぶ』が届いた。終刊号に相応しく刺激的な記事が多い。地方創世といいながらこういった文化の香りたっぷりの雑誌が退場してしまうのが惜しい。創刊から29年、50号を出して終刊、一定の役割を果たしたのかも。筆者は時々S氏から贈られてくる号に目を通していたに過ぎなかったけれども―。紙面には『洟をたらした神』で有名な吉野せいに因んだ第39回吉野せい賞も発表されている。特に前半の3本の記事は秀逸までは行かないまでも結構読ませた。冒頭は草野心平記念館での詩人荒川洋治氏の講演「詩を知るよろこび」、続いて米倉明氏の「押し付け憲法論」無用論、樋口陽一・米倉明先生との出会いについて②そして草野心平の家系を追った力作、関内幸介の「夏井川のほとりにてー本郷界隈のことどもー」が並んでいる。講演記録とエッセイの類いだ。
荒川洋治氏の講演では面白い提案も。灘中学校の橋本武先生が中勘助の『銀の匙』をテキストで使い独自の奥の深い授業をしたように、吉野せいの『洟をたらした神』をテキストで使ったらどうかと。昭和期の農村の風景が読み取れる好テキストで一冊を一年間読み続けることを提案しているが、これは筆者も同感で、草野心平記念館主催でいわき駅近くで記念館サテライトを設けて開講したらいい。その際に小学生、中学生、高校生それに一般人向け広く開放することだ。「日本一不便で日本一の文学館」といわれている草野心平記念館(筆者的には日本一不便なことは分かるが、日本一の文学館かは分からないが。それはともかくとして友人S氏が配布した退職挨拶文の中に、この館を創設したことが自分の大きな実績の一つだと書いていたことを思い出した)をより身近な存在にしていくには関係者の柔軟な発想と気概が不可欠だろう。心平さん号とか名付けて専用の観光バス(横浜の港を走る「赤い靴号」などを参考にして)をループ形式で走らせるとか。いわき市は面積が広いからコストなど考えないといけないが、ボランティアのガイド付で吉野せい・三野混沌の菊竹山(その前に川中子の猪狩満直の生家も見学)→草野心平記念館→草野心平実家公園→天田愚庵・松ヶ岡公園→いわき市立美術館などを巡るコースを考えても良いではないか。コストは寄付金などで賄うとか。道中は草野心平の詩を読んだり、郷土の文学者に因んだクイズを出したりと楽しだらいい。
荒川洋治氏が言われているように、日本でたぐいまれな豊かな文学、特に詩歌文学が栄えた地域として語り継ぐ必要があるのかも。(続く)

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超人の書評紹介 2017年7月9日(日)新潟日報読書欄 にいがたの一冊 加藤孝男、 太田昌孝著『詩人 西脇順三郎 その生涯と作品』

『新潟日報』2017年7月9日(日)読書欄に澤正宏氏による、加藤孝男、太田昌孝著『詩人 西脇順三郎 その生涯と作品』が掲載された。西脇順三郎研究の第一人者による書評は、「詩の基層にある絶対的な現実を追体験するところから記された貴重な著作である」と本書の性格を述べたあと、「西脇順三郎の従兄が記した『西脇義一郎日記』への太田昌孝氏の言及は特記すべきである」、また、加藤孝男氏のイギリス留学時代の追跡は、新事実を調査しての圧巻で新鮮と論評した。
澤正宏氏の書評全文は下記の通り。

郷愁の表現 足跡たどり追及

この度刊行された本書は、日本の現代詩のパイオニア(開拓者)の筆頭にあげられる詩人・西脇順三郎(1894~1982年)を紹介、解説する一冊である。
1920年代中頃よりスタートした日本の現代詩をリードしていった詩人だけに、順三郎の詩は難解であり、現時点でノーベル賞候補者に8回も推薦されていたことが分かっているのだが、正式な受賞を逃した一因に詩の難解さがある。加藤孝男、太田昌孝両氏が共著の本書は、こうした順三郎の「詩の基層にある絶対的な現実を追体験する」(あとがき)ところから記された貴重な著作である。
確かに、小千谷が生んだこの偉大な詩人については、詩や詩論が紹介されることに比べれば、「詩の基層」、つまり、順三郎の生活体験から詩を読んでみるという試みは少なかった。本書の最大の特色は、長期にわたって小千谷に深く関わり、とくに小千谷市民でもあった1年間の経験を生かしながら、太田氏が西脇家一門を含めた、順三郎の幼少期を掘り起こしている部分、また、戦後から晩年にかけての郷里・小千谷に対する味わい深い郷愁の表現を紹介している部分などである。ことに順三郎の従兄が記した「西脇義一郎日記」への言及などは特筆すべきであろう。
加藤氏の順三郎の足跡やその詩への探求心も見事な成果を展開している。とりわけ、往路を含めた順三郎のイギリス留学時代の足跡は、新事実を調査しての圧巻で、順三郎の旅路やロンドンでの生活実感が伝わってくる手応えがある。エジプトでのピラミッド見学の検証、ロンドンで下船した埠頭の確定、マージョリ・ビットルとの出会いから恋愛、結婚、彼女を伴っての帰国などの記述は、知られざる事実の満載でとても新鮮である。
本書は「新潟日報」紙に「聖地をたずねて」と題して1年半にわたり連載した記事をまとめたものである。この一冊をあらためて読み返してみると、書物の基本的な骨格として、太田氏の民俗学を重視した小千谷からの視点と、加藤氏の当時のヨーロッパ社会、文学動向をふまえてのロンドンからの視点とが見事に対をなして、順三郎の郷里・小千谷とそこへの郷愁という詩の表現とに向かっていることに気づかされる。
詩人・西脇順三郎をより深く知ることのできる一冊が、順三郎に関する書架に加わったことを喜びたい。

全文を書き写してみて澤正宏氏の批評の確かさを思った。

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超人のドキッとする絵画 31 東京都美術館 ボイマンス美術館所蔵「バベルの搭」展

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 【東京都美術館の案内チラシの
 「バベルの搭」】
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【東京都美術館入口付近の案内ポス
ターの「バベルの搭」】
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【入口の大友克洋の「Inside Babel」】
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   【出口の「バベルの搭」】
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【上野構内の『たいめいけん』。海老
オムライス+チラシ「バベルの搭」】

ジョージ・オーウェルの『1984』をやっと読み終えた。ディストピア小説の最高傑作。新訳もこなれていて読みやすい。限りなく「現代」を映し出していてそら恐ろしい。この想像力・創造力!恐らく著者の経験が背景にあることは容易に想像がつく。でないとこれだけの小説は書けない。トーマス・ピンチョンの解説もまたよく読み込んでて的確、素晴らしい。今度は念願のジョージ・スタイナーの『After Babel』に原著と翻訳書でチャレンジしたい。この原著の見返しにはこの本の内容を象徴的に表している「バベルの搭」の絵が挿入されている。原著は複数の言語で書かれていてかなり根気のいる読書となるはず。翻訳は原著が出て35年後に刊行された([上]が1997年、「下」が2009年に刊行)。まさしく言語と翻訳の問題を扱っている。 その前に気になっていた展覧会に出向いた。

東京都美術館特別席展
ボイマンス美術館所蔵
ブリューゲル「バベルの搭」

16世紀ネーデルラントの至宝ーボスを越えてー
オランダのボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館のコレクションから、ピーテル・ブリューゲル1世の「バベルの搭」(旧約聖書の「創世記」にある伝説の搭。天まで届く高い搭を築こうとするも、同じ言葉を話す民だからこんなことをすると言葉を通じなくし搭の建設を途中で打ち切ってしまう。神の逆鱗に触れた話。傲慢さと愚かさの戒め)と奇想の巨匠ヒエロニムス・ボスの作品を中心に、絵画、彫刻、版画など16世紀ネーデルラント美術のコレクション約90点を展示紹介。(参照: 東京都美術館CALENDAR 2017[平成29].4→2018[平成30].3)

16世紀北ヨーロッパのオランダ絵画の世界に。
「aera_mook_2017.4.20刊ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展公式ガイドP.78-P.79).pdf」をダウンロード
少し薄暗い世界、幻想、怪奇、寓話の世界へ。教会関係者の彫刻から始まり、肖像画などホラント地方の美術、ボスの絵

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【ボス: 浮浪者(行商人)  よく観察すると面白い】
や版画などを観て歩き、奇想の世界に

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【ブリューゲル: 大きな魚が小さな魚を食う。
当時の体制批判、寓意画】

少し引き込まれたあと(何故か横須賀美術館て開催された「澁澤龍彦展」を思い出した)、ピーテル・ブリューゲル1世の[バベルの搭]を観賞。その絵の何とも言えない造形美、人々の表情など描写の緻密なこと、それに色彩の冴え、一つ一つ観ていても飽きず、これが16世紀中期のものかと驚くばかり。筆者的には褐色の搭に不穏な雲、それはニューヨークの世界貿易センタービルに飛行機が突撃してビルが崩壊し多数の犠牲者を出した大惨劇、あの16年前の9.11同時多発テロのシーンを思い起こした。しかし、この絵の前には人だかりができていて、じっくり観賞している暇はなく係員の誘導するまま歩を進めざるをえなかったのが残念。特に出口付近のミュージアムショップでは買い物客でレジは長蛇の列、いやはや凄いことになっていた。これでは“建設中”の「バベルの搭」も崩れそうな気配(笑)。それで急いで東京都美術館を出て、JR駅構内の『たいめいけん』で食事をしたのだが、驚くなかれここのメニューに“バベルの搭カレー”なるものがあったのだ。ファミリーで食事のテーブルにはそのバベルの搭カレーが供されていた。搭は黄色みがかっていてきもち高かった。老舗の洋食屋はあやかりメニューまで作ってしまったー。

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明治大学アカデミーホール「大岡信さんを送る会」

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2017年4月5日、86歳で永眠された詩人・評論家の大岡信さんを送る会に急遽駆けつけて献花させて頂いた。和服姿の写真は柔和そのもの。優しい人柄が偲ばれた。仕事帰りで会も終わり近く、間に合って良かった。一礼をしたかったのだ。また、Yさんにもお目にかかれたらとも・・・。


春のために


砂浜にまどろむ春を掘り起こし
おまえはそれで髪を飾る おまえは笑う
波紋のように空に散る笑いの泡立ち
海は静かに草色の陽を温めている

おまえの手をぼくの手に
おまえのつぶてをぼくの空に ああ
今日の空の底を流れる花びらの影

ぼくらの腕に萌え出る新芽
ぼくらの視野の中心に

しぶきをあげて廻転する金の太陽
ぼくら 湖であり樹木であり
芝生の上の木洩れ日であり
木洩れ日のおどるおまえの段丘である
ぼくら

新らしい風の中でドアが開かれ
緑の影とぼくらとを呼ぶ夥しい手
道は柔らかい地の肌の上になまなましく
泉の中でおまえの腕は輝いている
そしてぼくらの睫毛の下には陽を浴びて
静かに成熟しはじめる
海と果実

ー『大岡信の詩 16』(配布された小冊子)から

雑誌『現代詩手帖』6月号の大岡信特集号を少し目を通した限りでは、大岡玲の“師匠”の話や北川透の“シュルレアリスム、オートマチスム”のエッセイが良かった。いやいや、高橋睦郎さんの大岡信さんと飯島耕一さんとは仲が悪かった話も面白かった。前述した北川透のエッセイに、大岡信は理詰め、他方、飯島耕一は奇抜なアイデアと飛躍する連想を得意とすると二人の違いを浮き彫りにしていた。

追記 今朝のNHKニュースを観ていたら、昨夜の大岡信さんをしのぶ会の模様が放送されていた。長年の詩の仲間で友人の谷川俊太郎さんのお別れの挨拶、女優の白石加代子さんの
「水底吹笛」の朗読があったようだ。筆者は遅く行ったので聴けなかったが。

追記2 大岡信さんについては凝った詩集を出していたYさんからよく聞いていた。また、朝食はスパゲッティで、電車内では片足立ちなどしてバランス感覚を磨いていた。彼のエッセイか何かで読んで記憶に残っている。また、詩人の渋沢孝輔氏が亡くなった時の新聞の死亡欄か追悼文に、大岡信さんが詩人渋沢孝輔の性格の問題でえらく苦労したと書いていたことを思い出した。確か墓をどうするか云々の話だったと思う。面倒見の良い人だったのだ。

追記3 雑誌『現代詩手帖』6月号の大岡信特集号で大岡信さんと谷川俊太郎さんの違いを書いていた人がいて、そのさりげない言辞は示唆的だ。

三浦 大岡信と谷川俊太郎は対になって、片一方は批評家で片一方は詩人だと思っていたのが、大岡さんのが感覚派で、俊太郎さんのほうが理論派だということです。谷川俊太郎のほうがよっぽど理屈っぽくて哲学者っぽい。谷川徹三さん以上だと。―中村稔 菅野昭正 三浦雅士の鼎談「大岡信、詩的出発の頃から」  

谷川はやさしい言葉で、難かしいことを伝えますが、大岡さんを思うと、難かしい言葉をつらねて、その言いたいことを言います。―湯浅譲二「大岡信の死」
【写真: 筆者撮影】

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超人の面白ラーメン紀行 232 JR 水道橋駅『麺や すする水道橋店』

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JR水道橋駅東口ガード下にオープンしたラーメン店『麺や すする』(因みに「すする」の英語はslurp で音をたててすするの意。欧米ではsipの音をたてないですするという言葉が一般的。スープを音をたててすすることはマナー違反とされている。食文化の違いがー。ところが、アーバンラーメンがニューヨークに進出して日本のラーメンの食べ方を店に表示した、その中心概念はslurpだった!)たまたま仕事でこの辺を通りかかった時に見つけた店で、店の名前に“すする”をネーミングするほど麺とスープにこだわった、新感覚系つけ麺専門店だ。去年設立され本店が学芸大学前にあるらしい。
つけ麺(880円)を頼んだ。供されたつけ麺は美的センスのあるレイアウトのトレーに濃厚魚介系スープ、中太ストレート麺、チャーシュー、薬味のネギ。カウンターにはつけ麺をすすって食べる効果的な指南書も置かれていて、柚子酢やラー油などを加えることで味の変化を楽しむことができるのだ。一啜り、二啜りしてつける麺とその後の食感を味わった。濃厚スープにもちもちした麺が絡み美味。啜る音もまたいい。チャーシューは多少歯応えがあった。実はこのチャーシューは、店のホームページによれば、一度スープに30秒ほどつけてから食べると柔らかて美味しく食べられるらしい。
店内はカウンター席とボックス席併せて17席、土曜日の昼の時間帯で店は混んでいた。まだ開店して1ヶ月半、不慣れなところが目立った。
『麺や すする水道橋店』1.スープ★★☆2.麺★★☆3.トッピング★★4.雰囲気★☆5.価格★☆

追記 今度はラーメン(850円)に挑戦したが、味は良いのにスープが濃厚過ぎた!塩辛い。思わずテーブルにあった魔法瓶のスープ割をひねりの効いたどんぶり(残念ながら下の写真ではうねったところが隠れていて見えない)に注いだのだ。咄嗟の調合である。麺もやや硬めでもちもち感がイマイチ、チャーシューは硬めの豚バラ、スープの量も少なめ、つけ麺とは二味も違っていたか。

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文化講演会の案内 クロスカルチャー出版主催 第11回 「魅惑の私鉄沿線物語ー小田急・京王沿線の近現代史」

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クロスカルチャー出版主催の第11回文化講演会が江戸博で開催される。今回で11回目のタイトルは、『魅惑の私鉄沿線物語ー小田急・京王沿線の近現代史』で講師は専修大学の永江雅和先生。どなたでも気軽に聴講が楽しめるみたい。詳細は上記の案内チラシで。

追記 6月30日の東京中日スポーツ新聞はじめスポーツ紙3紙や7月4日の読売新聞夕刊、7月8日の東京新聞夕刊にも開催情報が掲載されて反響があったみたい。学生さんと新聞を見た人などがほぼ半々の割合で理想的な聴講者の構成、欲を言えば、あと少し聴講者が入っていると良かったかも。カラフルでビジュアル的なレジュメ、分かりやすい講演で好評だった。こういった講演をまた開催してほしいという声も。(2017.7.20 記)

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超人の面白読書 127 加藤孝男(東海学園大学教授) 太田昌孝(名古屋短期大学教授) 『詩人 西脇順三郎 その生涯と作品』 8

この長い書評も終わりに近づいてきた。再読して思わぬ発見があった。本書の前半部分は比較的短い『新潟日報』の連載記事(西脇順三郎の軌跡を追う特派員報告風)に対して、後半部分が書き下ろしの詩と解説・評釈の、いわば、二部構成になっている。筆者は最後の章を読んで思わず最初の頁に戻り、「記念室の神話」を読み返してしまった。そこには元小千谷市立図書館長新野弘幸氏の西脇洋書保存の画期的な試みが記されていた。
ということで、循環型の読書が可能ということを発見したのだ。もちろん、後半部分から読むことも可能だ。大きな活字や豊富な写真もいい。難しい詩の本から開放されて気軽に読書の楽しみを教えてくれる。
著者の太田氏はあとがきで、「小千谷そば和田」や西脇順三郎記念室・偲ぶ会の事務局長の小見山昭氏のことを小千谷の風景に溶け込ましながら、「ロンドンと小千谷に身を置いたわれわれの眼と耳が、西脇の放つポエジーに操られながら一つの定点を見据えていたことに気づいていただければ幸福この上ない」と本書を結んでいる。上質なウィスキーと上品な日本酒を交互に味わった感じのする本である。西脇本の入門書としても最適な本。読者諸氏よ、ぜひ手にとって読んでほしい。
クロスカルチャー出版 2017年5月31日 刊。

追記 2017年6月24日(土)の『新潟日報』朝刊文化欄に『詩人 西脇順三郎』が紹介されたみたい。

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超人の面白読書 127 加藤孝男(東海学園大学教授) 太田昌孝(名古屋短期大学教授) 『詩人 西脇順三郎 その生涯と作品』 7

太田氏は「山樝(さんざし)の実」、「まさかり」、「アポカリプス」、「えてるにたす」と「はしがき・幻影の人と女」を取り上げて繙く。そこには長年西脇詩に親しんできた太田氏ならではのやわらかい批評の眼があるように思われる。そのなかの「えてるにたす」から。

シムボルはさびしい
言葉はシムボルだ
言葉を使うと
脳髄がシムボル色になつて
永遠の方へ傾く
シムボルのない季節にもどろう
こわれたガラスのくもりで
考えなければならない
コンクリートのかけらの中で
秋のような女の顔をみつけ
なければならない季節へ
存在はみな反射のゆらめき
世界へ
寺院の鐘は水の中に鳴り
逆さの尖塔に
うぐいすが走り
ひつじぐさが花咲く
雲の野原が
静かに動いている


“シムボルはさびしい
言葉はシムボルだ”
西脇らしい言葉使いの二行だ !


太田氏は書いている。

西脇詩は難解であり、深い教養に象られた崇高な詩であるという評価は、実は西脇詩の全体像を把持した批評ではない。中略。西脇の何物も求めないという「空」で原初的な思考が、戦後の世界が目指したものとは大きく異なる方向性を持ったため、現代人の感性や理解のアンテナに触れなかったのである。

本書ではやや難解な部類に属する文章だ。理解が全くできないというわけではないが、執筆者の太田氏が言わんとしていることも分かるような気がする。それは時代の感性といったものだろうか。筆者が青年時代に親しんだ北欧文学研究者で詩人・作家・評論家の山室静は、西脇よりはるかに思想遍歴をした人だが、「無常観」を人一倍持っていた人だ。晩年は植物を愛でてその詩もあるくらい。

西脇の詩は読者にアタルクシア(魂の平安)をもたらすという(本文P.140)。また、同じ頁でこうも語る。太田氏も20代の頃深沢を徘徊しながら「人間存在の根本的なつまらなさ」(『超現実主義詩論』)を実感したというのだ。
太田氏は、最後に『旅人かへらず』の「はしがき・幻影の人と女」を引き合いに出しながら、西脇詩学の鉱脈として、またその中枢を形成する詩想の源泉として評釈を試みている。ここには「幻影の人」を定義しながら、著者太田氏の西脇詩に対する深い愛情があるように思われる。(続く)


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超人の面白読書 127 加藤孝男(東海学園大学教授) 太田昌孝(名古屋短期大学教授) 『詩人 西脇順三郎 その生涯と作品』 6

さて、本題に戻ろう。第4章 西脇順三郎の詩の魅力をあじわうは、加藤氏と太田氏の西脇詩の代表作を例にとって解釈を試みた書き下ろしである。この章を再読して感じたことは、西脇詩を子細に読み解きかつ分かりやすく解説している点だ。有名な「雨」(註)ついての解釈では、戦後バージョンの「雨」に言及しつつ、改稿などという次元を超えて、あきらかに二つの異なる詩集と書き、歌人らしく戦後版『あんばるわりあ』の影響を受けた塚本邦雄の話に触れている(本文P.115)。同じく代表作「眼」についても戦前版と戦後版を比較し、一つひとつていねいに読み進み、解釈を施したあと、この詩を秀逸な出来映えと讃える。加藤氏の西脇詩に対する鑑賞力の鋭さ(冴えと切れ)があり、西脇詩の喩えに関しても独自の見解を持ち小気味いい。そして鑑賞は『近代の寓話』へ。「秋」Ⅰ、Ⅱ。

灌木について語りたいと思うが
キノコの生えた丸太に腰かけて
考えてる間に
麦の穂や薔薇や蕾を入れた
籠にはもう林檎や栗を入れなければならない。
生垣をめぐらす人々は自分の庭の中で
神酒を入れるヒョウタンを磨き始めた。

タイフーンの吹いている朝
近所の店に行って
あの黄色い外国製の鉛筆を買った
扇のように軽い鉛筆だ
あのやわらかい木
けずった木屑を燃やすと
バラモンのにおいがする
門をとじて思うのだ
明朝はもう秋だ

なるほど Ⅱ がいい。文房具にいろいろと刺激されている筆者としては堪らないが、“バラモンのにおいがする”には喩えが効きすぎる。そして、バラモンを講釈する加藤氏。「際立っている」と言うのも頷ける。
著者の加藤氏は『旅人かへらず』、『禮記』のなかから詩句を引用して、「幻影の人」、「遠いものの連結」や「無常観」を分かりやすく解説する。そして、土俗と近代との揺れのなかに、西脇の詩が存在したことを特記すべきと書く。

(註)戦前版の「雨」の詩と参考までにドナルド・キーンの英訳それに著作の中の西脇順三郎について。

南風は柔らかい女神をもたらした。
青銅をぬらした、噴水をぬらした、
ツバメの羽と黄金の毛をぬらした、
潮をぬらし、砂をぬらし、魚をぬらした。
静かに寺院と風呂場と劇場をぬらした、
この静かな柔い女神の行列が
私の舌をぬらした。

Rain

The south wind has brought soft godnesses.
They have wet the bronze, wet the fountain.
Wet the swallow's wings, wet the golden feathers
wet the tidewater , wet the sand, wet the fishes.
Gently, wet the temples, baths and theaters
The procession of gentle, soft godnesses
Has wet my tongue.

From DAWN TO THE WEST
Japanese Literature of the Modern Era
POETRY, DRAMA, CRITICISM
DONALD KEENE
HOLT, RINEHART AND WINSTON  1984  NEW YORK P.326

ドナルド・キーン氏の西脇順三郎について書いた文章は、2016年7月29日のこのコラムで読める
http://crocul.cocolog-nifty.com/callsay/2016/07/post-dc66.html

「幻影の人」はドナルド・キーン訳では“phantom man”だ。


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超人の面白読書 127 加藤孝男(東海学園大学教授) 太田昌孝(名古屋短期大学教授) 『詩人 西脇順三郎 その生涯と作品』 5

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閑話休題 2。もう一つの話題を。実は西脇順三郎を偲ぶ会主催の講演会があって、この日は詩人の白石かずこさんの詩の朗読と弟さんのサックス演奏があった。コラボというやつだ。題して遠い記憶、詩の旅、西脇順三郎の理解者を招いての講演会だったが(白石かずこさんは2回目)、86歳にもなる恐るべき大詩人の朗読を聴けるとは大変光栄、しかも、サックス演奏付きだ。西脇順三郎の詩に影響を受けた詩人として面白い話が聴けるとてっきり思っていた筆者は、ある意味で肩透かし(“カタルシス”ではない!)を喰った格好だ。西脇順三郎の話はほんの少しで、和紙の巻き紙の上に毛筆書きの詩を朗読するという、お馴染みのパフォーマンスが始まったのである。代表作「ハドソン川のそば」に英文を挿入したアレンジ版(?)ほか直近の詩まで。過去に何度か聴いていた筆者は、カラフルな衣装でパフォーミングする仕草はお見事と言うしかないが(所々マイクの調子がおかしかったのか彼女の声が途切れてしまったのはご愛嬌)、いつの間にかエキサイティングな魂の叫びに心を奪われてしまったから不思議。サックス奏者の弟さんが、「姉はいま、大変興奮しておりますー」と隣で言っていたのが印象的だった。世界中を駆け巡ってパフォーマンスを実演してきた自信がみなぎっていた。瞬間芸の極致、白石ワールドは枯れることを知らない詩芸だ。Thank you very much !
西脇順三郎も草むらの陰でにんまりしているに違いない。(続く)

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超人の面白読書 127 加藤孝男(東海学園大学教授 ) 太田昌孝(名古屋短期大学教授) 『詩人 西脇順三郎 その生涯と作品』 4

閑話休題。
ここで少し本題から離れて先週小千谷に行った話を書いてみたい。第1章の小見出しにあった「深地ケ岨(はば)」。執筆者の太田氏の文章から引用してみよう。

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「深地ケ岨(はば)」は河岸段丘の町、小千谷のなかでも奇跡的に残った峻厳な崖であると共に、信濃川のささやかな川波が寄せる名勝の地でもある。そのような場所を西脇順三郎は詩集『Ambarvalia』(1933年)所収の「旅人」で、「汝は汝の村へ帰れ 郷里の崖を祝福せよ その裸の土は汝の夜明けだ あけびの実は汝の霊魂の如く 夏中ぶらさがつている」という詩行として見事に結晶させている。中略。現在、「深地ケ岨」の崖の真上には遊歩道が作られ、市民の散歩コースになっている。古くは船改めの番所が置かれ、鉄道敷設前の小千谷における中心的な交通手段であった水運の拠点として栄えた深地は、今、静かにその営みをたたえているかのようだ。

その「深地ケ岨」の真上に建つ西脇順三郎の碑の周りがつい最近整備されたと聞き、西脇順三郎を偲ぶ会の副会長で医師の中村さん(『西脇順三郎の風土 小千谷の詩を詠んだ数々』の著者。この本の筆者の書評を読むはこちら→crocul.cocolog-nifty.com/callsay/2015/07/112-8602.html) の案内でその場所に行ってみた。以前見たより断然綺麗になっていて、碑といい、芝生といい、眺望まで見事である。小雨混じりの風景もまた、絵になるのだ。研究者や西脇文学愛好家にとってこの場所が魅力的なのも頷ける。元は個人の所有地で市に寄贈されて現在の整備された公園・遊歩道があると教えてくれたのは前述の中村さん。グレートリバービューは一見に値する。(続く)

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【写真: 左上 西脇順三郎の碑 左下 綺麗に芝生が植えられた公園・遊歩道。筆者撮影】

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超人の面白読書 127 加藤孝男(東海学園大学教 授) 太田昌 孝(名古屋短期大学教授) 『詩人 西脇順三郎 その生涯と作品』 3

第3章 西脇順三郎の魂にふれる旅ー東京、小千谷を歩く旅人ーの章は、ほとんど太田氏の筆による小文だが、加藤氏のものも混ざる。若き詩人、宇田川町、再婚と朔太郎、鎌倉から小千谷へ、小千谷の民俗から影響、柳田国男との交友、欧州古代の研究、折口信夫と接点、「1月の京都」、三田を去る旅人、芭蕉への共感、故郷・小千谷、小千谷から未来の項で終わる。第1章から第3章まで計31の『新潟日報』の記事を再読して感じたことは、本にまとめたことで新たな発見があったことだろうか。日々を追う新聞と本の形でまとめたものを読むと、時間がゆったりと流れて、新聞連載時に見過ごした語句も感得でき、理解の度合いが深まるのが分かる。(続く)

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超人の面白読書 127 加藤孝男(東海学園大学教 授) 太田昌 孝(名古屋短期大学教授) 『詩人 西脇順三郎 その生涯と作品』 2

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本書の構成は前半が『新潟日報』の記事で、太田氏の西脇順三郎の故郷小千谷を訪ねるところから始まる。第1章の小見出しを追ってみよう。記念室の神話、花を摘む少年、舟陵の学舎、「西脇本家」の蔵、深地ケはば、従兄・義一郎の日記で終わる。特に出だしの「記念室の神話」は印象深い。執筆者の太田氏は1年間小千谷に住んだ経験からこの手作り感たっぶりの「西脇順三郎記念室」を熟知していて、尚且つこよなく愛していることが短い文章から読み取ることができる。
第2章は、加藤氏執筆による英国留学時代の西脇順三郎の軌跡を追う旅。風のバラ、漱石から20年、人形の夢、ルイスの芸術論、Ambarvalia、緑の夜明け、カフェ・ロイヤル、西海岸の街 オーバン、凹型のパラダイス、鼈甲のような夏、病める時代、シュールレアリスムと英国を訪ねる旅、それは遥か昔大正10年代を彷彿させる心象風景でもある。筆者的には「鼈甲のような夏」に惹かれた。西脇が新婚旅行で2週間過ごしたセルシーの町を訪ねる小文だ。

「やがて/黄色い麦畑/その上にかすかに見える/コバルトの海/車前草(筆者註。読みはおほばこ)の路/風車のまはる田舎で/鼈甲のやうな夏を/過ごした」(『あむばるわりあ』

鼈甲のような夏とは特別な夏と加藤氏は書く。そして風車探しに。当時大分あった風車は今一つしかないと。それにしても「鼈甲のような夏」の喩えは尋常な人間にはなかなか思いつかない。しかし「鼈甲」という言葉の響き、エコーが焦げ茶色の艶々したイメージと相まって素敵。それが夏を形容していて、一瞬どんな夏だろうと思ってしまう。凡人には「鼈甲」の“鼈”の感じが書けるかのほうにむしろ気をとられてしまうのだが。
また、「シュールレアリスム」の項では、『日本のシュールレアリスム(超現実主義)』という本のなかで、澤正宏は、西脇順三郎の帰国と、その後の活動が、日本のシュールレアリスム受容の初期において「大きな事件」であったことに言及しつつ、西脇のシュールレアリスムの作詩法について語る。
西脇が繰り返し述べるのは、人間がもっている習慣化した意識を打ち破り、新たなヴィジョンを描くことであった。そのために、遠く離れたイメージを連結して、詩を作れと言ったことに着目している。(続く)

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超人の面白読書 127 加藤孝男(東海学園大学教授) 太田昌孝(名古屋短期大学教授)『詩人 西脇順三郎 その生涯と作品』

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クロスカルチャー出版から西脇本が刊行された。
加藤孝男(歌人。東海学園大学教授) 太田昌孝(詩人。名古屋短期大学教授)共著『 詩人西脇順三郎 その生涯と作品』(A5判 並製 本体1800円)。ISBN978-4-908823-16-9

ノーベル文学賞候補に何度も挙がった詩人で英文学者の西脇順三郎の生涯と作品を分かりやすく読み解いた好著。『新潟日報』に1年半にわたって連載された記事(留学先のロンドンや郷里の小千谷を訪ねた交換・照応記事)をまとめ、新たに代表的な詩10篇を加えて分かりやすく解説。読みやすい大きな活字と豊富な写真はビジュアル的に詩人西脇順三郎の生涯と作品をさらに味わい深いものにしている。

今、西脇詩を読まずして現代詩は語れない!

目次
はじめに
第1章 西脇順三郎の魂にふれる旅―少年、青年時代の西脇(故郷・小千谷にて)―
第2章 西脇順三郎の魂にふれる旅―英国の留学時代の西脇―
第3章 西脇順三郎の魂にふれる旅―東京、小千谷を歩く旅人―
第4章 西脇順三郎の詩の魅力をあじわう
西脇順三郎 略年譜
あとがき

まず目を見張るのは表紙の青の鮮やかさが光っていることだ。留学時代の若き西脇青年の写真も映えるが、ロンドンのテムズ川の畔をイメージした風景と表紙の裏は、越後山脈を遠くに配し信濃川の流れる故郷小千谷をイメージした風景との対比で、本書の内容を見事にシンボライズしている。(続く)

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超人のおもしろ焼きもの発見

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萩焼、土谷道仙14代の作品: 湯呑茶碗↓

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京焼、清水正の作品: マグカップ(左)↓

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萩と京
たわむれたのし
はるきらら


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クロカル超人が行く 202 江ノ島 2017 初夏 続

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クロカル超人が行く 202 江ノ島 2017 初夏

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クロカル超人のすぐに役立つグルメ情報

◼️グルメ情報
1.ラーメン店•らあーめんやまぐち(西早稲田)鶏そば👉訪問済
2.ラーメン店•ほうきぼし(神田)
3.ラーメン店•潮(神田淡路町)白湯 アスパラ入りラーメン👉訪問済
4.ラーメン店•鮮魚らーめん五ノ神水産 銀ダララーメン👉訪問済
5.ラーメン店•空の色(麹町)ベジそば 野菜系
6.ラーメン店•響くろき(裏秋葉原)鶏そば 淡麗系👉訪問済
7.ラーメン店•台湾まぜそば 追い飯
8.ラーメン店•かもめ食堂(新横浜ラーメン博物館内)牛タン入り
9.ラーメン店•谷口食堂(新横浜ラーメン博物館内)
10.イタ飯•レストラン八木(代官山)冷製パスタ
11.塩•能登の浜塩
12.コーヒー店•バリスタ田中(下北沢) ニューヨーク仕込みのバリスタ
13.食卓道具•醤油さし COROBA 9 卵形👉購入済、イマイチ
14.とんかつ•とんかつ武信(代々木上原)👉訪問済
15.レストラン•ビストロオオカミ(千住)ムール貝
16.ラーメン•でぶそば(栄区)渥美清が通った店
17.そば屋•泰明庵(中央区銀座)そば屋のカレー
18.洋食店•洋食キムラ(御徒町)ロースカツ
19.和食店•お多幸(日本橋)とうふ飯
20.アジフライ•(西麻布)田はら 愛媛奥地アジ
21.モッツアーラチーズの専門店(テレビ朝日近く)
22.ラーメン•(新宿)あら炊き塩ラーメン
23.そばとうどん•そどん(戸塚区)
24.天ぷら•天ぷらめし金子(日本橋)
25.定食屋•食堂(平塚)
26.ブライアン•ラーメン•7年で2000杯
27.ラーメン•ロンドン•ピイキー•クラットン とんこつ ?
28.麺処ほん田(東十条)塩ラーメン👉訪問済、美味
29.麺や庄の 新宿区市谷田町 四万十生姜中華そば
30.麺屋一燈 鶏のガラと魚介スープ 自家製麺は氷水でしめる(新小岩•東新小岩1ー4ー17)👉訪問済、美味
31.たいめいけん(日本橋)→訪問済
32.湯浅醬油蔵元(和歌山)新古敏朗
33.ソーセージ(山形)ー片平琢朗
34.マルデイ•グラ(銀座)ハンバー
35.とんかつ•あげづき(神楽坂)※ここから69まで「ミッシュラン 2014年」が選んだ和食店
36.とんかつ•イマカツ(六本木)
37.とんかつ•自然坊(久が原)
38.とんかつ•すぎ田(蔵前)
39.とんかつ•とん太(高田馬場)◎
40.とんかつ•燕楽(池上)
41.とんかつ•大倉(二子玉川)◎
42.とんかつ•たいよう(武蔵小山)
43.とんかつ•武信(代々木上原)➡︎14.と同じ店👉訪問済
44.とんかつ•ポンチ軒(小川町)👉訪問済
45.とんかつ・マンジェ(八尾市)日本一のとんかつとか。3時間以上も並ぶとか。2016.4.23 テレビ東京「クロスロード」で紹介
45.とんかつ•まさむね(赤坂)
46.とんかつ丸五(秋葉原)
47.うどん•釜竹(根津)
48.うどん•喜心(赤羽橋)
49.うどん•佐藤養助(有楽町)
50.うどん・すみた(赤羽)◎
51.うどん•長谷川(大泉学園)
52.おでん•恵さき(神楽坂)
53.おでん•狩の川(小川町)
54.おでん•こなから本店(湯島)
55.おでん•Den(四谷)
56.おでん•呑喜(東大前)
57.おでん•楽(四谷3丁目)
58.おでん•力(銀座)
59.うなぎ•安斎(荻窪)
60.うなぎ•色川(浅草)
61.うなぎ•竹葉亭本店(銀座)
62.うなぎ•鮒興(代々木上原)
63.うなぎ•(学芸大学)
64.ラーメン•維新(目黒)
65.ラーメン•好日(東中野)
66.ラーメン•Gottsu(練馬)
67.ラーメン•しながわ(池袋)
68.ラーメン•麺や金時(江古田)
69.ラーメン•不如帰(幡ヶ谷)※「ミッシュラン 2014」が選んだ店ここまで
70.チャーハン•龍園(浅草)
71.チャーハン•美味飲茶酒楼(代官山)
72.おでん•京都•蛸長(東山区宮川筋1ー237 ☎️075-525-0170)
73.鰻・伊豆榮(池之端本店)
74.鰻・押田(国立)👉訪問済
75.鰻・駒形前川(浅草)
76.ラーメン・らあ麺とうひち 京都市北区大宮北箱の井33-6 セルリアンハイツ1階 2015年3月オープンの店。醤油系。北大路駅から約1キロ。
77.ラーメン・いいちょ 北大路駅から徒歩10分。バス停府立大学前あたり。醤油系。
78.ラーメン・浅月本店。岡山ラーメン
79.ラーメン・竹岡式ラーメン→うめや(千葉県富津市)
80.ラーメン・担々麺(勝浦)
81.パスタ・東京MEAT酒場 新宿御苑前店 新宿3丁目 都営新宿線線新宿3丁目駅下車徒歩4分
新宿区新宿2-7-2 サニーコーポ 新宿1・2 03-5366-5636 トマトソース ミートソース
82.ラーメン・独歩 新宿御苑前 醤油ラーメン
83.ラーメン・中華そば 春木屋 杉並区上荻1ー4ー6 ☎️03-3391-4868 荻窪駅北口徒歩2分
84.ラーメン・狼煙屋 東大和市清水6-1257-17 西武多摩湖線武蔵大和駅徒歩10分
85.ラーメン・SOBAHOUSE 不如帰 ハマグリ味 渋谷区幡ヶ谷2ー47ー12 ☎️03-3373-4508
86.ラーメン・東池袋 大勝軒 豊島区南池袋2-42-8 03-3981-9360
87.ラーメン・南池袋1-21-5 元祖めんたい煮こみつけ麺
88.ラーメン・二子玉川 しょうがラーメン 鮎ラーメン
89.ラーメン・曙橋 灯花
90.ラーメン・山口 下松ラーメン
91.ラーメン・大阪 高井田ラーメン
92.おでん・新橋かま田
93.カツカレー・銀座スイス カツカレー発祥の地
94.ステーキ・銀座クロサワ 江刺
95.小料理屋・京都寺町土筆
96.小料理屋・いのうえ嵐山
97.うどん・神田 タッグカレーうどん
98.ラーメン・巣鴨1-14-1 Japanese Soba Noodle 蔦 味玉醤油そば950円 ミシュランで一つ星 開店前に整理券をもらう(1000円出して)午前7時〜(土曜日6時半〜)11時の開店前に 来店時間を色別で表示している
99.ラーメン・西荻 杉並区松庵3-37-22 麺尊RAGE 軍鶏そば750円 火曜日定休日
100.ラーメン・亀有駅北口徒歩2分 亀有5-28-17 道 つけ麺
101.ラーメン・門前仲町駅 こうかいぼう 夫婦の接客が抜群 ラーメンセット(ラーメンと白ご飯と生卵)750円
102.ラーメン・関内長者町 ラーメン二郎関内店
103.そば・日本橋 かつお節卸問屋直営店立ち喰いそば そばよし 東京メトロ三越前徒歩7分
104.バー・Star bar・銀座 アクトウィスキー ベンチャーウィスキー
105.ドイツ料理・築地 ピラミッド 辛口ソーセージ入りカレー
106.フランス料理・広尾 ラ・プチ・イチゲン フレンチカレー
107.うどん・神田 一福神田店 さぬきうどん
108.スペイン料理・新宿 バレンシアパイリア
109.ラーメン・神楽坂 ふうふう亭👉訪問済
110.コーヒー・ソーホーの老舗コーヒー店
111.天ぷら・門前仲町 みかわ是山居 ぜさんきょ03-3643-8383 早乙女哲哉 日テレ2016.5.22 猿旅で紹介 江東区福住1ー3ー1 11:30-12:30 13:00-13:30 17:00-21:00 要予約 門前仲町駅徒歩8分
112.マグロ・中野 MAGUROMART
113.ラーメン・岩本町 あたりや食堂 雷々麺(宮崎)あんかけ ちゃんぽん麺
114.たこ焼き道楽わなか千日前本店 難波駅徒歩5分
115.うなぎ 入谷 のだや
116.ラーメン・鎌倉・和田塚駅 一閑人 トントロチャーシューラーメン👉訪問済
117.帝国ホテル 17階 インペリアルバイキング「サール」📞03ー3539-8187👉訪問済
2016年7月20日(水)13:30〜15:00 4名 @6.050円
打ち上げと今後の予定、ミッション
118.イタリアン・ポタ パスタ・渋谷
119.イタリアン・ボン マルシェ・築地
120.和食・卵かけごはん定食・千石
121.スウェーデン料理・SMÅKAKA
122.ハンバーガー店・キノーズ マンハッタン ニューヨーク小石川5丁目・スーパー三徳茗荷谷店脇 平日10時−15時 土日10時-18時 ハンバーガーがデカイ(2016年11月15日 朝の日テレで紹介)
123.ラーメン・つくば屋 半熟玉子の発祥の地
124.ラーメン・麺や七菜(喜多方ラーメン)八丁堀 注文してから麺作り
125.ラーメン・九州じゃんがら 秋葉原 豚骨老舗
126.ラーメン・劇場玄えい 六本木 進化系豚骨
127.ラーメン・むぎとオリーブ 銀座 進化系蛤スープ(2016.12.31)👉万世橋店訪問済(2017.3.17)👉訪問済
128.とんかつ・高田馬場 とんかつ成蔵(シャ豚ブリアン)スマステから
129.つけめん・魚雷 カレールー付 スマステから
130.ホットケーキ・神保町 TAMTAM スマステから
131.インスタント ラーメン・利尻昆布ラーメン アド街から👉予約済・3月20日👉購入済
132.海老フライ ・渋谷 ・? スマステ
133.お好み焼き ・JR大阪駅・? フレンチ風
134.肉まん・赤羽 セキネ
135.ラーメン・錦糸町・鯛ラーメン 麺魚(2017.5.1)

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超人の面白詩歌鑑賞 直近の谷川俊太郎の詩そして故大岡信の詩

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「はなをこえて しろいくもが
くもをこえて ふかいそらが」
若いころ書いたこんな詩句が古くないのは
くりかえす自然が年ごとに新しいから
いまいぶきを手にするあなたのうちにも
生まれて初めての新しい春が息づいています
その泡のほろ苦い歓びに
乾杯 !

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“Flowers beneath a spread of white clouds, and over the clouds a deep sky”
These words I wrote in my youth don't grow old
Tasting the essence of in your life, it has come alive in you.
Here's to your frothy, bitter delight !

谷川俊太郎

上記はキリンビールの春限定販売缶ビールに書かれている谷川俊太郎の詩と英訳。英訳には知り合いの先生が関わっている。この先生からご自身が英訳に使った底本、山本健吉著『こころのうた』(文春文庫 1981年刊)を頂いた。英訳の方は原本が絶版でコピーをもらえることになっている。詩人110人、153篇の詩を掲載。愛の世界、死と生と、人生、生活のうた、社会と人生、自然の中で、旅人のこころ、ふるさとと思い出の全8章312頁。谷川俊太郎の詩「空の嘘」も収録されている。


そして、願わくは春花の下に死なん、とまさにそれを全うして4月5日に亡くなった詩人・評論家の大岡信さん。その彼に捧げた谷川俊太郎さんの詩。朝日新聞に寄稿した一篇だ。

本当はヒト言葉で君を送りたくない
砂浜に寄せては返す波音で
風にそよぐ木々の葉音で
君を送りたい

声と文字に別れを告げて
君はあっさりと意味を後にして
朝露と腐葉土と星々と月の
ヒトの言葉よりも豊かな無言
今朝のこの青空の下で君を送ろう
散り初める桜の花びらとともに

君を春の寝床に誘うものに
その名を知らずに
安んじて君を託そう


詩人の和合亮一さんは4月25日付毎日新聞夕刊の詩月評「詩の橋を渡って」の中で、谷川俊太郎さんの詩に触れて次のように書いている。青年の頃より詩心を共にした歳月の親しさと本当の別れの寂しさについて、もはや言葉では綴れないという思いが伝わってくる。
筆者的には大岡信さんの詩と言えば、なぜか「春 少女に」の詩篇が咄嗟に浮かぶ。言葉の響きとイメージの鮮烈さが印象的だからかも。同名の詩集『春 少女に』は1978年(昭和53)の12月に刊行されて、翌年の1月からは朝日新聞にあの「折々のうた」の連載が始まる。


春 少女に

ごらん 火を腹にためて山が歓喜のうねりをあげ
数億のドラムをどつとたたくとき 人は蒼ざめ逃げまどふ

でも知つておきたまえ 春の齢の頂きにきみを押しあげる力こそ
氾濫する秋の川を動かして人の堤をうち砕く力なのだ

蟻地獄 髪切虫の卵どもを春まで地下で眠らせる力が
細いくだのてつぺんに秋の果実を押しあげるのだ

ぼくは西の古い都で噴水をいくつもめぐり
ドームの下で見た 神聖な名にかざられた人々の姿

迫害と殺戮のながいながい血の夜のあとで
聖なる名の人々はしんかんと大いなる無に帰してゐた

それでも壁に絵はあつた 聖別された苦しみのかたみとして
大いなるものは苦もなく少でありうると誇るかのやうに

ぼくは殉教できるほど まつすぐつましく生きてゐない
ひえびえとする臓腑の冬によみがへるのはそのこと

火を腹にためて人が憎悪のうなりをあげ
数個の火玉をうちあげただけで 蒼ざめるだろう ぼくは

でもきみは知つてゐてくれ 秋の川を動かして人の堤をうち砕く力こそ
春の齢の頂きにきみを置いた力なのだ

筆者のコラムで世田谷文学館「大岡信展」を読むはこちら→http://crocul.cocolog-nifty.com/callsay/2015/11/post-7bfe.html

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クロカル超人が行く 201 再びの谷中銀座商店街 3

谷中銀座商店街に来る前には拉麺やは眼中になかった。すでに昼食を決めていた場所は千駄木駅近くの中華料理店だった。しかし、谷中銀座商店街の入口手前にあった拉麺やが何やら人だかりが出来ていたので(ちょうど昼時だった)、1時間後に用事を終えて立ち寄ったのが正直なところだ。
さて、ここから先がプチ散歩のおまけでミステリヤス、不思議発見。
拉麺やを後にした筆者は、隣の焼鳥やから出る煙の臭いを気にしながら元来た方へと先を急いだ。その途中この辺にも電気やがあるんだ、しかも、中古の電気やじゃないんだと勝手に想像しながら歩いていた。その時、あるビルの2階から小柄な女性が颯爽と降りてきた。フランス人形が突然路上に出現した感じ。日本人じゃないよ、ヨーロッパ系の可愛い、そう、かつてのフレンチポップの歌手フランス・ギャル、いやいや、ミュシャの描いたサラ・ベルナールみたいな、いやいや、アナイス・ニン似、化粧も程良く、薄めのピンクのブラウスに青系のスカートをはいた、20才過ぎくらいの女性が筆者の前を通り過ぎて行ったのだ。さて、おめかしてどちらへと声をかけたくなるほどの美人、しかも妖艶な雰囲気を醸し出しているではないか。一瞬見かけただけで筆者は胸キュン状態、メロメロ。そして妄想は膨み、ひょっとしたらあの女性はルーマニア人かも、もしかしたら錦*町の方へお出かけ?いやいや、それはなりませぬ、勝手な想像もー。あーぁ、勘違い、勘違いであれば良いのだが、神さま、仏さま!そうこうしているうちに彼女は遠ざかって人混みの中に消えた。もちろん、携帯で撮ることもできなかった!ふと気づくとそのビルは3階建てで2階以上はアパルトマン。パリの下町ではないが、ここはYANAKA 、妖しい女性は今何処? ひょっとしたら白昼夢ー。

筆者は白昼夢の余韻を残したまま、近くの公園に立ち寄り、千駄木駅を通りすぎて根津方面に向かった。高級魚やを訪ねてみようと思い立ったからだ。その前に本やを覗いて棚観察。ナンダロウ君らが編者の花森安治のイラスト集があったが、残念ながら中身はビニールで閉じられていて見られなかった。高級魚や『松本』を見つけられずにいたら、日曜日で休みだった。面白かったのはこの店、シャッター降ろした状態では何も書いてなくて魚やの目印すら見つけ出せなかったことだ。確かこの辺だと思って近くを2、3回ウロチョロしてしまった。決め手はもちろん住所だが、意外にもスマホの店紹介と照合して判明したのは、閉まっていたシャッターの上の方が白い板状(材質は板状にみえたが違うかも)だったことだ。(スマホの画像で見る限りでは店の外観が白を基調にしたオシャレな造りになっている。メザシ一匹が100円以上とか)。神隠しにあったみたいで不思議な体験だった。

追記 谷中2丁目界隈には女優川上麻衣子のスウェーデン小物・雑貨を扱った小さな店『SWEDEN GRACE 』があることをこのあとネットで知った。本人も店に出ている日もあるらしい。スウェーデンに関心のある筆者としてはダーラナ地方の伝統工芸品ダーラナヘストDalahäst, Dalarna horse(赤いダーラナの馬、置物)

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ダーラナヘストの詳細はこちら→http://www.aterior.com/dalarnahourse.htm

やガラス工芸品が良いかも。今度訪ねてみようと。

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クロカル超人が行く 201 再びの谷中銀座商店街 2

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風情のある酒やでちょい飲み後、陶器やなどを3、4軒覗いて谷中銀座商店街を抜けたところにある拉麺やに入った。家族連れのあとに待つこと20分、塩味が得意の店だがあえて醤油味に挑戦。11席の小さな店内に外国人が4人も。最近はSNSなどの発達で書き込みが世界中に拡散されて海外の旅行者も気軽に入ってくる時代である。路地裏やディープな場所まで入り込んでは日本的なものに直に触れている感じだ。
さて、大山鶏使用の醤油味の拉麺だが、少し塩辛いしコクがイマイチだ。中細麺もネチネチ。ミニ餃子も頼んだが、こちらも形状は良いけど具が生っぽい。辛うじてチャーシューが多少やわらかくて良かった程度で、残念ながら及第点は付けられない。塩味をセレクトすれば良かったと悔やんだ。店の雰囲気も男性3人がそれなりに仕事をこなしている感じで、筆者的には悪くはないが少しのんびりした様子に見受けられた。店主は目黒の拉麺やで修行し、6年前に独立したらしい。

『ひだまり』1.スープ★☆2.麺★☆3.トッピング★☆4.接客・雰囲気☆5.価格★☆

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クロカル超人が行く 201 再びの谷中銀座商店街

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ほぼ5年振りの谷中銀座商店街は予想通りの賑わいだった。晩春の晴れた日曜日の午後、路地があちこちに残る下町散歩は格別だが、人混みを避けたい気持ちも手伝って些か複雑な心境。5年前と比べると新規の店も出来ているがほとんど変わらずお馴染みの店が並ぶ。
ドーナツや、
陶器や、
酒や、
肉や、
着物や、
洋服や
蕎麦や、
花や、
珈琲や、
お茶・陶器や、
焼鳥や、
ギャラリー、
和物や、
拉麺や
それにプチバル
など。
どこか懐かしい昭和の香りが漂う。だから外国人が以前より増えても家族連れや年配の男女などで溢れていたのだ。ノスタルジア、あぁ、ノスタルジア。70人くらい並んでいたかき氷の店『ひみつ屋』はほとんどが若いカップル。肉やのメンチかつとコロッケで商店街を食べ歩き、酒やの前ではちょい呑み、楽しみ方はいろいろあるが、その一つがこのプチイベントだろう。筆者もまた両方味わったのだ。
実は以前にこの商店街の『金吉園』で買い求めたマグカップを壊してしまい、わざわざ遠くから買いに来たのだ。 ついでにもう一つ信楽焼のビアタンもゲット。

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上の写真の焼き物が何故かアルジェリア風のオブジェに見えるから不思議(笑)。

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超人の新刊紹介 永江雅和(専修大学教授)著『京王沿線の近現代史』

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クロスカルチャー出版の4月の新刊紹介

アメージングな京王線の旅〈CPCシリーズ 6 〉
永江雅和(専修大学教授/日本経済史)著
京王沿線の近現代史
A5判・並製・約180頁
定価1800円+税
ISBN978-4-908823-15-2

第1章 京王沿線の歴史を知るためのキーワード  
第2章 副都心新宿の形成と京王線
第3章 玉川上水沿いを走る京王線―渋谷区旧代々幡村地域の事例 
第4章 近郊農村から高級住宅地へ―京王線と世田谷の風景
第5章 環状鉄道の夢の跡―帝都電鉄から井の頭線へ 
第6章「東洋のハリウッド」―京王線と調布市 
第7章 南下する玉南電鉄―府中市と京王線 
本文91頁第7章の扉の写真と図を見るはこちら

第8章 聖蹟とニュータウン―京王線と多摩市
第9章 稲田堤の桜と多摩丘陵の開発―相模原線と川崎市・稲城市
第10章 動物園がやってきた―日野市と京王線 
第11章 御陵線から高尾線へ―京王線と八王子 
あとがき 関連年表、参考文献付。
                         
鉄道敷設は地域に何をもたらしたのか。京王線の魅力を写真・図・絵葉書入りでわかりやすく解説。知られざる京王線の謎が明らかに。

読んだあとめちゃ車窓の景色がかわる!

第7章関連 : 「京王線の府中駅に関するエピソード」

東京・府中。古代武蔵野国の国府跡にある大國魂神社は「聖域」だ。緑豊かな境内とケヤキ並木の参道が、どれほど尊いかというと「建設当初の京王線は、参道の横断を控え、道の両側に駅を作り、乗客は乗り換えを強いられた」という話があるほどだ。確かに1925年から3年ほど、府中駅は二つあり、直通列車もなかった。
ところが、参道をはさんだ駅を示す写真は京王社内を含め一枚もない。「重い貨物まで参道をはさんで積み替えたとは思えない」。中略。当時の駅設計図や地番を示す資料が新たに見つかる。両駅は隣接し、レールは最初から参道をまたいでいた。建設時の京王線は府中をはさみ違う会社が運営し、線路の幅も違った。線路幅を統一し、直通運転できるまで、駅が分かれていただけだったのだ。中略。「線路の幅」ではなく「聖域」にこそ伝説は宿る。―2017年2月6日付毎日新聞夕刊【憂楽帳】「聖域と伝説」より

同じ著者の前作は〈CPCシリーズ 5〉

小田急沿線の近現代史
定価1800円+税
ISBN978-4-905388-53-8
好評みたい。

文化講演会も開催予定
クロスカルチャー出版主催
第11回 文化講演会
魅惑の鉄道物語ー小田急・京王線の近現代史(仮題)

講師は永江雅和氏(専修大学教授)
2017年7月15日 午後1時半~4時半
江戸東京博物館1階学習室
資料代1000円(学生 500円)

鉄ちゃんはもちろんのこと、どなたでも参加歓迎みたい(定員50名、先着順)。
詳細はクロスカルチャー出版文化講演会係(03-5577-6707/
email:crocul99@sound.ocn.ne.jp)へ照会されたい。

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おもしろ花見会

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千鳥ヶ淵半周の花見後、総勢11名の花見会開催。その食料調達品の一部。刺身は朝9時のスーパー開店直後の鮮魚売場で捌いてもらったもの。新鮮で大好評。そしてもう一つ、少しでかいしゃけおにぎりも好評。100円以内の食料持ち込みを募ったところ、焼酎、和菓子、卵焼き、柏餅、お菓子、洋菓子などたくさん。狭いオフィスにもそれなりの豪華さがあった。参加者には持ち帰りのおみやげ付き。予算内で盛会だった。

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超人の若桜観賞

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今年の4月8日の若桜と去年の4月3日の若桜。
テレビで京都の桜守が言っていたが、桜は冬場が大事で栄養が行き届くように丁寧な手入れが必要とのこと。それが満開の桜を咲かすー。さて、こちらの今年の若桜は少しさびしい(笑)。

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クロカル超人が行く 200 千鳥ヶ淵の桜

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【写真 : 左上から3枚目までは今年の4月6日に撮影。4枚目は去年の4月1日に撮影したもの】 

今年の桜は寒かったので長持ちしている。花見会で訪ねた千鳥ヶ淵はほぼ満開。


歩くほどいいねと叫ぶ一万回

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超人の面白半分転生人語 12 最近考えること 「北朝鮮問題」

ここにきて東アジア特に朝鮮半島の緊張が高まっている。今朝のテレビで北朝鮮が飛しょう物体を放ったとニュース速報を流したが、後にミサイルを発射し日本海に落ちたことが判明した。フロリダでのトランプ大統領と習近平首相の米中首脳会談を睨んだ挑発行為なのは明らかだ。2月には金正日総書記の長男、金正男がマレーシアの空港で暗殺されたが、事件の真相が解明されずに彼の遺体だけが北朝鮮に引き渡された。この間マレーシアと北朝鮮間の遺体取引で何があったかは謎のままだ。そして、4月に入ったばかりの今日、今度は北朝鮮からのミサイル発射である。明らかに日本の米軍駐留基地を射程においた挑発であろう。アメリカのトランプ大統領は北朝鮮の金正恩レジューム崩壊を企んでいて、すでに掃討作戦か斬首作戦を遂行するため、海軍の特殊部隊が秘密裏に動いているといわれている。今米韓で北朝鮮をターゲットにした共同軍事演習が具体的に行われているという。ある専門家は東アジアの地域紛争にとどまらず第三次世界大戦に発展してしまう可能性もあり得ると指摘している。何やら政治面で4月が“最も残酷な月”にならんことを祈るばかりだ。ここは冷静に関係諸国の為政者が叡知を絞って平和的に解決した方が得策なはずだ。北朝鮮の金正恩委員長もやんちゃ坊主過ぎるけれども、アメリカのトランプ大統領の言動も理解に苦しむところ大だ。翻って日本国、お坊っちゃま君の安倍首相は戦後レジュームの脱却とか言って昔の国に戻したがっている。先の戦争の反省から戦後の平和憲法や平和教育もあるのに何を考えているのか。皆さん、何かがおかしい。理性が足りな過ぎるのか、政治理念やら倫理が欠けているのか、政治が劣化している。

追記 北朝鮮がミサイルを今朝5時半頃発射し失敗した模様。筆者が予測した通りだが、暴発しないようにアメリカ、日本、韓国、中国、ロシアと包囲網を築き圧力をかけている中で、しかも国連安保理も緊急の対策を協議中にしかけた格好だ。何とも暴挙と言わざるえない。平和ボケの日本には刺激的過ぎるが、これが現実で私たちもゴールデンウィークの初日、浮かれている場合ではないのだ。(2017年4月30日 記)

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超人の面白ラーメン紀行 231 町田『胡心房』再訪

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仕事で町田に来たついでに昼飯にと再訪したのが『胡心房』。久し振りに入った感想はともかく接客力抜群。普通ラーメン店は接客にイマイチの店が多い中ここは違った。前に入ったよりテキパキしている感じだ。外国人の脇に座ろうと思って座りかけたらこちらへお願いしますと奥のテーブル席に案内された。女性店員曰く、あそこの椅子は少し高く壊れていますと。外国人にラーメンの感想を尋ねたかったが・・・。
定番のラーメンを頼んだ(700円)。豚骨魚介系でトッピングに柔らかチャーシューやレタスなどがのっているのが特徴。味は良いが好みかも。カウンターで食べていた中年男性は旨い、旨いと連呼して帰っていった。それだけではない、その後の青年も旨いと呟き帰って行ったのだ。豚骨魚介系が好みの人には堪らないのかも。筆者的にはもう少しすっきりしたスープがほしい・・・。

花冷えのラーメンにレタス笑み全開

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超人の生真面目半分転生人語 12 公衆トイレ考

トイレ(便所)の話は古来様々なエピソードが語られ書かれているが、筆者が最近読んだ最たるものが文豪谷崎潤一郎が昭和初期に書いたエッセイ、『陰翳礼讚』のなかの厠についての考察だ。これはいちいち説明するほどでもあるまい。文庫本で読めるのでぜひ手にとって読んでほしい。ともかく彼なりの美学があり、含蓄があってオモロイ。昭和初期の、関西のトイレ事情がリアリスティックで、特に奈良に行ってトイレに入った話は秀逸である。
さて、前置きはこのくらいにして本題に入ろう。
いつもより比較的早く目が覚めたせいかー午前5時半過ぎかなー体調がイマイチで、肩が凝ったりして動きが鈍く、ひょっとしたら血圧が上がっているのかなと疑心暗鬼になりながら仕事で電車に乗ったり歩いたりしていた。そしてT駅北口で下車、小さい方の用を足すためトイレに入った。すると、 一面が水浸し状態なのだ。「何だろう、掃除したばかりなのかしら」と足元を注意して用足し状態に入った。そのとき掃除のおばさんが入ってきて、「何を、この水浸し状態は」とぶつぶつ言って不思議がっていた。筆者が「おばさんが掃除したんじゃないの」と言ったら、「いや、今から掃除するところなの」とおばさん、困った様子。「えっ、そうなの」と筆者。「それじゃ、一体どうなってるの」と筆者が呟き、辺りを見渡した。すると、左端の大きい方使用の洋式トイレの便器が異常をきたしているではないか、しかも汚物が浮かび水が満タン、すでに溢れ出した状態なのだ。少し距離があったから臭いはそれほどでもない。恐らくは何らかの原因でトイレが詰まり、便器から水が流れてトイレの床を水浸しにしたのだ。ということは、水浸しになったところには汚染されたものが混じっていたことになりはしないか。あぁ、汚い。しまった!それにしても大きい方の用を足した人は酷い、自分の始末もできず垂れ流しとはー。やりきれない気持ちだ。公衆トイレの最低限のマナーは遵守してもらいたいものだ。掃除のおばさんが可哀想。見てしまったことの強い憤り、残像が瞼に残った。次に入ったY駅東口出口を過ぎた地下街端のトイレの清潔なこと、先ほどのトイレとは段違いだった。気持ちが晴れ晴れしたことは言うまでもない。世界一清潔な都市は東京だと1週間ほど前にテレビのニュースでランキングを伝えていたが、まだまだの感を強くした。よく利用するT駅もリニューアルしたにもかかわらず、公衆トイレのマナーが悪いのか相変わらず汚い。定期的に清掃しているはずなのに。特に夕方から遅い時間が酷い。皆が利用するトイレだからマナーを守ってきれいに使いたいもの。家人曰く、駅の女子トイレも汚くて入りたくないっー。
これはスカトロジー(糞尿趣味)の話ではないのだ。


追記  今朝のネットには常磐線の電車の中で長椅子めがけて立ち小便をしている輩が映し出されていた。夜遅くのここの車両は人がいなかったようだが、とんでもない勘違いである。別に酒に酔っていたわけでもないらしく、次の駅辺りで下車していったという。全く呆れてしまう。恐らくこの車両は即取り換えものだろう。JRの方もこんな乗客がいて大迷惑に違いない(2017年4月27日 記)。

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超人のドキッとする絵画 30 国立新美術館『ミュシャ展』2

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【聖アトス山 正教会のヴァティカン 1926
405×480 cm テンペラ、油彩/カンヴァス プラハ市立美術館】

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【ロシアの農奴制廃止 自由な労働は国家の礎 1914
610×810cm テンペラ、油彩/カンヴァス プラハ市立美術館】

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【イヴァンチツェの兄弟団学校 クラリツェ聖書の印刷 1914 610×810cm テンペラ、油彩/カンヴァス プラハ市立美術館】

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超人の面白ラーメン紀行 230 即席ラーメン『利尻昆布ラーメン』

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旨いと評判の利尻漁業協同組合のとろろ昆布入『利尻昆布ラーメン』(塩味、238円)を有楽町駅近くの「北海道どさんこプラザ」でゲット。最初は夜食で袋の裏に書かれたシンプルな調理法で、2度目は昼飯に家にあった野菜(タマネギ、ネギ、ピーマン、海苔)少々を茹で玉子をトッピングして、そして3度目の具にはモヤシ、ネギ、玉ネギ、ピーマンそれにウィンナーを炒め、茹で玉子を添えて完食。利尻昆布を練り込んだ麺それにとろろ昆布を混ぜたスープ、さすが利尻の昆布だけあって潮の香りが醸し出すなか、アッサリした塩味がほどよい。即席麺とは思わぬ逸品。


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クロカル超人が行く 199 イタリア料理店 新宿『トラットリア・ターボロ・ディ・フィオーリ 新宿伊勢丹店』

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たまたま昼飯にと入ったのがこの店『トラットリア・ターボロ・ディ・フィオーリ 新宿伊勢丹店』。ランチメニューから本日のスパゲッティ ツナときのこのクリームトマト(980円)、ミニピッツァ(200円)それにアイスコーヒーをチョイス。多少待たされたが昼時間帯なので仕方がない。スパゲッティは少々しつこかったか。

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クロカル超人が行く 198 日本橋『たいめいけん』

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日本橋にある老舗の洋食有名店『たいめいけん』。有楽町の北海道物産アンテナショップで即席ラーメンの“利尻昆布ラーメン”を予約(22日に入荷)した後、休日出勤の家人の慰労を兼ね訪ねた。電話では30分待ちと言われたが、思ったより客の入れ替えがスムーズに流れたため15分待ちで済んだ。白、黒、焦げ茶色の店内の色調は落ち着いていて、それと呼応するかのようにホールを仕切る年配の女性たちにプライドと貫禄を感じつつ・・・。が、忙し過ぎたのかオーダー落としのシーンも。これには笑った!昭和初期の“モボ・モガ”モダニズム時代を今に伝える風情はしっとり感があってちょっぴりセピア色。この店の3代目は多趣味でアイデアマンの料理人としてテレビでも人気がある。そうそう、店の入口には3代目のパフォーマンスシーンのポスターもあった。
ボルシチとコールスロー(各50円、但し最低一品注文!あっさりしていて美味)、アスパラとポテトのにんにく炒め(アスパラが新鮮で食感は抜群)それに名物オムライス(1700円。ほんわかしてさっぱりした味、ボーノ)など老舗の洋食屋の味を堪能した。と同時に、ビールや赤ワインも少々嗜んだ。約40名の客はほとんどオムライスかオムライスのバリエーションを頼んでいた。

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色冴えるたいめいけんのオムライス

追記 『たいめいけん』再訪。柴又→銀座シックス→たいめいけんのコース。今回は時間帯が少し早かったせいか並ばずに済んだ。ハムオムレツを食した。美味。(2017.9.18 記)

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超人の面白ラーメン紀行 221 神田須田町『Ginza Noodles むぎとオリーブ Clam Ramen』マーチエキュート神田万世橋店

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フレンチ出身の人がチャレンジした、ヨーロッパの香り漂う何ともユニークなラーメン店が銀座にあって、「ぶらり途中下車の旅」でも紹介された。進化系(?)ラーメンの『Ginza noodles むぎとオリーブ Clam Ramen』だ。その店を訪ねてみようと機会を伺っていたが、偶然にもコンビニでこの店のカップラーメン(へぇ、発売されてんだ!)をゲットして、本末転倒や、と思いつつ神田須田町の煉瓦造りを活かしたルネサンス・ 万世橋マーチエキュートの一角を訪れたのが今日!狭い食空間ながらなかなかオシャレ。「ミシュラン」に3年連続選ばれた店らしく、ニューウェブラーメン系のキング、いや、クイーンかー。
初めて入った店では普通はその店の定番ものを注文するのだが、定番の「鶏そば」(880円)にはこの店の売りの蛤がないので、一度注文した「鶏そば」を取り消して「鶏・煮干・蛤トリプルそば」に。いや、「ぶらり旅」で旅人のタレント(?)が蛤の味に大分興味をそそられたみたいだったので、その残像が残っていたのだ。5、6分経って注文のラーメンがテーブルに運ばれてきた。店の男性が「左側にむね肉、ひねってあるのがナルト、白い細長いものはメンマではなく山芋、蛤は右側に。普通のラーメンのイメージとはかなり違います」と一応説明。親切である。さて、例によってスープを一啜りしてみた感想は、埼玉、群馬、香川3県の老舗メーカーの醤油(メニューから)をブレンドそれに大山鶏がらと魚介をミックスしたスープには透明感があり、コクがあってマイルド、独特な舌触りだ。これって、どこかの味に似ていやしないかと思い出していたら、中華そばの『藤本』の味に似ていた。
和洋折衷だ。美味。麺は細麺ストレート、トッピングはなかな華やか。チャーシューではなく鶏のむね肉(低温調理で歯ごたえが少々)、メンマと違った感触を味わえる山芋、海苔、水菜、一味添えた蛤と役者がフレンチ風に衣替えした感じだ。完食。トレビアン!昼時の午後2時過ぎ、カウンター7席、テーブル席8席、テラス席もあって、店内に6人、テラス席にはアジアからの観光客が6名くらいはいたか。店は男性2人と女性が2人。雰囲気もまあまあ。この店のほかに銀座本店、さいたま新都心店、日本橋店の4店舗あり。
フレンチ系ラーメンと言えば、“道頓堀神座(かむむら)”で有名な神座チェーンだが、今や関西圏だけではなく、関東圏にも進出していて渋谷や横浜にも店舗がある。現在37店舗展開中。筆者は道頓堀、大阪、渋谷の店で食べた。コンソメスープと野菜が豊富なのが特徴だ。

住所 : 東京都千代田区神田須田町1-25-4 マーチエキュート神田万世橋1階
電話 : 03-3258-3131 営業時間 : [月~土]11:00~22:00 [日・祝]11:00~20:00 定休日 : なし

神田須田町『Ginza noodles むぎとオリーブ Clam Ramen』マーチエキュート神田万世橋店
1.スープ★★★2.麺★★☆3.トッピング★★☆4.接客・雰囲気★★5.価格★☆

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食べ蛤(がい)はスープに仏味トレビアン


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超人の面白ラーメン紀行 220 六本木 『アオリの神隠し 総本店』

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久しり振りに六本木ミッドタウン周辺を歩いた。国立新美術館で『ミュシャ展』を観に行った帰りに立ち寄った店がラーメン店『アオリの神隠し総本店』。飯田橋駅近くのラーメン店『たかはし』で3時間半前に食べ、美術鑑賞後にまたラーメンである。こんなことは初めてだ。美術館に行く前にこの店を通りかかったら人集りができていたので興味津々、どんな店かと思わず呟いたのだ。で、帰り道この店の前 でお子さん連れの若い女性に「この店は何系?」と訊ねたら「トンコツかな、美味しいですよ」と教えてくれたのでついつられて入ってしまったのだ。想定外の出来事だ。『一蘭』似の仕切りのある食空間で好みも選べる。筆者は中辛を選択したけど、辛くて咳き込むこと咳き込むこと、肝心の味がぼけてしまったほど。演出たっぷりの暗い店内を元気に応対していたのは若い女性。聞けば店は一ヶ月前にオープンしたばかりらしい。
頼んだアオリラーメン(980円)はトンコツ系。麺は極細麺ストレート系、味は豚骨マイルド(クセがなく結構イケる)、トッピングは柔らかチャーシュー、海苔、メンマ、玉子、刻みネギ少々のシンプルデザインで、どんぶりの色合いが何とも廓的な空間を醸し出し、黒と深紅っぽい色でエロい。10席以上ある仕切られたカウンターではなぜか子どもたちがはしゃいでいた。若いラーメン好きのママたちが連れてきているのだ。それにしてもここから3、4軒先には昔夜遅く〆に立ち寄ったラーメン店(筆者の記憶が正しいければ)が風化したまま置き去りにしてある。確か目印は墨で書かれた屋号が入った提灯。昔の栄華今何処ー。

六本木『アオリの神隠し 総本店』1.スープ★★★2.★★☆3.トッピング★★4.接客・雰囲気★★☆5.価格★☆


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超人のドキッとする絵画 30 国立新美術館 ミュシャ(ムハ)展

2017年3月8日から開催中の「ミュシャ展」(6月5日まで開催)。混雑が予想されるため早めの観覧をと考えて、先週の土曜日の午後六本木の国立新美術館に出掛けた。「ミュシャ展」を観覧するのは、堺市立文化会館、森美術館、そごう美術館に次いで4度目。主に大作「スラブ叙事詩Slav epic」を観るためだ。春になっても天候が落ち着く様子もなく、寒暖の差が激しい三寒四温の日々が続いていて土曜日の午後も例外ではなかった。そんな土曜日の午後、久しぶりの国立新美術館訪問だった。当日券購入に30分近くは並んだが、あとはスムーズに鑑賞できた。意外と混んでいなかったのだ。あの上野の「惹冲展」での長蛇の列を経験した者としては多少肩透かしを喰った感じだ。

写真が許可されたアートスペースで2枚をゲット。このコラム用に多少加工。
このスラブ叙事詩は題材のスラブ民族の歴史を描いた点(伝統に偏りすぎの感も)といい、その大きさといい、圧倒的な迫力をもって観る者を楽しませてくれる。更に付け加えれば色使いや構図の巧みさもー。

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【「ミュシャ展」図録表紙】

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【スラブ菩提樹の下でおこなわれるオムラジナ会の誓い スラブ民族復興 1926 (未完成) 390×590cm テンペラ、油彩/カンヴァス プラハ市立美術館】

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【スラブ民族の賛歌 スラブ民族は人類のために 1926 480×405cm テンペラ、油彩/カンヴァス プラハ市立美術館】

(続く)

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自由の女神像にあるエマ・ラザラスの詩再考

The New Colossus

Not like the brazen giant of Greek fame,
With conquering limbs astride from land to land;
Here at our sea-washed, sunset gates shall stand
A mighty woman with a torch, whose flame
Is the imprisoned lightning, and her name
Mother of Exiles. From her beacon-hand
Glows world-wide welcome; her mild eyes command
The air-bridged harbor that twin cities frame.
"Keep, ancient lands, your storied pomp!" cries she
With silent lips."Give me your tired, your poor,
Your huddled masses yearning to breathe free,
The wretched refuse of your teeming shore.
Send these, the homeless, tempest-tost to me,
I lift my lamp beside the golden door!"

(Emma Lazarus, 1883)

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【コラージュ Ⅰ】

「The New Colossus」(14行のソネット詩)筆者訳。

新しい巨像

かの有名なギリシャの巨像とは違い
土地と土地を支配の手足で跨ぎ
海に洗われ 夕日に染まる港に
立つのは力強い女性
稲妻を閉じ込め 松明を持つのは亡命者の母
広く世界に向け歓迎の光を照らす
優しい目が二つの街を囲む吊り橋の港を見渡す
「古い国々よ、華やかさをとっておくがいい」
と静かに語る
「疲れはてた 貧しい人たちを
自由の息吹を求め寄せ合う群衆を
海岸で惨めに拒まれた人たちを
わたしのところに預けてください
祖国もなく 動乱に翻弄された人たちを
わたしのもとに送ってください
わたしは松明を掲げて見守ろう
金色の扉のそばで !」

アメリカのトランプ大統領は6日、テロリストの対策を目的にした入国禁止の新大統領令を発令。イラクを除くイラン、シリア、リビア、イエメン、スーダン、ソマリアが対象国で、アメリカ入国を90日間禁止する。ビザやグリーンカード保有者は対象外。実施は3月16日から。移民の国アメリカが再び閉ざし始めたのだ。大義はどうであれ大きな外交政策転換であることは間違いない。空港などアメリカの入口で混乱が再び起こるかも。

アメリカよ!

自由と寛容さはどこへ行った?


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超人の面白ラーメン紀行 219 横浜・伊勢佐木町『玉泉亭』

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サンマー麺の発祥地の一つとして知られている『玉泉亭』。この近くにある映画館に行ったついでにぶらついていたらこの店があるのに気づいた次第。実はラーメンを食べようと家系ラーメンを探していたのだ。店を見つけ出したがさて、今度はどちらに入ろうかと迷ってしまった。この辺は滅多に来ないのでサンマの乗っているラーメン(笑)にしようと『玉泉亭』に入ってサンマー麺(600円)を食べた。誰かが長崎チャンポンみたいと書いていたが、確かに野菜たっぷりのシンプルな醤油味であんかけが絶妙。“身体にやさしい栄養たっぷりのラーメン”とは店のお品書きに添えてあった。午後の3時、中華料理店内はがらがらで男性客一人に母子二人連れのみ。レジ付近には朝ドラ「まれ」でだらしない父親役を演じて好評(?)だった大泉洋の写真やタレントの色紙が。2、3年前に入ったポルタ店の方がここより客は入っていた。場所柄か?いやいや、デイープなエリアにはラーメン店が似合っているのかやたらにラーメン店の看板が多い。激戦区かも。夜のお仕事帰りに一杯か―。急いで付け加えればサンマー麺のサンマーとは中国語で生馬と書き、「生」→しゃきしゃきとした、「馬」→上にのせると意味だそうだ。


横浜・伊勢佐木町『玉泉亭』1.スープ★☆2.麺★☆3.トッピング★★4.接客・雰囲気☆5.価格★★★

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↑新家系ラーメンのチェーン店。店の前を通ったら10席位のカウンター席は満杯。

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→音楽演奏などに使われる多目的ホール『クロスストリート』。名付け親は歌手のゆず。『玉泉亭』の前にあるモダンな建築だ。右端に『玉泉亭』の“亭”の看板が見える―。

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超人の映画鑑賞 エゴン・シーレー死と乙女 続

ドイツ語圏の映画(オーストリアとルクセンブルクの合作)を観たのは久し振りだ。アメリカの映画とは違ってスケールの大きさはないが、陰翳のある、しっとりとした映像美を楽しんだ。モデル出身のシーレ役(ノア・サーベトラ)の男優の演技もアクションにキレがあるし新鮮、それより何よりカフカ似の顔が印象的。妹ゲルテイ役(マレシ・リーグナー)の女優の顏立ちもふくよかさが感じられかつ妖艶、そのほかの女性たちも個性的。舞台となったヨーロッパ中央の風景もいい。装飾美のクリムトと内面美の求道者エゴン・シーレの対照的な世紀末ウィーンのアール・ヌーボー的絵画だが、確かに風貌も対照的。この映画は想像していたほどエロくなかった。
ここで改めてエゴン・シーレのモデルたちーそう、西洋の女性美に想いを馳せてみたい。凹凸のある、エキゾチックな、表現力に富んだ顔立ち、華麗な髪、くっきりとした目と鼻それにエロチックな口元、豊かな乳房、脱ぎっぷりの良さと大柄かつなだらかな曲線を描く、背筋と臀の抜群のスタイル、茂った森にさ迷えと言いたげな陰翳のある谷間、スラッと長く伸びた、野性味たっぷりの脚の、いわば、外面と雲母のような脆さとアンニュイ感を漂わせる内面をあわせ鏡ように持つ、美の具現者たちはシーレの独特なくねったポーズや色遣いのマジックに果たして感応したか。この命題はさておき、かのモデルたちのヌードに典型的な西洋的な女性美を見出したとすれば、一方でこれとは対照的な美意識を耽美的な作品を多く書いた、あの文豪谷崎潤一郎の随筆『陰影礼讚』の日本女性の美に触れた一節に見出だすことができる。
「あの、紙のように薄い乳房の付いた、板のような平べったい胸、その胸よりも一層小さくくびれている、何の凹凸もない、真っ直ぐな背筋と腰と臀の線、そう云う胴の全体が顔や手足に比べると不釣合に痩せ細っていて、厚みがなく、肉体と云うよりもずんどうの棒のような感じがするが、昔の女の胴体は押しなべてああ云う風ではなかったのであろうか」
(平成28年刊新潮文庫版「解説」で作家の筒井康隆が指摘しているように表現に問題はあるが、80年以上前に書かれた歴史的遺産として捉えて)そしてこう書く。「美は物体と物体との作り出す陰翳のあや、明暗にあると考える」と。
エゴン・シーレの作品の価値は今や高値の4000万ドル以上といわれている。映画の次は日本での新たな展覧会開催があるかも。

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超人の映画鑑賞 エゴン・シーレー死と乙女

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横浜市営地下鉄「阪東橋」近くの映画館「ジャック & べティ」で「エゴン・シーレー死と乙女」を観た。
クリムトとともに世紀末ウィーンの象徴派・表現主義の寵児だったエロスと美の探究者、画家エゴン・シーレの自伝的映画。ディーター・ベルナー監督。2016年オーストリア・ルクセンブルグ共同作品。アルバトロス・フィルム配給。独題: EGON SCHIELE―TOD UND MÄDCHEN 英題: EGON SCHIELE―DEATH AND MAIDEN。天才画家エゴン・シーレは構図や色遣いなど独自な裸体画の名画を多数産み出したが、その短い絵画人生(28才で夭折)は、女とスキャンダルとエゴイズムの欲望が渦巻く世界だった。
映画は病床にある兄夫婦(シーレ夫婦)を妹が見舞うシーンから始まる。妹は子どものいる既婚者。身籠っていた義姉はすでに死亡、兄もスペイン風邪に罹り瀕死の状態。映画はここで切り替わり第一次大戦前の世紀末ウィーンに“フラッシュバック”、ウィーン工芸学校を辞めたシーレの貧弱なアトリエを映し出す。そこでは兄が妹をモデルにして裸体画を描いている。兄妹愛的な兄と妹の関係は普通ではないようにみえる。が、兄は現状に満足することなく、踊り子や年端のいかない少女をゲットしてはモデルに使い、度々男女間のトラブルを引き起こす。敬愛するもそんな兄に嫌気がさして妹は兄の画家仲間と結婚してしまうー。映画は兄シーレの最後を看取る家族、特に妹の献身的なしぐさを捉えて離さないが、兄の偏執狂的な女性履歴も追っていく。クリムト(アール・ヌーボー、ウィーン分離派の画家)に紹介されシーレのモデルにもなり同棲までする、生涯のパートナーと思しき女性(ヴァリ: レリエ・ペヒナー)ーその彼女が大戦後に病没と知らされたシーレは自分の展覧会の作品リストの題名を急遽「死と乙女」に替えるがそれがこの映画のタイトルにもなっているーがいるも別の良家の女性(エディット: マリー・ユンク)との結婚に踏み切ってしまう付和雷同振り・・・。男女間の縺れ合いはこの画家が女性にモテたという証左かもしれないが、あまりにもだらしな過ぎる。一度ゲットしてしまえば飽きて次に移る男性の性なのか。それとも自分の芸術を極めるにはどうしても女性が必要だと言わんばかり― ? 結婚、第一次大戦従軍、展覧会での成功、次第にシーレの絵画は売れていく。やがて映画はクライマックスに。妹が病に倒れた兄の病気を治そうと母にねだった宝石と交換に劇薬キニーネをやっとのことで手に入れるも時すでに遅し。兄はベットで病死する。映画はここで終わる。

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写真左: エゴン・シーレの作品『死と乙女』(1915年) ウィキペディアより
写真右: グスターブ・クリムトの作品『希望Ⅱ』('1907年) MoMAで筆者が撮影したもの

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超人の映画鑑賞 遠藤周作原作 マーティン・スコッセッシ監督『沈黙』 余滴

映画『沈黙』で好演した俳優のイッセー尾形が「週刊現代」最新号(2017年3月4日)のモノクログラビアに登場し、映画『沈黙』の舞台裏や台湾ロケなどについて語っている。小籠包の有名な『鼎泰豊ディンタイフォン』に食べに行った話やマーチン・スコッセッシ監督は馴れ合いはしない人とかいろいろと開陳していてオモシロイ。映画の内容にも触れているので引用してみたい。

「今回は、セリフが英語だからこそ、冒険できたところがあるんです。中略。英語はニュアンスがわからないから、こう言ってみようかと、無限の挑戦ができた」

「信仰とは宗教に限らず、自分が信じているもの、大切にしているもののことだと思うんです。そして踏み絵を差し出されたとき、つまり試されたときに、信じるものを貫くか、自分を売り飛ばすか。キチジロー(窪塚洋介)のように、踏んでもまた戻ってくるという選択肢もあるんですね。世の中、とかく二項対立で語られがちですが、僕は、この“第三の選択肢”がとても現代的だと思うし、一番ほっとするんです」

「清濁の両面を持つ人間の可能性って、やっぱり大きいんですよ。僕はそういう人間が好きだし、演じたいですね」

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超人の生真面目半分転生人語 11 ドナルド・トランプ第45代アメリカ大統領に思うこと 6

ドナルド・トランプ大統領が就任して1ヶ月、閣僚人事の議会承認が大幅に遅れていてまだ半分にも満たない有様で、その上解任や辞任も出て初動から躓いている。記者会見では相変わらず自分の仕事の成果をアピールするのに躍起だ。2月中旬には安倍首相との会談・ゴルフで親密さを演出、真意のほどは皆目分からないが安倍首相に“感謝”まで飛び出す始末。メディア批判は相変わらずで収拾がつきそうにもない。この先どうなるか、何が飛び出すか予断できない状態だ。そんな折アメリカの精神科医の投書が話題になっているという。
www.j-cast.com/2017/02/19290985.html?p=all
自己愛が強すぎるなど性格に問題を抱えるドナルド・トランプ大統領は、国家のリーダーとして相応しくないとの見解を表明したのだ。これは極めて異例だそうだが、そういう人物を支持している人々もいるから不思議に思える。自己顕示欲が強くて強情張り、事実をねじ曲げても自分の意見を押し通してしまう強引さ、自分を批判するメディアに対しては容赦しないほどの罵倒を浴びせて不満をぶちまける、この何とも幼稚すぎる振る舞いには品格dignityなど微塵もないのだ。
漫画のヒーローにはうってつけのキャラと思われるが、この分で行けば一年中良いに悪いせよ、メディアを賑わすことはあり得るかも。アメリカの政治が正義、平等、少数の意見の尊重、寛容さ、多様性など民主主義の土台を崩さず社会の要請に応えるべく政治力を発揮してもらいたい。選挙キャンペーンの支持者向けに雇用促進など公約実行中と経済力で強いアメリカを取り戻せと意気込むこともいいがー。

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ニューヨーク在住の私設特派員が送ってきたトランプタワーの最新写真。歪んで見えるのは気のせいか(笑)。

fake +fake = new face


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珍しい北欧料理の店紹介 6 フィンランド料理店『KIPPIS !』

筆者は京王井の頭線西永福駅で何気なく線路に隣接している建物を眺めていた。今日はいつもと違って寒さが身体に凍みる、しかも小雨、一段とその思いを強くしていたら、目の前の看板が目に入った。窓ガラスにトナカイの絵が書かれたフィンランド料理「KIPPIS !」(kippisは乾杯の意味だそうな)だ。こんなところに北欧料理店があるなんて知らなんだ。フィンランド料理と言えば、かつて京都は五条何々あたりにあった「フィンランディア」を思い出す。やはりトナカイ料理、硬くて少し癖があったのを舌がまだ覚えている。今はこの店は業態を変えて祇園でバーとして賑わっている。
この「KIPPIS !」はディナーが3000円からと書いてあるので、さしずめフィンランド家庭料理を想像して良いだろう。ウォッカも充実しているらしい。興味ある方は詳細を下記のWEBで確かめられたい。

http://kippis.hp.infoseek.co.jp
TEL:03-5376-2531
ANNOS JA JUOMAT

追記 この記事を書いて10年経つが(2007年12月)まだ訪れたことがないが、ランキングに時々顔を出すのでネットで当たってみた。2006年や2007年には訪ねた人の記事が載っていて、珍しいフィンランド料理やお酒を写真入りで紹介をしていた。しかし、その後この店は店主が料理修行に出るため閉店したようだ。


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超人の文学鑑賞 2月、如月 西行のあまりにも有名な歌一首

願わくは
花の下にて
春死なむ
その如月の望月のころ


西行のあまりにも有名な歌一首。“いまさら感”も漂うが。2月15日は西行忌だった。吉野の千本桜見にでかけ西行庵に出会ったのが懐かしい。雨上がりのせいか道中足下がドロドロ状態で一苦労したことも今となっては良い思い出だ。その道中記を読むはこちら→http://crocul.cocolog-nifty.com/callsay/2008/04/post_84b2.html

追記 昨日の毎日新聞夕刊(2017年2月15日)の石 寒太の「こころの歳時記」には西行法師の忌日因んだ一首が掲載されていた。

ほしいまま旅したまひき西行忌  石田波郷

追記2 昨日詩人で評論家の大岡信が亡くなった。享年86歳。
聞けば「願わくは花の下にて春死なむ」を愛し、事実その願い通りの死だったという。合掌。(記 2017年4月6日)

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超人の映画鑑賞 遠藤周作原作 マーティン・スコッセッシ監督「沈黙」

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遠藤周作原作・マーティン・スコッセッシ監督の「沈黙サイレンス」を観た。2016年アメリカで制作されKADOKAWAが配給。戦後文学の傑作の一つといわれている作品の映画化。日本の監督の作品にもあるが(昭和46年の篠田正浩監督の『沈黙』、恩師フェレイラ役は丹波哲郎)マーティン・スコッセッシ監督が原作に感銘して制作したアメリカ映画だ。
江戸時代初期、幕府の「禁教令」発令後のキリシタン迫害をポルトガル人の宣教師を通じて描いた作品。当時の隠れキリシタンがおかれた悲惨な状況を弾圧する強者側(権力側・奉行所)と弾圧される弱者側(キリスタン信徒・カトリック系)の両面から鋭く抉り出している。恩師フェレイラの棄教の真相を探るため、マカオで知り合ったキチジロー(窪塚洋介)の案内で日本に潜入したポルトガル人―ロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)とガルぺ(アダム・ドライヴァー)の2人、その後ガルペは弾圧され酷い仕打ちを受けて死亡―は、結局、恩師もそうであったように葛藤の末強者側の言い分を聞き入れざるを得ず、キリスト教を邪教とみなし棄教(転び=転宗)して日本名に改名、妻をもらい日本で暮らして亡くなる。長崎を舞台に隠れキリシタンの苦悩の問題を扱ったこの映画は、神は苦悩する人間に現れずなぜ沈黙するのか、信仰と愛の問題など根源的な問いを私たちに突きつける。しかし、筆者など冠婚葬祭や盆暮それにクリスマスのときぐらいにしか宗教を意識しない、世俗的でゆるい日本教信奉者にとっては、正直言ってついていけないところも・・・。
さて、演技面では特に奉行役のイッセイ尾形の演技になぜか共感。全体的に暗く笑いが少ない中にあってイッセイ尾形の名演技の悪代官の表情におかしみを感じたのだ。また、通辞(浅野忠信)の存在のある演技など全体的に日本人の役者が活躍していた。内面の蠢きと大自然の静寂、度々登場する「踏み絵」から「拷問」に至るリアリティーある酷いシーン、その上信仰と向き合うシーンなどセリフも長かった。途中眠気も。映画終了時にまわりを見渡したけれど、観客は少なかった。日本公開して3週間も経ってはいるがもう少し観客が入っていても良さそうな気がしたー。
筆者は 遠藤周作原作『沈黙』の文庫本を読もうとずっとテーブルに置いていたが、何ヵ月前に片付けてからその文庫本がどこへ行ったか分からずにいる。あとがきだけは読んだはずだが覚えていない。

“沈黙”といえば、イングマール・ベルイマン監督の『沈黙』が有名。こちらは大分古く1964年日本公開のスウェーデン映画。今ではyou tubeでも観られる。内面の苦悩や葛藤劇は、父親が牧師とあって掘り下げ方が尋常ではない。大小道具の使い方も巧み。但し、こちらはキリスト教でもプロテスタント系。字幕はアラビア語!これには参った。

追記 遠藤周作の『沈黙』の文庫本を買い直した。あとがきも読んだ。まだ手に入れたばかりだが、奥付を見ると2017年1月31日発行で何と63刷、驚いたことに、はしがきと本文は活字のポイントが違っていた。しかも、解説文まで活字が大きくなっていたから面白い。この方が読みやすいことは確かだ。ただ構成的にはどうかー。(2017.2.14 記)


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超人の面白テレビ観賞 その名は、ギリヤーク尼崎 職業 大道芸人

NHKEテレのドキュメンタリー番組「その名は、ギリヤーク尼崎 職業 大道芸人」を観た。役者根性がここまですわった人も珍しい。御年87歳、身体の不自由さにもめげず、路上で踊ったままで死ねれば役者冥利に尽きると老体をうって励む、その日常を密着取材した番組。身の回りの世話をする元タクシードライバーの弟さんの献身的な努力にも感心するが、それにもまして兄のギリヤーク尼崎の役者ばかを懸命に貫き通す芸人魂に感動した。圧巻は去年10月10日の新宿路上でのパフォーマンス「念仏じょんがら」だ。200人位の観客の前で弟子に支えられながら見事に踊り切った。それは非日常へ誘う奇抜な衣装で踊り狂う魂の舞踊そのもの、独創性に溢れていた。私はロマンチストで夢を売る商売をしていると都営アパートの自宅で語るギリヤーク尼崎。年老いて身体の自由を奪われても役者稼業を続けているのだ。その根性にアッパレ!

ギリヤーク尼崎の舞踏を見るはこちら→
https://youtu.be/p1eg24HYY34

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